この記事では、個人事業主におけるターゲットの設定方法についてお伝えしていきます。
誰に対して商品やサービスを提供していくか悩んでいるときは、ここで紹介する情報を取り入れてみてください。
ターゲット設定とは
ターゲット設定とは、商品やサービスを届けたい集団を決めることです。
属性と商品への関与度の掛け合わせで、ターゲットを設定します。
- 属性:日本人×20代×女性
- 商品への関与度:年に1度ダイエット商品を購入している
ターゲットは集団であり、市場をいくつかのセグメントに分割したものの1つです。
どの市場のどのセグメントをターゲットにするかは、その後の売上を決める重要な要因になります。
- 市場:ダイエット市場
- セグメント:1日5分の習慣で痩せたいニーズ
★属性の例
・地理的属性:国、地域、都市、人口密度など
・心理学的属性:価値観、ライフスタイル、興味関心、性格など
・人口統計学的属性:年齢、性別、学歴、職業、収入など
・行動学的属性:購入頻度、購入金額、利用頻度、メディア接触行動など
ターゲットとペルソナの違い
ペルソナとは、ターゲットにおける特定の人物像です。
ターゲットは集団であるのに対して、ペルソナは1人の人間を設定します。
- ターゲット:短時間で痩せたい人々
- ペルソナ:短時間で痩せたいA子さん
ペルソナを設定することで、ターゲットの悩みやニーズをより深く捉えられます。
よりリアリティーのある心理的または実際の動きを理解するためにも、ペルソナは架空の人物ではなく、現実に存在する人物で設定しましょう。
ターゲット設定が必要な4つの理由
ここでは、ターゲット設定が必要な理由についてお伝えしていきます。
ターゲット設定をするか悩んでいるときは、ここの情報を参考にしてみてください。
理由①:声が届きやすくなる
ターゲットやペルソナを設定することで、マーケティングが捗るようになります。
現実味のある悩みについて、一貫性のある言葉を伝えられるようになるためです。
- 現実的のある悩み:「今その課題にぶつかっている!」と共感と体感が伴う悩み
- 一貫性のある言葉:何の専門家でどんな意見を持っているのかが分かる軸
メッセージの範囲が広がるほど、受け取り手は自分ごととして捉えられなくなるものです。
たとえば、次のうちその人の情報を知りたいと思えるのは後者でしょう。
- ダイエットの一般的な悩みや手順についての情報
- 自分のダイエットにおける課題を解消するための方法や手順についての情報
マーケティングの一環として情報発信をするときは、ターゲットにとことんこだわってください。
ターゲットに刺さる発信を積み重ねることで、あなたの商品を購入したいと考えるファンが増えていきます。
理由②:商品がヒットしやすくなる
売れる商品を作るために、ターゲットを設定します。
ここで考えられるのは、次の2つの方法です。
- 誰に売るかを決めてから商品を作る
- 商品を作ってから誰に売るかを決める
一般的に時間的・費用的なコストが安いのは、「商品を作る」よりも「お客様へのリサーチ」です。
1日で作れるような商品ならターゲットを決めなくてもよいかもしれませんが、多くの商品は最短でも1ヶ月はかかります。
実際に売れるか売れないかが分からない商品にそれほどの時間を費やすのは、リスクが大きすぎる行為だといえるでしょう。
例.3ヶ月で商品を作る
どちらのほうが成功確率が高いかで判断しよう。
・商品づくり優先:3ヵ月間で3つの商品を作る
・リサーチ優先:1ヶ月でターゲットとペルソナを決め、需要を確認してから2ヶ月で商品を2つ作る
売れる商品を作るためには、まずは「何ならお客様は買ってくれるのか」を明確にする必要があります。
それを明確にするためにも「誰に何を提供するのか」を決める必要があり、そのためのターゲットとペルソナ設定が重要になるのです。
理由③:商品とお客様の不一致が減る
ビジネスは「売れば終わり」ではなく、「売って満足されること」を目指す必要があります。
特に個人事業は評判が命であり、悪い評判が立つとその後のビジネスが難しくなるためです。
よい評判を得るためにも、提供した商品やサービスに満足してもらわなければなりません。
- 不満:期待したものが得られなかった状態。実感<期待
- 満足:期待以上のものが得られた状態。期待<実感
ターゲットやペルソナを設定することで、お客様の期待がより具体的になります。
「その期待なら応えられるよ」と伝えられれば、その商品を本当に必要とする人だけが買うようになり、商品とお客様の期待が一致して満足度が高まりやすくなるでしょう。
例.ダイエットへの期待
・不満が出やすい:私のサービスを受ければ痩せられます!
・不満が出づらい:私のサービスを受ければ体力が少ない40代女性でも痩せられます!
