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自己成長とは?自己成長を促す方法と成長に欠かせない3つの要素

自己成長をするとは、自らの意志でスキル面やマインド面の向上を目指すことです。

この記事では、自分にとって効果的な自己成長を促す方法をお伝えしていきます。

最大化した自分へと成長していく際の参考になれば幸いです。

目次
  1. 自己成長とは何か
  2. 効果的な自己成長を促す簡単な方法
  3. 成長に欠かせない3つの要素
  4. 成長の2つの分類
  5. 成長を加速させる3つのコツ
  6. 成長を減速させる4つの特徴
  7. 自己成長を促す3つのメリット
  8. 自己成長を促す際の3つの注意点
  9. スキル的な成長につながる5つの行動
  10. 精神的な成長につながる5つの行動
  11. 自己成長を促したい人におすすめな書籍
  12. まとめ

自己成長とは何か

自己成長とは能動的な成長を指しますが、その他の成長とは何が異なるのでしょうか。

ここでは、自己成長についての意味合いをもう少し掘り下げていきます。

自己成長①:自己成長と一般的な成長の違い

自己成長と一般的な成長の違いは、成長する過程への態度にあります。

一般的な成長では、他者に課された目標やノルマを乗り越えることで無意識的に成長が促されます。

例.甲子園に出たい選手が、甲子園出場校に入学して練習する

対して自己成長では、自らが課題を発見し、その課題の克服をすることで意識的に成長を促します。

例.甲子園に出たい選手が、学校の練習では補えない課題を発見し、その課題を克服するための練習を別に取り組む

他者や環境による成長か、自らの意志による成長かが、一般的な成長と自己成長を分ける要因です。

自己成長が自己成長であるためには、受動的ではなく能動的な態度でスキルやマインドの向上を目指す必要があります。

自己成長②:効果的な成長と非効果的な成長の違い

同じ自己成長でも、自分にとって意味のある成長とそうではない成長とに分けられます。

何の成長を促すかによって、成し遂げられることが異なるためです。

例.甲子園に出場したい選手
・効果的な成長:野球のスキルを向上させること
・非効果的な成長:格闘ゲームのスキルを向上させること

自分にとって意味のある成長とは、自分が持つ理想的な未来に近づくために必要なスキルやマインドが向上することです。

自己成長では自分で何を成長させるかを検討しなければなりません。

効果的に成長するためにも、自分にとって意味のある成長を見定められるようになりましょう。

効果的な自己成長を促す簡単な方法

自分にとって効果的な自己成長を促すための簡単な方法とは、次の3つのサイクルを回すことです。

  1. 得たい未来を考える
  2. その未来にたどり着くための目標を設定する
  3. 目標を達成するための努力を継続させる

ここでは、この一連のサイクルを回すための手順についてお伝えしていきます。

工程①:エネルギーを蓄える

理想的な未来を考えるためにも、その未来を実現するために行動するためにも、元気な心と身体が必要です。

身体を元気にするためには、適度な睡眠と運動、栄養バランスのとれた食事による規則正しい生活が好ましいでしょう。

心を元気にするためには、ストレスとなる原因の解消と対処、刺激的な体験などが重要になります。

心身のいずれかに元気がないのであれば、まずは「元気になること」が最初の目標になるかもしれません。

準備中:元気になる方法

工程②:理想を明確にする

元気な状態を維持できるようになったら、自分にとっての理想的な未来を想像します。

理想的な未来とは、心の底から欲しいと感じる状態のことです。

3年後や5年後などの長期的な理想的な未来を描くことで、現状とのギャップが明確になり、成長が必要な課題が浮き彫りになります。

まずは課題を見つける前に、ありありと理想の未来をイメージしてみてください。

理想の未来に高揚感が出て、「これが欲しい!」と感じられたら次の工程に移ります。

準備中:理想の描き方

工程③:目標を設定する

理想を明確にしたら、その理想を実現するために必要な目標を設定します。

目標がないと、理想にたどり着くための粘り強さが生まれないためです。

理想を実現するための目標を洗い出して、今から取り組めそうなものを決めましょう。

目標の設定方法によって、その達成確率が変わります。

目標を設定するときは、良い目標を立てるためのフレームワークを活用してみてください。

例.理想:家族に安心を提供している父親になりたい
・目標1:結婚する
・目標2:子どもをつくる
・目標3:年収1千万円を稼ぐ
・目標4:家族で過ごすための時間をつくる
・目標5:夫婦関係を良好に保てるようになる

