趣味でも仕事でも、行動するときに立ち塞がるのが「めんどくさい」の壁です。
めんどくさいと感じて、ついつい先延ばしにして後悔したという経験は多くの人が持っているのではないでしょうか。
しかし、「めんどくさい」の壁を1つひとつ克服することで、自分の可能性をもっと広げられます。
この記事では、めんどくさいを克服するための方法をお伝えしていくので、ぜひとも取り入れてみてください。
めんどくさいの正体
めんどくさいの正体とは、身体が止まっているのに、脳が無意識的に行動をイメージすることで生じます。
たとえば、仕事がめんどくさいと感じているときは、次のことを脳が勝手にイメージしているということです。
- 仕事をどのようにするのか
- 仕事をしたら何が起きるのか
どれほど簡単な行動や習慣化された行動でも、めんどくさいという感覚がなくなることはありません。
めんどくさいは行動とセットの感覚であるため、めんどくさいと感じなくしようとすると空回りしてしまうことに注意してください。
めんどくさいの克服手順
めんどくさいの克服とは、めんどくさいに隠れた不快感を取り除くことです。
ここでは、めんどくさいを乗り越えるための方法をお伝えしていきます。
手順①:マインドを整える
まずは、めんどくさいとは何かというマインドを整えましょう。
一般的にめんどくさいに振り回されるマインドとして、次のものが挙げられます。
- めんどくさい=心の悲鳴
- めんどくさい=やりたくない証拠
- めんどくさい=やらなくてもいい理由になる
「めんどくさいは重要な感覚で、行動を止めるための根拠になる」というようなマインドだと、めんどくさいに振り回されてしまいます。
めんどくさいに振り回されないためには、「めんどくさいは当たり前のものであり、気づきを得るためのヒントになることもある」という認識を促すマインドを持つことがおすすめです。
具体的には、次のようなマインドがよいでしょう。
- めんどくさい=単なる行動欲求の側面
- めんどくさい=気づきを見つけるサイン
手順②:めんどくさいに気づく
めんどくさいを克服するためには、何に対してめんどくさいと感じるのかを見つける必要があります。
一口にめんどくさいと表現していても、その行動ごとにめんどくさいを引き起こす原因が異なるためです。
めんどくさいという感覚に気づくには、次の直感がヒントになるでしょう。
- 行動しようとするとなんだかイライラする
- 行動しようとするとなんだか身体が重い気がする
- 行動しようとするとなんだかため息をつきたくなる
- 行動しようとすると無意識に「めんどくさ」とつぶやいてしまう
手順③:めんどくさいの原因を見つける
めんどくさいことに気づいたら、その感覚が生じる原因を分析していきます。
原因を見つけるためには、その行動をすることで何が起きることを嫌がっているのかをイメージしてみてください。
めんどくさいを引き起こす行動の工程や登場する人物を思い出し、感覚や感情を研ぎ澄ませて具体的に妄想してみましょう。
うまくイメージできずに原因を見つけられない場合は、少しでもいいのでその行動を実際に試してみることをおすすめします。
手順④:めんどくさいの原因を解消する
めんどくさいを引き起こす原因を見つけたら、その原因を取り除くための行動を起こします。
「どうしたらこの原因を乗り越えられるのだろうか」と前向きな思考で検討してみてください。
原因に気づいただけで解消するものもあれば、調査・検証・実行・継続などが必要な場合もあります。
いずれにしても、めんどくさいを引き起こす原因を取り除くには、自分のマインド面と向き合うことが重要です。
自分1人では難しいと感じる場合は、内省と実行を促すことを得意とするコーチングを受講してみるとよいでしょう。
準備中:コーチングとは
手順⑤:めんどくさいと感じる行動に慣れる
めんどくさいを引き起こす原因を解消できたら、その行動を続けてみます。
行動に伴う「めんどくさい」という感覚から、恐怖や不安などの原因が取り除かれているかを確かめるためです。
行動における「めんどくさい」が既に大したシグナルではなくなったと実感できたら、そのめんどくさいは克服したといえるでしょう。
あとは継続するスキルを高めることで、めんどくさいという感覚に振り回されずに実行できるようになります。
準備中:継続の方法
