行動力

【解消方法】焦りは悪いのか?焦りの解消手順と5つの対策

願望の実現を妨げる感情の1つに、焦りがあります。

危機感を回避することで頭がいっぱいになり、本当に実現したいことを見失ってしまうためです。

この記事では、焦りを解消する方法についてお伝えしていきます。

焦りから立て直すための工夫もお伝えするので、焦りがちな人はここで紹介する情報を取り入れてみてください。

目次
  1. 焦りと似た感情
  2. よい焦りと悪い焦りの違いとは
  3. 焦りを解消するための方法手順
  4. 焦りを生じさせるよくある4つのパターン
  5. 焦りづらくなる5つのコツ
  6. 焦りに振り回されなくなる3つの工夫
  7. 悪い焦りが失敗を促す3つの理由
  8. 焦らなすぎるのもダメな3つの理由
  9. 個人事業主が焦って失敗するよくあるケース5選
  10. まとめ

焦りと似た感情

ここでは、焦りと焦りに似た感情をお伝えしていきます。

今ある感情を判別するときに活用してみてください。

感情①:焦り

焦りとは、特定の目標やタスクを時間内に終わらせたいという感情です。

締切に対してリソースが不足していると認識したときに、焦りは強まります。

焦りは「やりたい」を「やらなきゃ」という感覚に上書きします。

これは、「報酬の獲得」から「締切への危機感の回避」が優先されるようになるためです。

  • 報酬の獲得:〇〇が欲しいから頑張ろう
  • 危機感の回避:大変な目にあうから〇〇を頑張らなきゃ

感情②:不安

不安とは、将来の不確実性への恐れです。

恐怖と似ていますが、恐れの対象が具体的か不明瞭かで分けられます。

  • 恐怖:具体的な損失や脅威への恐れ
  • 不安:不明瞭な損失や脅威への恐れ

不安は漠然としており、何への恐れなのかが分からないため焦燥感を生み出すことがあります。

不安から生じた焦りの場合は、まずは何を恐れているのかを具体化することから始めてみるとよいでしょう。

準備中:不安や恐怖をエネルギーへと変える方法

感情③:緊張

緊張とは、状況や出来事に対する心身の反応です。

自分にとっての脅威を目の当たりにすることで緊張が生じます。

「早くなんとかしなきゃ」という焦りも、緊張を生み出す要因の1つです。

緊張を解きほぐすには、次の2つの解決策が挙げられます。

  • 恐怖を小さくする:失敗しても致命傷にならない
  • 緊張への解釈を変える:緊張や成長が伴う挑戦を知らせるサイン

準備中:完璧主義を手放す方法

感情④:怒り

怒りとは、不足した感情を満たそうとすることで生じる二次感情です。

怒りを引き起こす一次感情として、次のものが挙げられます。

  • 喜び
  • 悲しみ
  • 不安
  • 驚き
  • 嫌悪
  • 恐怖

焦りが怒りに転嫁することもありますが、これは焦りが不安や恐怖に結びつくことで怒りが生じています。

怒りを感じたときは、自分は怒っているのだと認識して、その怒りで満たしたい感情と欲求を内省してみてください。

準備中:他責思考の直し方

よい焦りと悪い焦りの違いとは

焦りは目標達成や理想の実現を阻害しますが、すべての焦りが悪く働くわけではありません。

よい焦りと悪い焦りに分かれており、よい焦りは活用して悪い焦りには対策を練ることが大切です。

  • よい焦り:締切効果のように行動を促す、地に足の着いた行動
  • 悪い焦り:恐怖や無力感から行動を止める、地に足の着いていない行動

焦りの良し悪しを判別するには、行動の無謀さと感情の質で確かめるとよいでしょう。

  • 感情の質:ポジティブで活力がみなぎる感情ほどよい
  • 行動の無謀さ:目標達成や理想の実現に効果的な行動ほどよい

焦りが強くなるほど、悪い焦りになりやすいです。

焦りを有効活用するためにも、焦るけれど焦りすぎないための対策を練ることをおすすめします。

例.夏休み終了前日に宿題を終わらせようとする
・よい焦り①:ゲームなんかせずに宿題をがんばろう!
・よい焦り②:このままでは終わらないから効率化する手段を考えよう
・悪い焦り①:どうせがんばっても無駄だから諦めよう
・悪い焦り②:一発逆転できるような手段を考えよう