準備中:目標の設定方法

工程④:計画を立てる

直近で取り組む目標を決めたら、その目標を達成するための計画を策定します。

計画とは目標達成に必要な条件を明らかにして、その条件を満たすための行動を時系列順に並べたものです。

計画立てによって先延ばし癖や才能主義を改善することが期待できるので、最低でも次の3つの要素を組み込んだ計画を立てることをおすすめします。

  • 目標達成に必要な条件
  • 条件ごとの開始日
  • 条件ごとの締切日

準備中:計画の立て方

工程⑤:実行する

計画を立てたら、その計画通りに実行していきましょう。

ただし、多くの場合は計画通りに物事は進みません。

その原因は、計画の立て方の甘さや、実行すること自体への感情的な問題などが挙げられます。

実行が疎かになっている場合は、目標達成の過程を支援する技術であるコーチングを受講してみることをおすすめします。

準備中:コーチングとは

工程⑥:振り返る

実行したら、定期的に実行内容を振り返り、計画を更新しましょう。

実行すること以上に、実行を振り返ることで成長が促されます。

うまくいった要因やうまくいかなかった要因などを振り返ることで、成功パターンを強化し、失敗パターンを弱化できるためです。

より上手くいくパターンを身につけることが成長ともいえます。

同じパターンを繰り返すだけでは成長が頭打ちになることもあるので、実行の時間を減らしてでも振り返りの時間を確保することをおすすめします。

準備中:振り返りの方法

成長に欠かせない3つの要素

ここでは、成長に欠かせない要素についてお伝えしていきます。

自己成長を促したいときは、これらの要素を調整してみてください。

要素①:人の制約条件

人の制約条件とは、自身が持つ傾向やマインドセットのことです。

たとえば、次の場合では前者よりも後者の方が前向きな姿勢でプレゼンに挑めるため、成長速度が早いと考えられます。

  • 私の才能では、上司のように素晴らしいプレゼンができないだろう
  • 私でも、あと10回プレゼンをすればもう少し上司に近づけるはずだ

自身に備わっている性格やマインドセットは、その人の成長具合に大きく影響を与えます。

精神論のように感じるかもしれませんが、自己成長を試みるときは、まずは成長しやすい傾向やマインドセットを身につけてみることをおすすめします。

要素②:環境の制約条件

環境の制約条件とは、所属している組織の文化や風土などのことです。

たとえば、次の2つの環境であれば、後者の方が成長を後押しするでしょう。

  • 「がんばる=恥ずかしい」という認識を持つ環境
  • 成長を目指さない人はすぐに左遷されるという環境

所属している文化や風土は、成長のためのアクセルにもブレーキにもなります。

自己成長のための行動ができるような組織風土でない場合は、現在の組織とは別に「成長して当たり前」の風土を持つコミュニティに所属してみてください。

準備中:成長環境の作り方

要素③:課題の制約条件

課題の制約条件とは、課題の種類と難易度のことです。

  • 課題の種類:どんな成長を促す課題なのか
  • 課題の難易度:課題を乗り越えるために必要な条件は厳しいか易しいか

課題の種類によって「どのような成長が望めるか」が、課題の難易度では「どれほどの成長が望めるか」が予測できます。

成長を促そうとするときは、どの種類のどの程度の難易度の課題を設定するとよさそうなのかを検討してみてください。

成長の2つの分類

成長には2つの種類があります。

自己成長を促す際はその2つの成長を区別して考えることで、成長速度を早めることが期待できます。

分類①:スキル的な成長

スキル的な成長とは、技術の習得や習熟に関することです。

たとえば次のような成長は、スキル的な成長に含まれます。

  • 英語の発音が上達する
  • 自転車に乗れるようになる
  • 営業による成約率が向上する
  • サッカーとシュートが上達する
  • 漢字をより多く書けるようになる
  • 分かりやすいプレゼン資料を作れるようになる