めんどくさいの主な原因
ここでは、めんどくさいを生じさせる主な原因についてお伝えしていきます。
「めんどくさいの克服手順」における「手順③:めんどくさいの原因を見つける」を実施するときの参考にしてみてください。
原因①:行動への無価値観
無価値観とは、対象に対して意味がないと感じる認識のことです。
次のような認識によって無価値観が生じて、めんどうくさいという感覚を増長させます。
- その行動は非効果的である
- 努力してもどうせ報われない
- がんばってもすぐ追い抜かれる
- これはもうすでに誰かがやったこと
めんどくさいの中に無価値観が含まれている場合は、自分にとっての意味を見出してください。
「その行動が何につながるのか」を多面的に検討することで、自分にとって価値のある意味を見つけられるでしょう。
自分1人では意味を見出せない場合は、難なく行動を継続している人に、その行動の意味づけや解釈を尋ねることをおすすめします。
準備中:ロールモデルの見つけ方
原因②:他の行動への欲求
選びたい行動よりも「ラクなこと」や「楽しいこと」が他にあると、めんどくさいという感覚が増長します。
次のような選択肢によって、選びたい行動をすることは損失であると認識してしまうためです。
- より楽しめる選択肢:勉強するよりゲームしたほうが楽しい
- 苦労を回避する選択肢:会社に行くより営業車に籠ってよう
他の選択肢との葛藤が生じている場合は、本当の望みを明確にしてそれ以外の選択肢を排除するとよいでしょう。
意志だけではなく環境も整えることが、誘惑に負けない自分を作るためには欠かせません。
準備中:先延ばし癖
原因③:ゴールまでの複雑さ
ゴールまでの複雑さとは、多忙感や困難感のことです。
次のような認識によってゴールまで複雑だと感じることで、めんどくさいという感覚が増長します。
- ゴールまでが遠い
- 自分には難しそう
- たくさんのことをしなければならない
ゴールまでの複雑さを解消するためには、今実行すべきことだけに焦点を当ててみてください。
「今日の自分」と「明日以降の自分」を切り離し、今日の自分に必要な行動だけに集中することで、ゴールまでの複雑さに振り回されなくなります。
ただし、自分を切り分けるためには、計画立てをしっかりとおこなうフェーズが欠かせないことに注意が必要です。
準備中:計画の立て方
原因④:恒常性による抵抗感
恒常性による抵抗感とは、行動に伴うだろう疲労への拒絶感のことです。
次のような認識によって抵抗感が生じることで、めんどくさいという感覚が増長します。
- その行動は肉体が疲弊しそう:動きたくない、走りたくない
- その行動はストレスが溜まりそう:人と会いたくない、勉強したくない
脳が無意識的に行動をイメージすることで生じるため、恒常性への疲労感はすべての行動に対して生じます。
どのような対策を練っても恒常性による抵抗感はなくなりませんが、次の2つの対策は有効です。
- 疲労感を明確にする:大した疲労ではないと分かる
- 疲労感を見えなくする:疲労するだろうという予測を脳に処理させない
恒常性への疲労感だけが原因の場合は、その行動の目的を思い出してみてください。
もしもその行動の目的が今も重要なのであれば、恒常性の疲労感は無視しても問題ありません。
準備中:実行力の高め方
原因⑤:外部要因からの強制感
外部要因からの強制感とは、やらされている感覚のことです。
次のような認識によって強制感が生じ、めんどくさいという感覚が増長します。
- ずっと続けなきゃ
- 締切に間に合わせなきゃ
- やりたくないけどやらなきゃ
強制感を取り除くためには、次の2つの方法が有効です。
- やりたいを強める:行動することへの意欲を高める
- 自分の望みを明確にする:行動目的の主体性を再検討する
締切、他者からの命令、自分が抱えている義務や期待など、さまざまな外部要因から強制感は生じます。
自分で決めた行動でも外部要因によって簡単に強制感が生じてしまうため、目的の振り返りを定期的におこなってみてください。
準備中:仕事におけるやらされている感の解消方法
原因⑥:高い基準への準備不足
高い基準への準備不足とは、今の状態では良い結果を得られないだろうという不安感のことです。
次の2つの認識によって不安感が生じ、めんどくさいという感覚が増長します。