「期待に応えられるか」と「商品と期待が一致しているか」は別の問題です。
マーケティングでコントロールできることは商品と期待の一致度ですので、ターゲット設定によりお客様の期待をコントロールすることをおすすめします。
- 期待に応えられるか:商品の質の問題
- 商品と期待が一致しているか:商品の売り方の問題
理由④:働くことへのモチベーションが高まる
個人事業でのもっとも強いモチベーション源は、お客様の反応です。
「誰がどんな反応をするか」を想像することで、お金や地位よりも大きなモチベーションが湧いてきます。
★さまざまなモチベーション源
・外発的動機:お金、地位、評価
・内発的動機:健康、成長、自己実現
・社会的動機:競争、所属、貢献感
ただし、「誰がどんな反応をするか」は具体的に想像しなければなりません。
笑顔や喜んでいる態度を明確にイメージできないと、モチベーションに火がつかないためです。
- 抽象的なイメージ:太っている人が痩せたと喜んでいる姿
- 具体的なイメージ:A子さんがようやく痩せれて自信を持てるようになったと喜んでいる姿
ターゲット設定は、自分が貢献した結果を具体的にイメージすることを補助します。
「顔も名前も知らない誰かのため」ではモチベーションが上がりづらいので、ターゲット設定を通じて個人事業へのやる気を高めてみてください。
準備中:モチベーションの高め方
個人事業主に有効なターゲット設定とは
ターゲット設定は、企業においても個人事業主においても重要です。
しかし、企業と個人事業主は採用する戦略と必要な売上額が異なるため、個人事業主は企業ほど厳格なターゲット設定を求められません。
★戦略と売上額
・企業の戦略:薄利多売が多い
・企業の売上額:年〇〇億円の規模感
・個人の戦略:厚利少売が有効
・個人の売上額:年1千万円以下の規模感
年30人程度の集客であれば、どんなニーズでも売れる余地は十分あります。
企業のように予算と時間を費やして市場や顧客を分析するよりも、個人事業主は次の3点についてさらっと調べる程度でよいでしょう。
- 特定の1人に貢献できそうか
- その人のその悩みに私は貢献したいか
- その貢献は他の人にも需要がありそうか
特にビジネス初心者のうちはターゲット設定のスキルが未熟であり、ターゲット設定に時間をかけるほどコストパフォーマンスが低くなりがちです。
「調べる→売ってみる→修正する」というサイクルを何度も回して、多くの挑戦をしたほうが成功するまでの時間は短くなります。
★早く結果を出すための条件
・声が届きやすい属性:あなたの話を聞いてみたいと思われる人とは?
・すぐに結果を出しやすい悩み:3ヶ月以内に解決できる悩みとは?
準備中:計画を後ろ倒しにしないためには
ターゲットの設定手順
ここでは、個人事業主におすすめのターゲットの設定手順についてお伝えしていきます。
なかなかターゲットを決められないときは、ここの手順をお試しください。
手順①:ターゲットの仮説を設定する
ターゲットの仮説とは、商品やサービスを提供してみたいなと思える悩みや属性のことです。
いきなり1つのターゲットに絞ることは難しいため、仮説となるターゲットを洗い出してみましょう。
ターゲットの仮説は、「A→B」で表現していきます。
- A:どのような状態の人が(現状、問題、課題)
- B:どのような状態になるのか(結果、成果、未来)
「A→B」において重要な要素は、具体性と距離感です。
具体的であるほど絞り込まれたターゲットであり、距離感が短いほど短期間で成果を出せることを表します。
- 抽象的:太っている人→痩せられる
- 具体的:運動を継続できない人→痩せて自分に自信を持てるようになる
- 距離が遠い:体力がない人→フルマラソンを走れるようになる
- 距離が短い:体力がない人→運動習慣を身につけられる
距離感は作りたい商品によって変えるとよいでしょう。
ビジネス初心者のうちは、1ヶ月以内で変化可能な範囲に絞ることをおすすめします。
- 1年の距離感:「ビジネス初心者」→「年商1千万円」
- 1ヶ月の距離感:「ビジネス初心者」→「ターゲットが明確になる」
ターゲットを具体的にするには、ペルソナを設定してリサーチすることが必要です。
次のようなコンセプトの土台となる要素をペルソナから抽出することで、より具体的になります。
- 今ある問題:太っていること
- 今ある課題:運動できない
- 制約条件:時間がない、継続が苦手、運動が苦手
- 表出した望み:痩せたい(直感的な目標)
- 隠れた望み:自信を持ちたい(痩せることで得たい成果)
- 贅沢な望み:みんなからチヤホヤされたい
★ターゲットを見つける2つの考え方
・小→大:どんな人や悩みを解決したいか?→その人が存在する市場とは?