できないことをできるようにするときは、スキル的な成長だといえます。

方法の改善や実施における質の向上などは、スキル的な成長に含まれます。

分類②:精神的な成長

精神的な成長とは、考え方や解釈、感情に関することです。

たとえば次のような成長は、精神的な成長に含まれます。

  • 離婚するかを決断できた
  • 見栄を少しだけ手放せた
  • 子育てに伴う自己犠牲感が和らいだ
  • 人前で話すことへの抵抗感が和らいだ
  • 自他ともに良い影響を与える結果を求めるようになった
  • 勉強が嫌いだったが、自分には必要だと感じるようになった

求める結果や採用する方法の決定など、思考や感情が影響する課題が精神的な成長です。

できるけど抵抗感があったり、自分や他者の一方だけが短期的に得するような結果を求めてしまったりする場合は、精神的な成長が根本にあると考えてみるとよいでしょう。

準備中:精神的な成長を遂げる5ステップ

成長を加速させる3つのコツ

ここでは、成長を加速させるためのコツについてお伝えしていきます。

自己成長を促す際は、ぜひこのコツを取り入れてみてください。

コツ①:より難しい制約条件に調整する

成長を加速させるには、より難しい制約条件にすることが有効です。

たとえば年商を1千万円稼ぐにふさわしいビジネスマンになりたいならば、次のような制約条件になるかもしれません。

  • 人の制約条件:尊敬する上司のように振る舞う
  • 環境の制約条件:平均年収が1千万円のコミュニティに所属する
  • 課題の制約条件:働く時間を3割短くして1.5倍の売上を作る