焦りを解消するための方法手順

ここでは、生じた悪い焦りを解消するための方法についてお伝えしていきます。

焦りを解消するための基本方針は「大丈夫」という感覚を取りに行くことです。

「焦らなくても大丈夫」という認識を作ることで、悪い焦りが和らいで本心からの選択がおこなえるようになります。

手順①:焦りに気づく

まずは、自分が焦っていることに気づきましょう。

「私は焦っているんだ」とはっきり認識することで、冷静に対処できるようになるためです。

焦っているときのサインとして、次の言動が挙げられます。

  • 一発逆転思考になる
  • 他の予定に対して苛立つ
  • フィードバックを頻繁に得ようとする
  • 「やらなきゃならない」と言葉に出す

例.起業後の焦り
・一発逆転思考:1ヵ月で100万円稼ぐ方法が欲しい
・やらなきゃ思考:早くお金を稼がなやきゃ
・他の予定への苛立ち:親の手伝いなんてしている暇はないのに
・フィードバック欲求:1週間ブログ書いたしPVをチェックしてみよう

手順②:理想を明確にする

焦りを自覚したら、自己決定感を取り戻すために理想を明確にします。

迫りくる危機感は視野を狭め、自分にとっての望みや理想を見失わせるためです。

「選ばされている」から「それを自分が選んでいる」に転換するための、理想的な未来を描いてみてください。

次のように焦らない条件で想像することで、視野が広がり自由に理想を描けるようになります。

  • すべてが成功するとしたら何をしたいか?
  • 失敗しても意味があるとしたら何をしたいか?
  • 貯金がなくなってもなんとかなるとしたらどうしたいか?
  • 時間とお金が無限にあるとしたら何を選びたいだろうか?
  • 締切に間に合わなくてもお咎めがないとしたらどうしたいか?

例.起業後の焦り
・焦り:早くお金を稼がなきゃ
・理想①:本当は自分を表現する働き方をしたい
・理想②:本当はもっと周りと協働するような働き方をしたい
・理想③:本当は週20h労働で生活費が賄えるようになりたい

準備中:理想の描き方

手順③:想定している未来を明確にする

自分にとっての正解となる理想を描けたら、焦りを生み出す原因である未来を明確にしていきます。

目指したい方向性と焦りを生み出す未来とのギャップを比較することで、検討すべき本当の問題が見つかるためです。

次のような問いによって、このままだとどうなるのかを具体化してみてください。

  • 私は何を恐れているのだろうか?
  • 私は何が足りないと考えているのだろうか?
  • 私が恐れる最悪の未来とはどのようなものだろうか?

例.起業後の焦り
・焦り:早くお金を稼がなきゃ
・理想:本当は自分を表現する働き方をしたい
・原因①:このままだと貯金が尽きて生活できなくなる
・原因②:実績がないと誰にも夢を応援してもらえない
・原因③:お金を稼げていないと周りから低評価される

手順④:想定している未来を検証する

焦りを生み出す原因である未来を明確にしたら、その未来の妥当性について検証していきます。

私たちはリスクを過大評価する傾向にあり、原因を客観的に評価しなければ過度に焦ってしまいやすいからです。

焦りを生み出す原因である未来を検証するには、次の2つのことを確かめてみてください。

  • 確率:どれほどの確率でその未来は訪れるのか?
  • 程度:それは致命傷になり得るのか?取り返しはつかないのか?