・大→小:どんな市場に参入したいか?→その市場にはどんな人がいてどんな悩みがある?
手順②:ターゲットのニーズをリサーチする
ターゲットの仮説を洗い出したら、それらの実際のニーズについて調べていきます。
仮説段階では自分の中の想像でしかないため、本当にその悩みや望みを持っているのかを確かめましょう。
仮説とリサーチ結果にあったならば修正してください。
★「誰に」と「何を」
リサーチでは、「誰に対して」と「何を提供したいのか」を調べることが大切。
・誰に:商品やサービスを届けたい対象
・何を:その対象の現状から理想への変化
手順③:ターゲットの需要を確かめる
ターゲットの仮説を現実的なものに修正できたら、そのニーズの需要を確かめます。
自分の声が届きやすい範囲内で、その需要を持っている人がいるのかを検証してみてください。
また、その需要に対する競合も調べることで、勝ち目があるのかを検討できます。
★需要に対して競合が多い場合
・選択肢1:そのまま勝負する(圧倒的な実績や権威が必要)
・選択肢2:ターゲットを絞る(より深いニーズに具体化する)
・選択肢3:ターゲットを変える(対象自体を変える)
手順④:ターゲットへの権威性を作る
勝負できるターゲットが見つかったら、自分の権威性を作っていきます。
自分とターゲットのマッチ度が低いと、どんな商品やサービスを作っても購買意欲が高まらないためです。
★自分とターゲットのマッチ度
・マッチしている:プロ野球選手が野球の指導をするサービス
・マッチしていない:プロ野球選手が子育ての指導をするサービス
権威性は「作る」、もしくは「あるものの活用」することが考えられます。
嘘による権威性は詐欺になるため、絶対にNGであることは押さえておきましょう。
- 作る:信頼される根拠の作成
- あるものの活用:すでにある経歴や実績の活用
手順⑤:商品を作る
需要があり、信頼されやすいターゲットが見つかったら、ようやく商品を作っていきます。
ただし、商品の規模が大きい場合は、1度にすべてを作るのではなく、核となる約束事から作って検証してください。
核となる約束事がお客様のニーズとズレていたら、すべてが作り直しとなってしまうためです。
例.ダイエット商品
・商品内容:痩せられること
・核となる約束事:商品を買ったら1日5分の運動でウエストのくびれが手に入る
・核となる約束事とのズレ:商品を買ったら継続が難しい運動でマッチョになる
核となる約束事とは、商品コンセプトであり、お客様が商品を購入する主な動機です。
核となる約束事がズレていたり、守れなかったりすると、購入者の不満は強くなります。
- 約束事のズレ:それが欲しかったわけではない(売り方の問題)
- 約束事の反故:買ったのに何にも変わらなかった(商品の質の問題)
ターゲットの仮説の設定方法4選
ここでは、仮説となるターゲットを設定する方法についてお伝えしていきます。
4つの方法をお伝えするので、自分に合ったものを見つけてみてください。
設定①:過去の克服体験から見つける
過去の自分をターゲットにすることは、次の2つのメリットがあります。
- 商品開発に有利:すでにできる可能性が高い
- マーケティングに有利:共感される体験が伴っている
過去の自分をターゲットにするには、乗り越えた困難を1つずつ洗い出すことが有効です。
とはいえ、大きなものから小さなものまで多くの困難を乗り越えてきたはずなので、すべてを洗い出すことは難しいでしょう。
自分にとって重要なめぼしい困難を見つけるためにも、次の手順で自分史作りをしてみてください。
- 「x軸=年齢」と「y軸=充実度」で折れ線グラフを作る
- 充実度の低い年を3つマークする
- マークした年に何があって、どう乗り越えたのかを記述する
自分の人生を振り返ることで、自分にとっての重大な課題が明確になります。
その課題を持った自分自身をターゲットに設定できれば、その後のマーケティングや商品開発もスムーズに進みやすいです。
作りたい商品が特にないという場合は、まずは過去の人生を振り返ることをおすすめします。
設定②:今の興味ある分野から見つける
「やりたいこと」からターゲットを決めるという方法もあります。
たとえば、今絵を描くことに興味があるならば、次の2つのターゲットが挙げられるでしょう。
- 絵を描いてほしい人:思い出、プレゼント、インテリアなど
- 絵を描いて生計を立てたい人:0から1万円、正社員並みの給料、絵画教室など
これらのターゲットをさらに掘り下げることで、どんな商品を作ればよいのかが明確になっていきます。
いきなり絵を売ろうとするのではなく、ニーズを明確にして売れそうなものを探してみてください。
「好きこそ物の上手なれ」という慣用句があるように、興味のある分野は上達が早いものです。
0から始めるとしても、その分野に情熱があるならばやってみる価値は十分にあるでしょう。
準備中:やりたいこと探しを終わらせる方法
設定③:貢献したい人リストから見つける
起業するとよく「私を頼ってくれる人なら誰でもいい」とターゲットを決められない人がいます。