制約条件を調整する際は、快適ではなく苦しいと感じるように調整してみましょう。

ただし、「手書きですべての資料を作る」というような目的とは関係ない縛りを作ると、効果的な成長が期待できなくなるので注意してください。

コツ②:モチベーション管理をする

難しい制約条件にした場合、その継続がより難しくなります。

困難な挑戦をしていると、義務感や無意味感を感じるようになるためです。

継続性と課題への態度について対策するには、モチベーション管理をすることが有効です。

具体的には次のような施策が考えられます。

  • 自分の欲求に気づく、思い出す
  • 多面的な報酬感を味わえるように解釈を増やす
  • 結果だけではなく過程でも報酬感を受け取れるようにする

モチベーションを維持するためにも、自己成長の目的を定期的に思い出すことをおすすめします。

その目的からトキメキが失われたならば、もう一度自分の理想と向き合ってみてください。

準備中:モチベーションの高め方

コツ③:定期的にフィードバックをもらう

客観的な自身のデータを集めることも、成長を加速させるためには有効です。

たとえば営業力を高めたいなら、次のようなデータを集めるとよいかもしれません。

  • 準備する流れのスムーズさ
  • 営業をしているときの自分の姿
  • 営業を受けた相手の感情や思考の動き

自分では気づけない課題が存在し、そこが成長に重要な課題が隠れていることがあります。

また、自分の成長具合を確認して新しい課題を発見することにも、定期的にフィードバックをもらうことは有効です。

早く成長を目指したいならば、可能な限り短い期間でフィードバックをもらう予定を組み込んでおくとよいでしょう。

準備中:アドバイスを受け取れない人の心理とは

成長を減速させる4つの特徴

自己成長を促そうとしても、なかなか成長できない人がいます。

ここでは、成長を減速させてしまう特徴についてお伝えしていきます。

特徴①:他責思考

他責思考とは、結果責任を他者や環境に押し付ける思考のことです。

たとえば、スモールビジネスを1年間続けても1円も売れなかったとき、次のような原因の求め方は他責思考だといえるでしょう。

  • 買った情報商材が悪かった
  • 家族の協力を得られなかった
  • 自分にはビジネスセンスが欠けていた

悪い結果の100%が自分にあるわけではないですが、自分が関わっているなら少なくとも1%程度は結果の責任があるはずです。

自己成長を促すときは、その1%の自己責任の改善をする態度が重要になります。

準備中:他責思考の直し方

特徴②:完璧主義

自分への高い期待によって、行動が止まってしまうときがあります。

失敗を過度に恐れてしまい、ずっと悩み続けてしまうようなケースです。

高いクオリティーを出すことを求めることはよいことですが、行動が止まっては本末転倒です。

1度の挑戦で成功しようとするのではなく、何度もPDCAを回したほうが成長速度も早まります。

準備中:完璧主義を手放す方法

特徴③:変化を望まない

心の底では変化を望んでいないなら、成長するための行動が取れなくなります。

変化を望まないとは、次のような思考のことです。

  • がんばる必要性がない
  • 疲れているから休みたい
  • 良い結果を望んでいるわけではない
  • やりたいことがないから今のままでいい

変化することよりも現状維持を選んだり、元気になることを優先していたりするときは、自己成長を促すことが難しいです。

変化を望まないときは、無理に変化をしようとするのではなく、変わる理由探しをしてみるとよいかもしれません。

準備中:現状維持は悪いのか

特徴④:弱みの克服に力をそそぐ

成長におけるパターンには、強みの強化と弱みの改善の2つがあります。

  • 強み:使っていて報酬感が得られる資質
  • 弱み:使うこと自体が苦しさを生む資質

成長を強みの強化と弱みの改善とに分けたとき、成長速度が早いのは強みの強化になります。

その行動をすること自体にモチベーションが上がりやすく、また良い結果を出しやすいため継続が容易だからです。

対して弱みの改善は、実行自体が苦しさを生み、良い結果を出すためには相当な心身の努力が必要になります。

このことから、自己成長においては強みを優先し、弱みは問題が起きない程度の最低限のレベルまでと考えたほうが効率的です。

今から弱みの改善をしようとするときは、その弱みを本当に改善する必要があるのかを検討してみてください。

特徴⑤:「ラク」の比較基準を間違えている

私たちには、ラクそうな方を選択する傾向があります。

しかし、人によってラクの定義が異なり、その基準によって「成長を促す行動」か「怠惰に過ごす行動」のどちらを選ぶかが変わります。

たとえば「仕事終わりに運動したくない」と考えている人は、次のような考え方によってその選択が分かれるでしょう。

  • 今から運動するより、ゲームをしたほうがラクだろう
  • 今から運動しないと、しばらく罪悪感で苦しくなるだろう

成長を促す行動を選ぶためには、自分にとっての本当の意味でのラクとは何かを考えてみてください。

一時の疲労感を基準にするのではなく、その行動をしないことによる未来に焦点を当てることで、新しい気づきが得られるかもしれません。

準備中:面倒くさいの克服方法

自己成長を促す3つのメリット

そもそもなぜ自己成長が重要だといわれているのでしょうか。

ここでは、自己成長を促すことのメリットをお伝えしていきます。

メリット①:よりよい成果が得られる

自分にとってのよりよい成果を得るためには、自らでその成果を言語化し、得るための努力が必要になります。

指導者や環境がどれほど素晴らしかったとしても、それだけでは自分の理想的な未来を実現することは難しいためです。

たとえば、甲子園に出場したい選手が、そのための指導をしてくれる監督と出会ったとします。

そして日々の辛い練習をやり遂げ、無事甲子園に出場できたとしましょう。

しかし、その選手は満足することができないかもしれません。

なぜなら、その選手の本当の理想は甲子園に出ることではなく、仲間と一致団結して甲子園に出場することだったからかもしれないからです。

他者や環境から目標や課題を課せられたとしても、自分にとっての理想を叶えるには不十分であることがよくあります。

自己成長を促すことでその欠けている部分を補えれば、よりよい成果を得られる可能性が高まるでしょう。

メリット②:前に進んでいる感覚が得られる

会社でも部活でも、上司や指導者によって課された目標や課題だけに取り組んでいると、自分を見失っていきます。

「それを実施するのは自分以外の誰でもいいのではないか」と考え、段々とモチベーションを失うのです。

この問題を解消する方法の1つとして、自己成長を目指すことが挙げられます。

自己成長を目指すことで他者からの目標や課題は人生を前に進めるための手段に過ぎないと捉えられるようになるからです。

自分の努力が無駄ではないと感じられ、成長を素直に喜べるようになれれば、日々のストレスも大きく解消するでしょう。

準備中:仕事におけるやらされている感の解消方法

メリット③:大きな目標を立てられるようになる

自己成長を遂げていくことで、自らが変化することに自信を持てるようになります。

「昔の自分では無理だったけど、成長した今ならなんとかできる」という経験を得ることで、「今は無理でも、私ならできるようになる」という自分への自信が身に付くためです。