例.起業後の焦り
・焦り:早くお金を稼がなきゃ
・理想:本当は自分を表現する働き方をしたい
・原因:このままだと貯金が尽きて生活できなくなる
・検証(確率):バイトも落ちて家から追い出される確率は1%程度
・検証(程度):貯金が尽きるだけなら致命傷にならない

準備中:延長線上の未来を描く方法

手順⑤:最悪の事態への対策を施す

次に、最悪の未来への対策を施します。

万に一つの確率だとしても、対策を練っているのと練っていないのでは心理的な安心感が異なるためです。

「最悪の事態になってもなんとかなるでしょ」と思えるような対策を練ることがゴールです。

最悪の事態への対策を施すには、次の2つのことをおこなってみてください。

  • 予防:最悪の事態にならないための工夫
  • 対処:最悪の事態になったときの打開策

例.起業後の焦り
・焦り:早くお金を稼がなきゃ
・理想:本当は自分を表現する働き方をしたい
・原因:このままだと貯金が尽きて生活できなくなる
・検証(確率):バイトも落ちて家から追い出される確率は1%程度
・検証(程度):貯金が尽きるだけなら致命傷にならない
・対策(予防):バイトも掛け持ちしながら事業計画を進めよう
・対策(対処):住み込みで働けるバイトリストを作っておこう、起業仲間と人脈を築いておこう

手順⑥:未来を天秤にかける

ここまで原因と向き合ったら、これからどのような未来を選びたいのかを検討していきます。

どれほどの対策を練ったとしても、リスクがなくなることはありません。

「リスクを背負った選択」と「安パイに思えるような選択」のどちらかを決断しましょう。

ただし、そもそもの選択肢が不適切である場合もあります。

今ある選択肢だけで考えるのではなく、よりよい選択肢はないのかの検討もおこなってみてください。

準備中:決断を促す方法

手順⑦:長期的な計画を立てる

未来を決断したら、その未来を実現するための長期的な計画を立てます。

短期的すぎる計画は焦りの原因になりやすいため、成功までの過程がイメージできるような長期的な計画を立ててください。

策定する計画には、「うまくいっているのか」を確かめるためのフィードバックが得られるタイミングも折り込みましょう。

フィードバックがあることで安心感を得られて、焦りが生じなくなるためです。

また、計画を立てるときは「成功までに生じる小さな失敗」を想定することが大切です。

山あり谷ありの過程を踏まえた計画を作ることで、計画を実行することの粘り強さが生まれます。

準備中:計画の立て方

焦りを生じさせるよくある4つのパターン

ここでは、焦りが生じやすいパターンについてお伝えしていきます。

焦りの原因を探るときの手がかりとして、活用してみてください。

パターン①:失敗したときの損失が大きいと感じている

「どうにかしないと大きな損失が生じる」という認識は、過度な焦りを生みます。

動機は次の2つに分けられますが、「損失回避」は「報酬接近」よりも動機として作用しやすいためです。

  • 報酬接近:欲しいものを得たいという欲求
  • 損失回避:嫌なものを避けたいという欲求

損失の大きさに怯えている場合は、その損失の検証が重要になります。

信念によって損失が大きいと思い込んでいるケースが多いので、「なぜそれを恐れているのか?」をとことん掘り下げてみてください。

「大きな損失だ」とする解釈の核心に迫れれば、「実は大きな損失ではない」という認識に変わって焦りが弱まることがあります。

例.損失への解釈は人それぞれ
・解釈①:失敗は許されない挑戦だ
・解釈②:一刻も早く成功しなきゃならない
・解釈③:私には選べる選択肢がもう他にない

準備中:失敗の乗り越え方

パターン②:不足したリソースに注目する癖がついている

不足したリソースに注目する癖は焦りを強めます。

「〇〇がないからできないだろう」というように、未来に対して悲観的になりやすいためです。

現状持つリソースを棚卸しして、何が不足しているのかを確かめることは大切です。

しかし、「〇〇がない」ばかりに注目しすぎる行為は、次のことにつながります。

  • そのリソースを持っている人を妬む
  • 失敗する言い訳になり成功を求めなくなる

不足するリソースを明確にしたら、その後リソースをどうすべきかを検討してください。

具体的には、次の2つの対処方法が考えられます。

  • 今あるリソースを活かす:人に頼る、得意分野から始める
  • 不足しているリソースを補う:締切を伸ばす、資金調達する

例.不足したリソースに注目することによる焦り
・症状①:資金がないからもう夢を諦めなきゃ
・症状②:時間がないから一発逆転できる方法を見つけなきゃ
・症状③:がんばりたいけど、頼れる人がいないからどうせ無駄になるだろう