しかし、「誰を助けたいのか」という好みは人によって分かれやすく、ターゲットを決められない人は自分の好き嫌いを言語化できていない場合が多いです。
その結果、好きでもない人のための商品を作り始めて、モチベーションが続かずに事業をたたんでしまいます。
★自分にとっての理想の顧客とは
・誰が好きで、誰が嫌いか
・何に興味があり、何に興味がないか
・どんな価値観があり、どんな価値観が嫌いか
事業で関わりたい人を見つけるためには、次の手順で貢献したい人リストを作ってみてください。
- 特定のSNSアカウントを開設する
- 気になるSNSアカウントを100人ピックアップする
- ピックアップしたSNSアカウントの傾向を言語化する
貢献したい人リストを作れたら、自分の興味関心のある人物像や事業領域などが見えてきます。
どういう人や物事に興味があるのかを1つずつ判断していくことで、理想の顧客像が言語化できるようになるでしょう。
設定④:近くにいる悩んでいる人から見つける
仮説となるターゲット設定のもっとも簡単な方法は、解決可能な悩みを持っている身近な人を見つけることです。
ターゲットとペルソナが同時に見つかるため、リサーチと商品づくりの手間が軽減します。
- 解決可能な悩み:解決をサポートしてノウハウをためる
- 解決が難しい悩み:解決可能になるまで細分化する、スキルを磨いて解決できるようになる
人によっては「何を提供したいか」よりも「誰を助けたいか」が優先されることもあり、「この人の役に立つならどんなスキルも磨ける」という情熱をもたらします。
深い関係性であるほど助けたいという気持ちが強まるので、友人や家族、知人に声をかけてみるとよいでしょう。
- 何を提供したいか:行動や悩みにフォーカス、絵を描きたい、痩せさせたい
- 誰の役に立ちたいか:人にフォーカス、友人を助けたい、私と同じ気持ちの人を助けたい
★関係性が浅いと助けたいと思えない理由
・勇気が出ないから:私なんかが声をかけてもいいのか
・イメージできないから:大きなお世話になるのではないのか
・何をすればいいか分からないから:自分が本当に助けられるのか
準備中:勇気を出す方法
ターゲットのニーズのリサーチ方法4選
ここでは、ターゲットをリサーチする方法についてお伝えしていきます。
仮説なるターゲットを設定したら、本当の望みや障害などの現状と理想とのギャップをリサーチによって解き明かしていきましょう。
★競合との差別化
競合との差別化をするには、ペルソナが競合の商品で満足できない理由を検討してみてください。
「あなたにピッタリな商品はこっちですよ」と伝えられる特徴こそが有効な差別化ポイントになります。
・なぜペルソナは競合の商品を買わないのか?
・なぜペルソナは強豪の商品を買ったのに不満なのか?
・なぜペルソナは競合の商品を買ったのに成果を得られなかったのか?
リサーチ①:イベントに参加する
ターゲットが集まるイベントに参加することで、ターゲットと接触する機会が得られます。
そのイベントでターゲット候補と仲良くなれば、悩みや欲求などを尋ねられるでしょう。
例.起業に関心がある人が集まるイベント例
・マーケティング系のセミナー
・自己啓発系のワークショップ
・事業計画を策定するワークショップ
イベントでターゲットと接触するときは、1イベントで1人の人と関係を深めることをおすすめします。
ターゲットのリサーチでは心理的な悩みを尋ねる必要があり、上辺だけの関係性だと欲しい答えが得られないためです。
イベント参加者全員に名刺を配るというような行為は、深い関係性を作ることを妨げてしまいます。
リサーチ②:コミュニティに属す
ターゲットが集まるコミュニティに属することで、仲間内に加われます。
ターゲットと同じ志や悩みを持った人が多く加入しているため、幅広い情報が手に入るでしょう。
★コミュニティ例
・オンラインサロン
・コワーキングスペース
・SNSのコミュニティ機能(Facebook、X、mixiなど)
ただし、コミュニティに加入するときは次の3つの点に注意する必要があります。
- 加入費や会員費がかかる可能性がある
- マルチ商法系のコミュニティの可能性がある
- コミュニティ内にも優良ターゲットとそうでない人がいる
コミュニティに加入をしたら、その団体に貢献する意識を持って行動してみてください。
他の会員に仲間として認識されれば、より多くのビジネスチャンスと巡り合えます。
リサーチ③:Yahoo!知恵袋の利用
「Yahoo!知恵袋」とは、Q&Aの専門ウェブサイトです。
悩みごとがたくさん投稿されているため、どのような問題を抱えているのかという情報を多く集められます。
また、他者の回答を見ることで、新しい視点を取り入れることも可能でしょう。
Yahoo!知恵袋URL:https://chiebukuro.yahoo.co.jp/
「Yahoo!知恵袋」でリサーチをするときは、ターゲットが入力するだろうキーワードを検索するようにしてください。
実際に自分が回答をしていくことで、専門家としての軸もできあがっていきます。
回答+質問をすれば、より深い核心的な悩みを尋ねられます。
リサーチ④:SNSでターゲットと関わる
SNSアカウントを開設して、他者と交流することもターゲットのリサーチに有効です。