「どうせ自分なんか無理だろう」という考えに振り回されなくなり、本心から求める理想を望めるようになります。

その結果、目標の難しさに挫けずに、本当に望む未来のために挑戦できるようになるでしょう。

準備中:自信のつけかた

自己成長を促す際の3つの注意点

ここでは、自己成長を促すことの注意点をお伝えしていきます。

これから自己鍛錬に励もうとするときは、ここで紹介する注意点に留意するようにしましょう。

注意点①:自己否定をしてしまう

自己成長を促す動機の根本が、理想の実現ではなく、自己否定であるときは注意が必要です。

自己否定的な動機だと、自分の幸せのためではなく、痛みを回避するための成長になってしまうためです。

  • 自己否定的な動機:稼げない自分には価値がないから、稼げるようになろう
  • 理想実現的な動機:家族との思い出をもっと作りたいから、稼げるようになろう

自己否定的な動機は、自分にとって重要ではない目標や課題に向かわせます。

たとえ目標の達成や成長が促されたとしても、それにより自分が報われることは難しいです。

自己成長を促すときは動機を確かめるために、次の4つについて検討してみてください。

  • なぜ成長しようと考えているか
  • 成長しないとどうなると考えているのか
  • 成長することで自分や周りにはどのような影響があるのか
  • 成長しないことで自分や周りにはどのような影響があるのか