準備中:否定的な目標は悪いのか

パターン③:自分の能力に見合わない課題に取り組んでいる

現状の自分にとって難易度が高すぎる課題であるほど、無力感から焦りが生じます。

「一っ飛びで課題を乗り越えること」を期待しているのに、いくらリソースを割いてもその課題に躓き続けるためです。

前進している感覚が全くつかめずに、時間ばかりが過ぎていくと感じて焦りが強まっていきます。

特に初めての領域では、自分の能力レベルが分からないがために高い課題に挑戦してしまいがちです。

課題に躓いたら、フィードバックなどから現状分析をおこない、本当に今の自分にふさわしい難易度なのかを確かめてみてください。

例.現状に見合わない課題による焦り
・症状①:モニターを3人もやったのに商品が未完成だ
・症状②:1ヵ月がんばったのに登録者が1万人いかない
・症状③:もう働き始めて3ヵ月なのに上司のような営業ができない

準備中:目標の設定方法

パターン④:焦りを感じるまで行動ができない性質を持っている

十分なリソースがあったとしても、そのリソースがなくなるまで行動しないパターンがあります。

次の2つのことを求めて、危機感を抱かないと行動欲が生じないようなケースです。

  • 困難な状況から高揚感を得ること
  • 困難な状況を打破することで快感を得ること

このギリギリ族とも言える性質が極端に強い人は、長距離走よりも短距離走が得意だと割り切ったほうが近道であることが多いです。

「1ヵ月ごとの目標」を「1日ごとの目標」「数時間ごとの目標」に細かく分解して、常に締め切りを意識して焦りを活用してみてください。

例.ギリギリ族による焦り
・症状①:次にミスしたら本当にやばいかも!?
・症状②:よくよく考えたら締切に間に合わない!

準備中:計画を後ろ倒しにしないためには

焦りづらくなる5つのコツ

ここでは、焦りづらくなるためのコツについてお伝えしていきます。

焦り対策として取り入れてみてください。

コツ①:無謀な期待をしない

焦り対策として、自分の期待をコントロールすることが有効です。

どうあっても得られないような結果を期待することで、害にしかならない焦りが生じるためです。

期待をコントロールするためには、現状の能力を把握するとともに、行動と結果のバランスを取る必要があります。

自分の期待を自覚したら、「なぜそれが手に入ると思っているのか」を自問自答して根拠を探してみてください。

もしもその根拠に妥当性が欠けているのであれば、次の2つの対策が考えられます。

  • 期待を下方修正する
  • 期待にふさわしい計画に修正する

例.無謀な期待
・本気さえ出せば1ヶ月営業TOPになれる
・ダイエットを1ヶ月も続ければ5kg減量なんて余裕だろう
・100時間も頑張ればトッププレイヤーと同じ土俵に立てるはずだ

コツ②:進捗の振り返りをする

いくらがんばってもゴールに近づいている感覚がないときは、進捗の振り返りをしてみてください。

得たものに焦点を当てることで、前進が実感できて見通しを立てられるようになるためです。

遠くのゴールを見ていると、距離感がつかめずに全く前に進んでないように感じるものです。

前進具合を確認するには、視点を近くの対象に移さなければなりません。

具体的には、次の2つが前進具合を測るための対象として役立ちます。

  • 小さな目標(マイルストーン)
  • 計画の進捗具合

進捗を振り返るときは、「足りないもの」ではなく「得たもの」を数えることが大切です。

足りないものばかりを数えてしまうと、「まだたどり着かない」と焦りが強まり、ゴールすることを諦めやすくなります。

行動の粘り強さを高めるためにも、得たものに焦点を当てて自分の成果を実感する機会を作りましょう。

例.進捗の振り返り
・足りないもの:検証すべき仮説がこんなにある、まだスキルが未熟すぎる
・得たもの:新しい仮説が分かった、スキルが上がった、計画が進んだ、感謝された