関係性を深められれば、困りごとや解決方法、その後の影響などの深い情報を知れるでしょう。
★交流が簡単なSNS例
・X:20代多め、匿名
・Facebook:30~40代多め、実名
・Instagram:10~30代多め、匿名
出典:https://www.glad-cube.com/blog/?p=35640
しかし、SNSで他者と交流することは難易度が高い傾向にあります。
自分から声をかけなければならず、ビジネス系のアカウントは怪しい人として認識されやすいためです。
SNSに慣れていない場合は、他の手段を活用したほうがリサーチしやすいかもしれません。
準備中:情報発信が怖い理由
ターゲットの需要を確かめる方法3選
ここでは、ターゲットの需要の有無を確かめる方法についてお伝えしていきます。
ターゲットの需要を確かめるときは、「自分の声が届く範囲にターゲットがいるか」が大切です。
「世界的にその需要があるか」という視点と混同させないように注意してください。
需要①:競合を調べる
競合を調べることで、次のことが把握できます。
- 商品:どんな悩みをどうやって解消しているのか
- ターゲット:誰がどんな悩みを持っているのか
- 市場の熟達具合:競合の数
今の時代、競合がいない市場はターゲット自体が少ない可能性が高いです。
競合がいることは、ポジティブな意味合いが強いということを覚えておいてください。
需要②:セミナーを開く
セミナーやウェビナーをおこなうことで、ターゲットの需要とマッチしているのかを確かめられます。
個人事業主の多くは自分1人では解決が難しい問題を抱えたら、セミナーやコンサルなどの自己投資によって解決を試みるためです。
セミナーまでの誘導方法の質という視点も必要ですが、何度実施してもセミナー参加者がゼロであるならば、需要がないと判断したほうがよいでしょう。
★セミナーを認知してもらうためのツール例
・SNS:Facebook、X、mixiなど
・ココナラ:https://coconala.com/
・こくちーずプロ:https://www.kokuchpro.com/
・セミナー情報.COM:https://www.seminarjyoho.com/(2025.1.10サービス終了)
・BIZeeビジネスセミナー:https://bizee.jp/seminar/
需要③:情報発信をする
自らが情報発信をして、それを他者が興味を持つかで需要を確かめられます。
FacebookやInstagram、Xなどでノウハウを発信して、そのリアクションの多さを確認してみてください。
「その情報をもっと詳しく知りたい」というリアクションが多ければ、さらに詳しい情報を投稿したり、1対1の相談会を開いたりしてみましょう。
何度投稿してもリアクションが少ないのであれば、現時点では声を届けられないターゲット設定になっている可能性が高いです。
アカウントを大きくするか、媒体を変えるか、ターゲットやニーズを変えるかを選択することをおすすめします。
ターゲットへの権威性を作る方法4選
ここでは、ターゲットに信頼してもらうための権威性を作る方法をお伝えしていきます。
「この人の主張をもっと知りたい」と関心を持ってもらいたいときは、ここで紹介する方法をお試しください。
信頼①:論理的に納得ができること
論理的に納得できる主張であることが、権威性の土台を作ります。
どれほど実績がある人でも、科学的に直感的に間違った意見では、胡散臭いと捉えられてしまうためです。
意見を伝えるときは、ちょっとの反論でもびくともしない強固な論理と、希少性のある主張が肝心です。
- 強固な論理:どの視点から見ても「そうだろう」と納得される意見
- 希少性のある主張:当たり前と捉えられない意見
ターゲット設定をしたら、その悩みを解決できる論理を構築してみてください。
それが一般的にありふれたものではなく、また筋が通った意見であるならば、「この人の意見を聞いてみたい」という興味と信用を得られる可能性が生まれます。
★希少性のある主張
「not A but B」というアンチテーゼを探すことで、希少性のある主張を作れる。
アンチテーゼを探すときは、一般的な意見とその意見では躓く人を見つけるとよい。
・一般的な意見:運動すれば痩せられる
・アンチテーゼ:痩せるには運動することではなくマインドを整えることが重要だ
信頼②:他者に役立てた経験があること
その人の情報を信じるかを判断するための方法として、その人の情報が及ぼした影響を確認することが考えられます。
つまり、実績があるのかないのか、どの規模の実績なのかを確認することで、お客様は商品を信用するか否かを決めるということです。
- 実績ある:他の人が満足しているなら私にも効くかもしれない
- 実績ない:誰も満足したことがないなら私は試したいと思えない
実績を手に入れるためには、実際に商品を提供して口コミを得ることが有効です。
自分の経験談だけよりも、「誰もが乗り越えられる」という確証を与えやすくなるためです。
- 販売者の経験談:運動嫌いだった私がダイエットに成功した→あなたが特別なのでは?