- 成果への高い基準:いいものを作らなければならない
- 自分の状態の悪さ:今は自分のベストではない
「みんな私に期待している」「質が低いとバカにされる」などの周囲からの評価を恐れることで、この不安感はよく生じます。
そのため、この不安感を解消するには次のような工夫が有効です。
- 相手からの期待を明確にするための仕組みを作る
- 自分の状態とパフォーマンスの関連性を明確にする
- 自分の最大パフォーマンスを出さなくてもなんとかなることを理解する
準備中:完璧主義を手放す方法
原因⑦:モチベーションへの依存
モチベーションへの依存とは、モチベーションの高さが行動理由になることです。
高いモチベーションは行動をラクに起こさせるため、その経験に味をしめるとモチベーションの低さが行動をしない理由になってしまいます。
モチベーションへの依存を取り除くためには、モチベーションがなくても行動できる術を身につけることが重要です。
「モチベーションが低い状態でも実行できる自分」を信じられるようになると、モチベーションとめんどくさいという感覚の紐づけがほどけます。
準備中:モチベーションの高め方
原因⑧:行動することへの不安や恐怖
行動することへの不安や恐怖とは、行動した結果に生じるネガティブなできごとへの拒絶感です。
次のような認識によって不安や恐怖が生じて、めんどくさいという感覚を増長させます。
- どうせ失敗するだろう
- 恥ずかしいと思われるだろう
- やればやるほど可能性が狭まるだろう
めんどくさいの原因が不安や恐怖である場合、次の2つの方法が有効です。
- 不安や恐怖を弱める:検証する、慣れる、保証をもらうなど
- 不安や恐怖を回避する:方法や手段を変える、環境を変えるなど
行動に伴う不安や恐怖を取り除く方法はたくさんありますが、どの方法でも最後はその感情を乗り越える勇気が必要になります。
実行をしないとその感情は解消されないため、考えるだけではなくその不快な感情を持ちながらも行動することを心がけてみてください。
準備中:不安や恐怖をエネルギーへと変える方法
めんどくさいの対処法7選
ここでは、めんどくさいを引き起こす原因を取り除かずに、なんとか実行するための方法をお伝えしていきます。
対処法①:身体を動かす
身体を動かして思考を満たすことで、めんどくさいという感覚を取り除けます。
人の脳は、2つのことを同時に考えることができないためです。
次のような行動に集中して、これから取り組む作業を頭から取り除いてください。
- 熱中して歌う
- 早口言葉を繰り返す
- 10秒間目を瞑って片足立ちをする
ただし、その行動後はすぐにめんどくさがっている作業に取り組みましょう。
行動への没入をやめると、脳がめんどくさいを生じさせるための処理を再開してしまいます。
対処法②:すぐに行動する
無理にでも行動をすることで、めんどくさいという感覚が取り除けます。
その行動に夢中になり、「もっと続けたい」という欲求が生まれるためです。
作業興奮と呼ばれる現象であり、掃除や勉強をめんどくさがっていても、いざ始めるとあっという間に時間が過ぎるのはこのためです。
人は「始めること」と「止めること」を苦手としています。
行動を始めさえすれば続けられるため、次のように行動の始め方を工夫するとよいでしょう。
- 実際に手を動かす
- 前回のおさらいをする
- 「やるぞ!」と宣言する
- 取り組みたいことを始めやすくする
- 取り組みたくないことを始めづらくする
- すべてをやろうとせず最初の1分だけに意志力を使う
対処法③:自分に問いかける
行動への抵抗感を感じたら、「自分はどうしたいのか?」を自問自答することで、めんどくさいという感覚を取り除けることがあります。
めんどくさいという感覚は、衝動的であり意志が関わっていないためです。
自分の意志を再認識することで、衝動的な感覚を切り離すことができ、自分の選びたい行動を取れるようになります。
自分に問いかけるときは、鏡を使って自分を見つめてください。
そして、「Aを実施したいか or Aを実施したくないか」ではなく「Aを得たいか or Bを得たいか」と尋ねることで、自分の意志を確かめられます。
- ×:仕事をしたいか or 仕事をしたくないか