準備中:否定的な目標は悪いのか

注意点②:周囲との温度差が生まれる

自己成長を促すことは、次の理由によって俗にいう意識高い系だと捉えられることがあります。

  • 外の習慣を持ち込む
  • 周囲の期待よりも自分の成長を優先する
  • 現在身を置いている環境の一般的な感覚よりも努力をする

自己成長は良くも悪くも周りに影響を与える可能性が高く、その関係性が課題として立ち塞がることがあります。

もしも自己成長を促すことにより関係性が悪化した場合は、その人たちとの理想的な関係を検討してみるとよいでしょう。

注意点③:成果を出せない言い訳に使う

成果を出せない言い訳として、次のように自己成長を使ってしまうことがあります。

  • 今回は失敗したけど、成長できたからOK
  • 私は成長することが目的だから、営業ノルマを超えなくても問題ない

成長を促す手段として、困難な目標に挑戦することはよいアイデアでしょう。

しかし、成長することが目的なのであれば、目標への達成にはより厳格でなくてはなりません。

難しい目標を達成するために最大の努力をすることこそが、もっとも人の成長を早めるからです。

成果が出ない理由を自己成長にしている場合は、その言い訳をすることの目的を考えてみてください。

自分を守ることが言い訳の目的なら、そこにある心の問題と向き合うことで、より自己成長を促す状態を作り出すことができるでしょう。

準備中:失敗の乗り越え方

スキル的な成長につながる5つの行動

ここでは、スキル的な成長につながりやすい行動についてお伝えしていきます。

スキル不足で悩んでいるときは、ここにある行動を参考にしてみてください。

行動①:本を読む

スキル不足のとき、必要な情報が足りていないことが原因かもしれません。

たとえば、効率的な操作方法を知らないために、エクセルの作業効率が低いといったケースです。

1から自分で考えるよりも、本に書かれた情報をもとに試行錯誤したほうがスキルを早く向上させやすいです。

自分のスキルに課題を感じたら、もっとよい考え方や方法を探すためにも、本を読んで視野を広げてみるとよいでしょう。

行動②:学校に通う

まったく未知の領域であるスキルを習得する場合、何から始めればよいのか分からないときがあります。

たとえば、プログラマーやwebライター、スモールビジネスなどを志そうと考えた初期段階です。

このような初期段階では、網羅的に教わりながら学んだほうがスキルが向上しやすい傾向があります。

この段階では「必要な情報は何で、どの位置づけにあたるのか」の判断がつかないためです。

学ぶ順序や実践する順序、また合格ラインとなる品質の基準などが分からない我流では、より多くの試行錯誤が求められます。

少しでも短い時間でスキルを習得したいなら、特に初期段階であれば学校に通って網羅的に指導してもらうとよいかもしれません。

行動③:資格試験の勉強をする

資格試験に受かるための勉強をすることは、実践では身に付かない知識を学ぶきっかけになります。

実践だけでは、得られる知識に偏りが生じることがあるからです。

たとえば私たちは日本語を母国語として使っていますが、学校で習うまでは日本語のルールを知らずに活用していたのではないでしょうか。

もし日本語を改めて学ばなかったら日常会話ができる程度のスキルで留まり、専門書やマニュアルを読み解いたり、文章を作成したりすることが難しかったでしょう。

実践で得られる経験や知識は重要ですが、それだけでは応用することが難しく、スキルの成長も行き詰ってしまうことがあります。

成長を促すためにも今より幅広い知識が必要だと感じたら、そのスキルに関する資格試験の内容を確かめてみてください。

行動④:スキルに関する指導を受ける

すでに自分より高い技術を持っている人に、そのスキルに関する指導を受けることもスキル的な成長を促すことにつながります。

具体的には、先輩や上司、師匠や講師などにアドバイスやフィードバックをもらうということです。

スキルに関する指導を受けることで、自分では気づかなかった課題や、課題の解消方法を理解できます。

自分で考える必要がなくなるので、アドバイスを受け入れて実践を繰り返せればより早くスキルを向上させられるでしょう。

準備中:納得できないと先に進めない

行動⑤:たくさん実践できる環境に身を置く

スキルを高めるためには、練習だけではなく実践を繰り返すことが重要です。

実践の中からでしか得られない経験があり、経験値量も練習より実践の方が何倍も多くなるためです。

実践することに抵抗感がある場合は、次のことをおこなってみてください。

  • 成功するための実践ではなく、成長するための実践をする
  • 目標としているレベルに達するために必要な実践時間を調べる

例.プレゼンのスキルを高めるための工夫
・副業でセミナーを開く
・プレゼンの実施が必要な部署に移動する

準備中:モニターの集め方

精神的な成長につながる5つの行動

ここでは、精神的な成長を促すための行動についてお伝えしていきます。

感情や思考による葛藤や迷いによって課題に躓いているときは、ここで紹介する行動を取り入れてみてください。

行動①:自己分析をおこなう

自分の行動メカニズムを把握するという自己分析によって、精神的な成長が促されます。

自分の価値観や思い込みを知ることで、行動への葛藤や抵抗感を抑えられるようになるためです。

行動への抵抗感を感じたら、次の2つのことを検討してみてください。

  • 現状のマインド:なぜ抵抗感を感じているのだろうか?
  • 仮説的なマインド:どう考えたら抵抗感が小さくなるのだろうか?

例.営業することが苦しい
・現状のマインド:お金稼ぎは汚いことで多くの人に貢献できなくなる
・仮説的なマインド:多くの人に貢献するための営業方法を編み出そう

行動②:他者理解に努める

他者理解に努めることで、柔軟で度量の広い人間へと成長できます。

視点や解釈が増えることで、より多角的な思考と行動が取れるようになるためです。

他者理解力を培うためには、次の5つのことについて観察してみてください。

  • 相手の行動
  • 相手の意見
  • 相手の感情
  • 相手の背景
  • 相手の思考

例.車で信号待ちをしているとき、後ろからクラクションを鳴らされた
・相手の行動:クラクションを鳴らした
・相手の意見:早く目的地に着きたい
・相手の感情:なんだか辛そう
・相手の背景:早くトイレに行きたいのかも
・相手の思考:もう限界?