- 購入者の経験談:この商品を購入したら私も減量に成功した→なら私にもできるかも!
とはいえ、実績がないうちは商品を売ることが困難です。
ターゲットから信用されるための実績を得るためにも、まずはモニターを募集して口コミを手に入れてみてください。
★求められる実績は案外小さい
大きい実績があるほど、お客様は商品を信頼して売れやすくなります。
しかし、信頼されるために必要な最低限の実績は案外小さいものです。
価格面は安くなってしまいますが、「大きな実績がないと売れないだろう」と諦めないことをおすすめします。
・必要だと感じる実績:私は年商1千万円稼いだから方法を教えます
・実際の最低限の実績:私はnoteで1千円稼いだから方法を教えます
準備中:モニターの集め方
信頼③:自分が乗り越えた経験があること
その人がその問題を乗り越えた実績があるか否かでも、お客様は信用したいと思えるかを判断します。
たとえば、プロ野球選手が野球を教えるなら信用できますが、野球経験ゼロの人が野球を指導する行為には疑問を抱くでしょう。
- 実体験あり:その商売をする資格がある、私のことを分かってくれそう
- 実体験なし:机上の空論だろう、何も分かってなさそう
実体験が伴わなくとも、効果的な商品を作ることも、信頼を得て商品を売ることも可能です。
しかし、そのためには高度なビジネス能力が求められるため、事業を始めたての人にはあまりおすすめできません。
「自分が乗り越えたことがない問題」の持ち主をターゲットにする場合は、より多くの口コミと強い専門性が求められます。
例.医者
・経験なし:私はその病気になったことがない
・実績あり:私の手術によってその病気を根治させたことはある
信頼④:自分自身に対して信頼してもらうこと
人が信頼するか否かは、情報や経歴以上に、その人のことを好きか嫌いかが重要になります。
お客様との関係性や好感度は、個人事業者にとって重要な信頼の土台になるのです。
- 嫌いな人の意見:どれほど真っ当でも否定したい
- 好きな人の意見:多少論理がおかしくても肯定したい
お客様に信頼してもらうためには、次の方法が挙げられます。
- 交流する:挨拶、雑談など、同じイベントへの参加
- 貢献する:ノウハウ投稿、悩み解決、フロントの提供
- 共感される:辛い過去の共有、共通点の認識、ステップメール、自己紹介
人として信頼されれば、大した実績がなくともターゲットに声が響くようになります。
どれほど強力な実績があったとしても、関係性を蔑ろにしていると継続的なビジネスは困難になるでしょう。
ターゲット設定でよくあるミス5選
ここでは、ターゲット設定で陥りがちな失敗についてお伝えしていきます。
ターゲット設定をしても計画が前進しない場合は、ここで紹介するミスを確認してみてください。
ミス①:範囲が広すぎる
ターゲットの範囲が広すぎる場合、次の理由から商品を売ることが困難になります。
- 商品購入者の不満が増える(私のニーズとあっていない!)
- 欲しいと感じる人にメッセージが届きづらくなる
- 欲しいと感じる人にメッセージが響きづらくなる
- 商品を売って役に立つイメージが湧かずにモチベが低下する
ターゲットを広げてしまうよくある原因は、「何をするか」ばかりに焦点を当てることが挙げられます。
ターゲットを絞り込むには、「誰に対して」「何をするのか」の2つの項目を検討するようにしてみてください。
★誰に対して
・大学生の自分に適した就職先を検討したい人に対して
・20代女性のやりたいけれどやる気が出ない人に対して
・30代男性の収入を上げたくて転職を考えている人に対して
・稼ぎ方が分からずにしかたなくパート暮らしの人に対して
★何をするのか(私は何をして貢献したいのか)
・絵を描いて生計を立てたい
・コーチングビジネスをしたい
・稼げるならばなんでもがんばる
・役に立てるならなんでもがんばる
「誰に対して」「何をするのか」を決めたら、ペルソナとなる人物を見つけてみてください。
「なぜその人がペルソナに適しているのか」を言語化していくことで、ターゲット像がより具体化されていきます。
★ターゲットと交流しよう
ターゲットの範囲が広すぎる場合は、たくさんのお客様と交流してみるのも1つの手。
お客様に対する好き嫌いや、自分の強みが活かせる悩みを持つお客様傾向などを知ることで、ターゲットの範囲を絞れるようになります。
・私はどんな人に貢献したいのか?