準備中:振り返りの方法

コツ③:定期的にフィードバックをもらう

ゴールに前進できているのかが不安なときは、定期的にフィードバックをもらう機会を作ってみてください。

自分がどこに進んでいるかは、他者の視点からなら分かることもあるためです。

「このまま進んでいけばゴールにたどり着けるよ」という保証をもらえれば、それだけで焦りが和らぎ前進へのポジティブな活力が湧いてきます。

たとえ自分では腑に落ちていなくとも、信頼できる人から保証をもらえれば焦らずに前に進めるものです。

そのため、フィードバックは誰からもらうかが重要です。

次の条件に合う人からフィードバックをもらえるように工夫してみましょう。

  • その人の言葉なら素直に受け取れると信頼できる人
  • 自分が目指しているゴールにすでに到達している人

例.進む方向性への不安
・このSNS投稿を続けることに意味があるのかな…
・痩せれてないけどこのダイエット方法は本当に効果があるのかな…

準備中:アドバイスを受け取れない人の心理とは

コツ④:計画を3割進めてから修正を検討する

結果を急いでしまいやすい人は、まずは計画を無心で3割進めてみることをおすすめします。

「一定期間実行してから修正するかを検討する」とルール化することで、その期間中に生じる不安や焦りなどの不快な感情を無視しやすくなるためです。

計画を修正するにしても、その計画を実行しない限りは修正すべき改善点が分かりません。

計画を練ることも大切ですが、それ以上に実行してみることが成功には欠かせないのです。

きれいな成功を目指すのではなく、PDCAを早く回して多くの経験と成長を得ながら成長することを目指してみてください。

コツ⑤:失敗を想定して最低3つの計画を持っておく

精神的な余裕を確保するためには、複数の計画を持っておくことが有効です。

1つの計画だけだと焦りばかりが強まり、よりよい計画に磨き上げる作業ができなくなるからです。

精神的な余裕がない場合、計画に対して次のような傾向が顕著になります。

  • 1つの計画に執着しやすい:これで絶対に成功させなきゃ
  • 他の計画に目移りしやすい:もっと効率的な方法を見つけなきゃ

1つの成功を目指すときは、少なくとも3つのルートを所持しましょう。

「ダメだと分かったらその経験を持って他のルートに移る」という潔さを持つことで、精神的な余裕が生まれて過剰に焦らなくなります。

焦りに振り回されなくなる3つの工夫

ここでは、焦りが生じたときの対処法についてお伝えしていきます。

どれほど対策を練っても焦りは生じるものですので、ここでの対処法も実行できるようになることをおすすめします。

工夫①:焦りの原因を内省する

焦りが生じたら、上述した「焦りを解消するための方法手順」を参考にしてその焦りと向き合ってみてください。

焦りにはかならず原因があり、その原因をつき止めるだけでも焦りが収まることがあります。

また、焦りの原因が認知の歪みによるものであれば、その検証作業をすることで原因を取り除くことも可能です。

焦りを内省するには、自分の思考を見える化することをおすすめします。

メモやボイスレコーダーを使って思考を外に出すことで、いつものパターンから外れた考え方ができるようになるためです。

どうしても自分のパターン通りの思考になり、グルグルと無限ループしてしまう場合は、コーチングのような内省の専門家に相談してみるとよいでしょう。

準備中:コーチングとは

工夫②:焦りへの解釈を変える

自分にとって焦りとはどのような意味があるのでしょうか。

焦りへの解釈がネガティブなほど、焦りに敏感になり強い緊張状態が生まれます。

反対に、焦りへの解釈がポジティブであれば、焦りを受容できるようになって活用しやすくなるでしょう。

焦りに飲み込まれないためにも、焦りの解釈を検討してみてください。