- 〇:家族に安心を提供できる自分でありたいか or 家族に不安を提供する自分でありたいか
準備中:現状維持は悪いのか
対処法④:アメとムチを使う
行動に対して報酬と罰を設けることで、めんどくさいという感覚を振り払えます。
「めんどくさい vs がんばる」の葛藤に打ち勝つための納得できる根拠が作れるためです。
次のような工夫は、アメとムチを活用したものです。
- 運動をサボったらご飯を抜きにする
- 仕事を終えたらデザートを買ってもよい
ただし、アメとムチを使うときは次の2つのことに注意するようにしてください。
- 慣れやすさ:同じ報酬と罰だと効果が薄くなる
- 目的のすり替わり:アメを我慢する代わりに行動しないことが成り立つ
対処法⑤:最低基準を設ける
行動の合格ラインを設けることで、めんどくさいという感覚を取り除けます。
完璧な成果物ではなく、今日必要な行動に焦点を合わせられるようになるためです。
行動の合格ラインを設けるときは、行動を次の2つに分類してみてください。
- 締切を守るための行動:これをやらなきゃ納品できない
- 品質を上げるための行動:これをやれば評価が上がる
最低基準とは、今日の締切を守るための行動です。
品質を高めることは別日に設けて、一旦やりきることだけに集中できれば、高い基準を手放せてめんどくさいという感覚が小さくなります。
対処法⑥:「試したい」を引き出す
行動自体への欲求を高めることで、めんどくさいという感覚を無視することができます。
「行動したい!」という欲求が脳内を占めて、めんどくさいと考える隙を与えなくなるためです。
行動自体への欲求を高めるには、主に次の2つの感覚が重要になります。
- 試したい:仮説を検証したい
- 快感を得たい:行動することで気持ちよくなりたい
特に「試したい」という感覚は簡単に得られやすいです。
次のようにインプットをすることで、「試したい」という感覚が生じます。
- すでに実践している人の姿を見て感化される
- 情報収集をして効果がありそうな仮説を見つける
準備中:仕事を楽しむための工夫
対処法⑦:めんどくさいの対象を変える
めんどくさいと感じる対象は、主に次の2つです。
- これから取り組む行動
- その行動によって生じる損失
しかし、本当にめんどくさい事態とは、先延ばしにしたことで生じた損失への対処です。
めんどくさいと先延ばしにする行動の多くは、その瞬間の労力が最も小さく、時間が経過するほど必要な労力が大きくなるためです。
今行動すべきか否かを考えるときは、必要な労力の大きさがどのように変わるかを検討してみてください。
目先の行動ではなく、行動の先にある未来を対象に検討することで、本当にめんどくさい事態を避けるための選択ができるようになります。
例.歯を磨くのがめんどくさいの対象
・目先の行動:歯を磨く労力と時間がもったいない
・行動の先にある未来:歯医者に通う未来 vs 歯医者に通わない未来
めんどくさいへの対策10選
ここでは、めんどくさいと感じづらくなるための方法をお伝えしていきます。
対策①:元気になる
心身の健康状態を整えることによって、めんどくささが感じづらくなります。
健康状態は思考の方向性に影響を及ぼし、元気がある場合ではポジティブな思考を誘発して行動を促しやすくなるためです。
元気になるためには、次の2つの施策をお試しください。
- エネルギーを充電する
- エネルギーの浪費を抑える
準備中:元気になる方法
対策②:習慣化する
行動を習慣にすることで、めんどくさいと感じる暇を与えずに行動をおこなえるようになります。
歯を磨くことをそれほどめんどくさいと感じない理由は、それらの行動が習慣化されているためです。
行動を習慣にするときは、「行動における一連のプロセスすべての実行」ではなく、「無意識的に行動の始められること」をゴールにしてください。
また、辞める習慣をあらかじめ決めておくことも、習慣化するまで行動を継続させる工夫として有効です。
準備中:習慣化の方法
対策③:視座を高める
視座を高めることで、めんどくさいという感覚に負けること自体が損失だと捉えられるようになります。
自分にとっての「当たり前」という感覚が更新され、「その程度の行動をめんどくさがらない自分」というセルフイメージが作られるためです。
視座を高めるためには、次の3つの方法をお試しください。