・私の商品を最も価値高く評価する人は誰なのか?
ミス②:範囲が狭すぎる
ターゲットの範囲が狭すぎる場合、次の理由から商品を売ることが難しくなります。
- ペルソナが見つからない
- 商品購入者の不満が増える(他の商品と大差ないじゃん!)
- 情報発信しても誰も興味を示さない
ターゲットの範囲は、単に絞り込めばいいというものではありません。
絞り込む理由が重要であり、その人こそが自分の商品に相応しいという条件であるべきです。
★20代女性の専業主婦、自力で稼ぎたいと考えている人
・男性ではなく女性で設定したい理由:専業主婦の時間の使い方から教えるから
・50代ではなく20代で設定したい理由:インターネットの活用になれている必要があるから
・自力で稼ぎたいと考えている人である理由:私にはやる気を出させることは困難だから
属性や悩みなどを闇雲に具体化してターゲットを絞り込みすぎると、お客様の数が減るだけではなくお客様の期待も高まりすぎてしまいます。
ターゲットを絞るときは、属性や悩みを次の2つの項目で分類することをおすすめします。
- 商品提供の条件:その人にこそピッタリだという理由、もっとも重要な属性や悩み
- マーケティングの条件:声を届かせるための絞り込み、自分の好みや直感
ミス③:ターゲットの修正をしない
一度決めたからといって、そのターゲットが正しいとは限りません。
時代やトレンドによってターゲットのニーズは変わりますし、そのニーズを持っているターゲット像も変わります。
そもそも、実際に商品を売る行動をしてみない限り机上の空論であり、次の2つのことが不明確です。
- 自分の声の届く範囲にターゲットは存在するのか
- 自分の商品はそのターゲットの期待に応えられるのか
「今もそのターゲットでいいのか」を常に考えましょう。
次のような違和感が生じたら、ターゲットを修正する機会かもしれません。
- リアクションが減った
- 顧客満足度が低下した
- 私のモチベーションが低下している
ミス④:直感でターゲットを修正する
ターゲットを修正するときは、直感ではなくデータに基づくことが重要です。
ビジネス実践者は当事者であり、事業を進めていくとさまざまな不安が生じます。
認知バイアスがかかりやすく、「なんとなく不安」という理由でうまくいっているものでも修正したくなる傾向があるものです。
★よくある修正欲をそそのかす不安
・リアクションが少ない気がするから修正しよう:客観的にリアクション数は何個が想定される?
・がんばっているのに結果がでないから修正しよう:数は足りている?
・なんかうまくいっていない気がするから修正しよう:うまくいっているとは何?
おかしいなと感じた直感を鵜呑みにせずに、まずはその違和感の正体をデータで確認してみてください。
「一時的なもの」ではなく「傾向」として確認できたら、その傾向を改善するためにターゲットを修正してみましょう。
ミス⑤:将来的なターゲットだけを設定する
将来的なターゲットとは、自分が本当に貢献したい理想のお客様のことです。
理想のお客様が現状の自分からかけ離れているほど、次の2つの理由から稼げるようになるまでに時間が必要になります。
- 商品提供が難しい:満足してもらうためのスキルが伴っていないから
- マーケティングが難しい:自分の声が届かない、響かない
時間的リソースがあるならば、時間をかけてスキルや権威性を増やしていくとよいでしょう。
しかし、可能な限り早く売上を立てたい場合は、次の2つの条件を満たすターゲットを設定することをおすすめします。
- 身近な人:自分の経歴を信用してくれる相手
- 商品を作れる:相手の悩みを解決できるスキルを持っている
今すぐには無理でも、スキルや実績を積めば将来的なターゲットにも接触できることは多いです。
自分の状況に合わせて、適切なターゲットに設定するようにしてください。
★将来的なターゲットに対する2つの戦略
・理想のお客様像:芸能人の役に立ちたい
・理想の貢献方法:メンタルアドバイスをしたい
・戦略1:本当に貢献したい人の別のニーズを解決する
(例.芸能人のメンタルアドバイスではなく健康管理をする)
・戦略2:本当に貢献したい人とは別人の今解決可能なニーズを対象にする
(例.芸能人ではなく起業家のメンタルアドバイスをする)
準備中:計画の立て方
ターゲット設定へのよくある抵抗感3選
実際にターゲット設定をするとき、強い抵抗感が生じるケースがあります。
ここではよくある理由についてお伝えするので、自分の抵抗感を言語化するときの参考になれば幸いです。