まずは今の焦りへの解釈を言語化して、その妥当性について検証することがおすすめです。

「焦りは敵ではない」と認識できる解釈を持つことで、強い焦りを抑えられるようになります。

例.おすすめの焦りへの解釈
・焦りは行動欲を知らせるサイン
・焦りは軌道修正の必要性を知らせるサイン

工夫③:マインドフルネスを習慣にする

焦りながら行動しても気が散ってしまい、結果的に生産性が落ちてしまいます。

焦りを感じることでモチベーションは高まりますが、実際に作業に取り組むときは焦りを脇に置かなければなりません。

行動に集中するためには、マインドフルネスによって「今に注目するスキル」を高めることをおすすめします。

マインドフルネスは、3週間程度続けることで効果が実感できると言われています。

すぐに効果を実感することはできませんが、このスキルが高まれば過剰な焦りが生じてもすぐに鎮められるようになるでしょう。

ただし、マインドフルネスはあくまで焦りの先延ばしです。

作業に取り組み終わったら、その焦りの正体と向き合うようにしてください。

悪い焦りが失敗を促す3つの理由

そもそもなぜ焦りが悪者扱いされるのでしょうか。

ここでは、悪い焦りが失敗を促す理由についてお伝えしていきます。

失敗理由①:大切な努力ができなくなる

焦りの感情は、無駄な行動を省く作用があります。

余計なことをしている余裕がなく、最短ルート上にある必要なことだけを取り組むように働きかけるということです。

しかし、強すぎる焦りは視野を狭め、次のような思考を促します。

  • 必要な行動を無駄だと断定する
  • 魔法の杖のような分の悪い一発逆転できる方法を採用する

効率化するときは、それが必要かどうかを確かな根拠を持って判断することが重要です。

焦りによって直感的な判断を下さないように、冷静にタスクの断捨離をおこなってください。

例.無謀な効率化思考
・基礎練習なんて無駄だから必殺技を覚えよう
・1か月で確実に100万円を稼げる方法があるはずだ
・成功イメージが持てないからこの行動をする価値はない

準備中:納得できないと先に進めない

失敗理由②:モチベーションが低下する

焦りは行動を促しますが、強すぎる焦りはむしろ行動を阻みます。

「あぁもう手遅れだ」と悟ってしまい、行動する動機が失われてしまうためです。

客観的にはまだ抗いようがあったとしても、焦りが強まるとその突破口を認識できなくなります。

もう抗いようがないと感じたら、行動を止めてそれを受け入れる準備を始めてしまうでしょう。

それでも行動しなければならないときは、「どうせ無理なのに」とむしろ失敗を促すようになり、他人を恨んだりわざと手を抜いたりします。

強い焦りは未来を絶望するように働きかけるため、失敗確率を高めてしまうのです。

例.未来への絶望
・どうせ失敗するんだからサボっちゃおう
・あいつが余計なことをしたから失敗するんだ
・もう負けが確定しているのだから遊んじゃおう

準備中:モチベーションの高め方

失敗理由③:本当に求める成功を見失う

焦りは危機感を認識することで生じますが、それによって行動目的がすり替わってしまいます。

報酬を得るよりも損失を回避することに意識が向きやすく、強い危機感は本来の目的を見失わせるためです。

「本当は〇〇が欲しい」と決断したのに、焦りが生じると「△△を回避できるならなんでもいい」と望むようになります。

その結果、「到達したいAの未来」ではなく「回避したいB以外の未来」にたどり着くことを第一に目標にしてしまうのです。

焦りを感じたら、行動目的がすり替わっていないかを検討してみてください。

もしもやらされている感が生じているのであれば、それは行動目的がすり替わっている可能性が高いです。

例.報酬獲得と損失回避
・理想:家族との思い出を作れるようになりたい
・報酬獲得:毎年旅行するために副業して1千万円稼ぐぞ!
・損失回避:周りから浮きたくないから副業はやめよう