- 理想の自分になりきる
- 視座が高まるような役割を担う
- 視座の高い人達が集まる環境に混ざる
準備中:理想の自分像
対策④:ルールを作る
ルールを作ることで、衝動に負けないための指針を得られるようになります。
自分の感情よりもルールを優先して考えやすい傾向を私たちは持っているためです。
具体的には、次のようなルールがめんどくさい対策に有効になるでしょう。
- 最初は実行してみる
- この1ヵ月は悩まずに続けてみる
- 楽しさを少しでも見出したら繰り返し実行する
- 前回実行したとき悪い気がしなかったら実行する
- 実行して嫌な気分が生じたら立ち止まって原因を探る
対策⑤:報告する場を設ける
報告する場を設けることで、「行動する vs 行動しない」の葛藤に勝ちやすくなります。
責任感が増して、行動することへの動機づけが強まるためです。
報告する場を設けるときは、相手との関係性が重要になります。
「この人には失望されたくない」という基準で、報告する相手を探してみてください。
対策⑥:具体的な計画を立てる
具体的な計画を立てることで、目標に対する不安感を小さくできます。
次のような迷いがなくなり、目の前の行動に集中できるようになるためです。
- この行動は効率的なのだろうか
- 本当にこのままでいいのだろうか
具体的な行動を立てられないときは、すでに成功している人を参考にしてみてください。
もしも自分の計画に自信を持てないならば、その計画を他者からフィードバックしてもらうとよいでしょう。
準備中:アドバイスを受け取れない人の心理とは
対策⑦:行動の目的を明確にする
行動に対する主体的な目的を持つことで、めんどくさいという感覚に打ち勝つための軸ができあがります。
本心から行動したいという欲求が芽生えるためには、行動目的に意味や価値を感じることが必要だからです。
主体的な目的を持つためには、次の3つの方法をお試しください。
- 理想を描く
- 目標を設定する
- 行動することによる多面的な影響を検討する
準備中:目標の設定方法
対策⑧:マインドフルネスの実施
マインドフルネスをおこなうことで、めんどくささに振り回されづらくなります。
今に戻るスキルを高めることで、めんどくさいという思考を切り替えられるようになるためです。
1日10分程度のマインドフルネスを3週間程度続けると、思考を切り替えられる技術の高まりを実感できます。
1人で継続することが難しい場合は、マインドフルネスを習慣づけるためのグループに参加してみてください。
対策⑨:他の選択肢を全部取り除く
選びたい行動を阻害する選択肢を取り除くことで、選びたい行動に取り組みやすくなります。
誘惑する選択肢がなくなることで、「実行する vs 実行しない」の葛藤が生まれなくなるためです。
他の選択肢を取り除くには、誘惑を生み出すものを遠ざけたり、自らが離れたりするとよいでしょう。
ただし息抜きをするための手段を残しておくことも重要ですので、誘惑するすべてのものを手放すという極端な思考には気を付けてください。
対策⑩:めんどくさいと感じさせる習慣をやめる
めんどくさいという感覚を増長させる習慣があります。
たとえば、次のような習慣です。
- ため息をつく
- 「こんなにある」という口癖
- 「めんどくさい」という口癖
- 「これもやらなきゃ」という口癖
行動や言葉にすることで、本心とは異なる思考を促してしまいます。
本当は強制感を感じていないのに、口癖によって強制されていると感じてしまうのもそのためです。
習慣をやめるには、「行動自体を実施しないこと」もしくは「代替行動を習慣にすること」のいずれかの施策を試してみてください。
代替行動には次の2つのパターンがあります。
- 行動の変更:「ため息」→「背伸びをする」
- 行動の追加:「ため息」→「ため息をしたら『やるか』とつぶやく」
まとめ
めんどくさいという感覚を克服するためには、その感覚を引き起こす本当の原因を取り除くことが重要です。
そのためにも、自分と深く向き合い、さまざまな角度から内省をして、多くの実験をしてみてください。
ただし、めんどくさいという感覚はすべての行動に生じるものであり、完全になくすことはできません。
原因が深刻ではない場合は、めんどくさいと感じつつも行動するための実行力を身につける必要があるでしょう。