抵抗感①:他の人に嫌われる
ターゲットを決めるということは、それ以外の人を重要視しないということです。
そのため、ターゲットには刺さる言葉かもしれないけど、他の人には嫌われるのではないかという不安が生まれます。
よくあるケースは、「親族や友達に嫌われる・怪しまれる」というものです。
★匿名性のSNSを使っているとこの抵抗感に遭遇しやすい
・急にダイエットについてばかり投稿したら周りにどう思われるだろう
・ビジネスについての内容ばかり投稿したら「やばい奴」と認定されないだろうか
この抵抗感を取り除くためには、次の2つの方法が挙げられます。
- 本当に他者に嫌われるのかを検討する
- 他の人に嫌われることの何が問題なのかを検討する
そもそも、「好感:無興味:嫌悪」の割合は「2:7:1」であるとも言われています。
全ての人に好かれることはありえないので、誰に興味を持たれたいのかを意識することをおすすめします。
準備中:評価されるのが怖い
抵抗感②:商品が売れなくなる
もっともよくある抵抗感の正体は、商品が売れなくなることへの恐怖です。
ターゲットを絞れば絞るほど、商品に興味を持ってくれる人が減り、商品が売れなくなると考えてしまいます。
しかし実際は、ターゲットにも次の2つに分かれます。
- 有効なターゲット:商品に興味を持ってくれる人
- 無効なターゲット:商品に興味を持ってくれない人
無効なターゲットをいくら増やしても、商品が売れることはありません。
にもかかわらず多くの人に売ろうとして、無駄な労力ばかりが生じてしまいます。
- 効率高い:ターゲット100人=有効なターゲット100人+無効なターゲット0人
- 効率低い:ターゲット1000人=有効なターゲット100人+無効なターゲット900人
自分が発信する体験談に共感を示し、提供するノウハウが役に立つと感じる人こそが真のターゲットです。
商品が売れなくなる不安によってターゲットが絞れない場合は、有効なターゲット探しをしてみてください。
★ターゲットは固定しなければならないと考えるほどこの抵抗感が強まる
・一生このターゲットに商品を売りたいと思えないからターゲットを決めたくない
→いつでもターゲットは変えてよい。
・未来が決まった感覚は苦しいから、ハプニングが起きやすいようにターゲットを決めたくない
→どちらのほうがビジネスとして軌道に乗りやすいかこそが事業主としては重要。そもそもハプニングはターゲットを決めていても生じる。むしろ実績数が多くスキル練度が高い人ほど思わぬよい出来事に遭遇しやすい。
抵抗感③:そのターゲットにふさわしくない
「自分が役に立てる自信がない」という理由で、ターゲット設定に抵抗感が生じるケースもあります。
失敗したという経験をしたくないために、最初から仮説を立てずに挑もうというわけです。
- 設定する:この人の役に立とう→役に立てなかった→辛い
- 設定しない:誰かの役に立とう→役に立てなかった→まぁこの人がターゲットではないしな
しかし、考えるべきことは「自己弁護」ではなく「役に立つための戦略」です。
このターゲットに貢献するんだと覚悟を決めて、その自分になれるように努力することこそが、事業主としてあるべき姿でしょう。
今の自分がターゲットにふさわしくないと感じたら、次の2つの方法をおすすめします。
- ターゲットにふさわしい自分へと成長する
- 今の自分にふさわしいターゲットを設定する
ターゲットを設定しないほうがうまくいくならば、それで問題はありません。
しかし、単にターゲットを設定したくないだけであるならば、その原因と向き合ってみてください。
★どうしてもターゲット設定したくない場合
ターゲット設定したくない場合は、「ターゲット設定しないほうが売上が立ちやすい」という仮説を検証してみることをおすすめします。
ただし、仮説を検証する計画と締め切りは、かならず用意してください。
1人では仮説の検証が難しい場合は、コーチングの支援を受けることをおすすめします。
準備中:コーチングとは
まとめ
ターゲットを設定するには、次の手順をおこないましょう。
- 手順①:ターゲットの仮説を設定する
- 手順②:ターゲットのニーズをリサーチする
- 手順③:ターゲットの需要を確かめる
- 手順④:ターゲットへの権威性を作る
- 手順⑤:商品を作る
ターゲットを設定するタイミングは、商品を作りはじめる前です。
商品を作ってからターゲット設定をすることは、売れない商品を作る原因になります。
まずはターゲットを明確にして売れるかを確かめてから、商品を作るようにしてください。