準備中:仕事におけるやらされている感の解消方法

焦らなすぎるのもダメな3つの理由

焦りにはネガティブな側面もありますが、ポジティブな側面もあります。

そのため、焦らないという状況も失敗を促す原因です。

ここでは、焦らないことが失敗確率を高めてしまう理由についてお伝えしていきます。

焦らない①:挑戦的な行動が苦しくなる

挑戦とは、リスクある行動です。

挑戦するにはリスクを許容しなければならず、その許容には危機感が欠かせません。

「このままではじり貧だ」という危機感があるからこそ、リスクを負って挑戦することができるのです。

にもかかわらず焦りをまったく感じていないと、危機感を感じられなくなり「まだリスクを負うときではない」と認識するようになります。

変化するための挑戦を先延ばしにして、「そのときが来たらがんばろう」と決断を伸ばしてしまいます。

しかし、余裕が焦りに変わるタイミングでは、もう手遅れである可能性が高いです。

楽天的な余裕を持ちやすい人は、もう少し焦りを活用できるようになることをおすすめします。

焦らない②:現状維持バイアスが強くなる

現状満足度が高いほど、焦りは生まれなくなります。

現状を変える必要がないのだから、力を注がなくてもよいと認識するためです。

しかし、現状満足には次の2つの死角が存在します。

  • 現状維持による損失が見えていない
  • 現状維持をするためのコストが見えていない

現状満足のように見えて、実は沈みゆく未来を見ないふりをしているだけかもしれません。

また現状に満足しているからと怠惰になっては、現状維持すらもままならないでしょう。

焦らなすぎることも、視野を狭めてしまい自分の進んでいる方向が見えなくなる原因です。

まったく焦っていないときは、「このままだとどこにたどり着くのか」を確かめてみることをおすすめします。

準備中:現状維持は悪いのか

焦らない③:重要度の高いタスクが疎かになる

たとえば私たちが不老不死だったら、すべての目標を達成することは可能であり、あとはそれをどの順番で達成していくのかという問題だけになります。

緊急度や重要度という指標がなくなり、優先順位という概念がなくなるということです。

焦りがない状態というのも、この不老不死の感覚によく似ています。

自分にはいくらでも時間があり、タイミングが来るまでじっとしていればいいと錯覚してしまうのです。

気まぐれに行動すればいいと考えて、重要度が低いタスクにのめり込むようになります。

しかし、実際は私たちには寿命があり、何事にも締切が存在します。

余裕を持ちすぎていては、機会を逃し、何も成せずに寿命を迎えてしまうでしょう。

「何事にも期限があること」を認識することは、今をより良く生きるためには欠かせない真実です。

人生の中で取り組めることはそう多くはないとも言いますので、まずは自分の残された期間と向き合って重要なことは何かを考えてみてください。

準備中:理想の未来

個人事業主が焦って失敗するよくあるケース5選

ここでは、個人事業主が焦りによって失敗するケースをお伝えしていきます。

まだこの失敗ケースを経験していないのであれば、「こんな失敗パターンもあるのか」と同じ轍を踏まないための予防線になれば幸いです。

ケース①:モニターを省く

モニターの実施は、「早く稼がなきゃ」と焦りだすともっとも疎かにしやすい工程の1つです。

次のような思考によって、遠回りのように感じてしまうためです。

  • マーケティング能力がなかったら結局売れない
  • モニターでうまくいかなかったらまたモニターを繰り返さなきゃ

商品が売れればお金が入るため、売ることに関係ない行為は無駄だと感じてしまうかもしれません。

しかし、どれほどセールスやマーケティングのスキルを磨いたとしても、商品に自信がなければそれらのスキルを実行することに戸惑いが生まれます。

「売れたとしても役に立たないかも」と、売った後の不安が実行することへのブレーキになるのです。

モニターは商品の品質を確かめるための検証作業ですが、「この商品をもっと多くの人に届けたい」という情熱を作り出す側面もあります。

自分の商品をもっと広めたいと感じられない場合は、時間をとってモニターによる検証作業を実施してみてください。

準備中:モニターの集め方

ケース②:高額な情報商材を買う

「このままではだめだ」と未来に絶望して焦りだすと、自分に必要のない高額な情報商材を買ってしまいます。

次のような希望を見せられて、現状の問題点を理解しないまま商品の勧誘を鵜呑みにしてしまうためです。

  • これを買えば確実にあなたは稼げるようになる