行動③:抵抗感が強い挑戦をする

自分にとって意味のある精神的な課題を見つける最も簡単な方法は、重要で効果的だが抵抗感が強い挑戦をすることです。

その抵抗感を生んでいる正体こそが、自分にとっての重要なマインドブロックである可能性が高いからです。

自己成長を促すときは、面倒くさいという感情や恐怖心などの抵抗感を抜きにして、選択肢の中から最も効果的な方法を選んでみてください。

その選択の内にある抵抗感と向き合い勇気を持って行動してみることで、精神的な成長が促されていきます。

行動④:自分に関するフィードバックをもらう

自分の振る舞いに対するフィードバックをもらうことで、精神的な成長を促すための課題を見つけられます。

自分が持っていない自分の振る舞いや課題についての情報を、他者は持っている可能性が高いためです。

たとえば、精神的な成長を促すための課題の発見に役立つフィードバックとして、次のような情報が挙げられます。

  • もっと力を抜いて人と接したほうがよさそう
  • その話をしているとき何だが苦しそうに見える
  • 手伝いをしてほしいと言うといつも不機嫌になるよね
  • もっと周りの意見を聞いてから判断したほうが皆のためになる
  • 口ではがんばると言っているけど結局いつも納期に間に合ってないよね

「やろうとしてもできない」ことではなく「できるけどやらないこと」に関する情報には、精神的な成長を促すための課題が隠れています。

何を成長させればよいか分からないときは、周りの人から自分の振る舞いについての情報をフィードバックしてもらってみてください。

準備中:360度フィードバックとは

行動⑤:理想の振る舞いが求められる環境に身を置く

人は求められた通りの行動をする傾向があります。

これを役割効果と呼び、この役割効果を使うことで精神的な成長を促せます。

たとえば、自分の意見をはっきりと言える人間になりたいなら、部下という立場よりも、次のような立場の方がその振る舞いが求められるでしょう。

  • 父親
  • 小さな団体のリーダー
  • プロジェクトの責任者
  • 部下の面倒を見る役割

自己成長を促したいときは、自分が理想とする振る舞いを明確にしてみてください。

そしてその振る舞いが求められる役割になることで、自然とその振る舞いが身に付く可能性が高まります。

自己成長を促したい人におすすめな書籍

ここでは、自己成長を促したい人におすすめしたい書籍を3つお伝えしていきます。

書籍①:成人発達理論による能力の成長 ダイナミックスキル理論

本書籍では、成人発達理論をもとに、実際にどのように能力を成長させていくのかを紹介しています。

主にスキル的な成長に関するヒントが紹介されているので、次のことに関心がある人には参考になるかもしれません。

  • 誰かにスキルを教えたい
  • 新しいスキルを習得したい

書籍②:なぜ人と組織は変われないのか

本書籍では、発達理論をもとに、個人と組織の行動変容の仕組みと方法を紹介しています。

本書籍によると、次の仕組みや解決策は組織でも個人でも同様であり、そのヒントは精神の葛藤にあると書かれています。

  • なぜいつもその選択をしてしまうのか
  • どうやったら無意識的に他の行動をおこなえるようになるのか

主に精神的な成長に関するヒントが紹介されています、

次のようなことに関心がある人には、とても参考になるでしょう。

  • 組織の不調和を解消したい
  • 行動への抵抗感を解消したい
  • よりよい人間関係を築きたい
  • もっと前向きな人間性をもちたい

書籍③:具体↔抽象トレーニング

本書籍では、具体化と抽象化をおこなうトレーニング方法について紹介されています。

具体化と抽象化というのは「自分の頭で考える」ための方法論のことです。

この能力があることで思考に自信がつき、自分の選択を信じて行動ができるようになります。

次のようなことに関心がある人には、とても参考になるでしょう。

  • 商品のコンセプトを考えたい
  • 他人と意味ある会話をしたい
  • 何かしたいけどどう考えればいいのか分からない

まとめ

自己成長とは、自分の意志で成長を目指すことです。

自己成長には「スキル的な成長」と「精神的な成長」があり、これらの成長には「人・環境・課題」を整える必要があります。

しかし、どのような成長が効果的なのかは人によって異なるため、まずは理想を描くことから始めてみることをおすすめします。

どのような人間性で、どのようなスキルを持ち、どのような生活を送っているのか。

そのような理想の自分を描くことで、ようやく自分にとっての効果的な成長方法を見つけられるでしょう。