  • これを買えばラクして一瞬であなたの生活は一変する

延長線上の未来が絶望的なら、何かしらのてこ入れは必要です。

しかし、どのようなてこ入れが必要なのかを検討しないと、耳障りのよい言葉に翻弄されることになります。

特に高額な情報商材を買う場合は、次の2つのことを検討してみてください。

  • なぜこのままだと失敗するのか
  • 成功にはさらに何が必要なのか

ただし、百発百中で自分に合った商品を買うことは不可能です。

事業資金のすべてを1つの情報商材に使わずに、3回のチャレンジができる程度の予算で商品を買うことをおすすめします。

準備中:成長を加速するための自己投資先とは

ケース③:SNS投稿を疎かにする

商品が売れるほどのSNSアカウントに育てるには、最低でも3ヶ月~1年の期間が必要です。

しかもSNSアカウントが実際に育つかは、発信領域とその人のスキルに大きく影響します。

1年経ってもまったくアカウントが育たずに1円も稼げていないという人は少なくありません。

SNSマーケティングはそんな不確実性の塊であり、見通しを立てられず「今やっていることが無駄なのではないか」と不安を何度も感じます。

時間ばかりが過ぎていく現実に焦りだし、しだいに次のような思考になってSNS投稿をやめてしまうのです。

  • 無駄なSNS投稿はしない
  • 無様なさまを他人に見られたくない
  • 確実な方法が見つかったら再開しよう

しかし、SNS投稿をやめたからといって、それで商品が売れるようになるわけではありません。

たいていの人は次の2つを嫌悪してSNSをやめてしまうため、状況はむしろ悪化してしまいます。

  • 不安を感じたくない
  • 改善案を思考したくない

強い焦りは行動を止めますが、止まった先のアイデアがないならば本当に動けなくなるだけです。

効果が薄いSNS投稿を続けても無駄であることは事実ですが、「だからSNS投稿は無駄である」という思考にならないように注意してください。

準備中:情報発信が怖い理由

ケース④:無理やりなセールスをする

稼ぐことに焦りだすと、無理やりなセールスをするようになります。

「売れないと明日がなくなる」というような危機感から、なんとしても商品を売りつけようとするためです。

しかし、個人事業主は自分が看板であり、お客様の不満はすべて自分に跳ね返ります。

悪評が増えることで、事業の持続可能性が著しく落ちてしまうでしょう。

自分のために商売をしているかもしれませんが、商品を売るのはお客様のためでなければなりません。

自分のために商品を売るようになってたら「お客様=お金」に見えるようになり、お客様に合わない商品を押しつけるようになります。

将来も事業を続けようと考えるならば、持続可能性を基準にセールスをしてください。

圧迫面接や誇大表現によるセールスではなく、お客様が買ってからも満足するような方法を採用することをおすすめします。

ケース⑤:自分の専門領域をインプットしなくなる

売ることを強く意識しすぎると、次の理由から自分の専門領域をインプットできなくなります。

  • 自分の専門性を深めても売上に直結しないから
  • 新しい情報を知ったら商品を作り直さなければならないから
  • 自分より詳しい人がいると知ると商品への自信がなくなるから

たしかに、商品を作り込むフェーズなのか、商品を売るフェーズなのかでタスクの優先順位は異なります。

商品を売りたいのなら、集中して取り組むことはマーケティング活動でしょう。

しかし、マーケティングばかりにかまけていると、自分はその領域のプロであるという自信が薄れていきます。

マーケティングをしていると「私よりもっとすごい人がいる」と思える人に遭遇して、心の奥底で自分の商品を売りたくないと思えてくるためです。

「私は〇〇の専門家なんだ!」という自信は、情報を発信すること、商品を売ることへの自信になり、行動量を増加させます。

プロ意識を持ち続けるためにも、どのフェーズであろうと自分の専門領域の知識はインプットしつづけることをおすすめします。

まとめ

焦りには、次の2つに分けられます。

  • よい焦り:地に足の着いた行動を促す
  • 悪い焦り:促す地に足の着いた行動を止める

悪い焦りを解消するためには、次の手順がおすすめです。

  1. 焦りを自覚する
  2. 焦りの原因を検証する
  3. 地に足の着いた行動プランを作成する

困難な目標達成を目指すほど、悪い焦りが生じやすいです。

焦りによって計画がとん挫しがちである場合は、コーチングによる支援のもとで目標達成を目指すことをおすすめします。

準備中:目標達成にコーチングが有効な5つの理由