行動に取り組むときに、その取り組みやすさを決める重要な要素の1つが「モチベーション」です。
取り組むべき仕事があるのに、モチベーションが上がらずに苦しい想いをしたことがある人は多いのではないでしょうか。
しかし、モチベーションはちょっとしたコツで簡単に上げることができます。
今回の記事では、仕事におけるモチベーションを高める方法についてお伝えするので、ぜひとも取り入れてみてください。
モチベーションに影響を与える3つの要素
モチベーションとは、行動をする理由を理解し、身体が高揚した状態を認識することです。
ここでは、モチベーションを生む要素についてお伝えしていきます。
要素①:行動の動機
行動の動機とは、なんのためにそれを実施する必要があるのかという目的となる報酬を指します。
たとえば、年商を1千万円稼ごうとするときの動機として、次のものが挙げられるでしょう。
- 親に報いたいから
- 見栄えがよいから
- 自慢できそうだから
- 自信をつけたいから
- 家族を養いたいから
- 借金を返済したいから
- 大きな成果が欲しいから
自分にとって重要な動機があるほど、モチベーションが高まります。
モチベーションを高めるためには、取り組むべき行動による影響を多面的にみることが有効です。
要素②:感覚の実感
感覚の実感とは、身体に生じた高揚感を認識することを指します。
「欲しかったものが手に入るかもしれない」と分かったとき、身体の中がゴゴゴゴゴっとじんわりと熱くなる感覚です。
たとえば、次のようなことが起きたときの感覚を思い出すと分かりやすいかもしれません。
- 好きなゲームソフトを買ったとき
- 好きな人とのデートが決まったとき
- 好きな料理が目の前に出されたとき
- ずっと訪れたかった旅行先に行くことが決まったとき
心から欲しいと感じ、それが手に入りそうだと分かることで身体は高揚感を生じさせます。
しかし、その高揚感を頭で認識しない限りは、自分ではモチベーションが高まっていると理解できず、やる気が湧きません。
「高揚感=モチベーション向上」ではないので、ささいな変化にも気づけるように、モチベーションが高まった感覚を覚えるとよいでしょう。
要素③:恒常性
恒常性とは、快適に感じるコンフォートゾーンに戻ろうとする身体の仕組みのことです。
たとえば次の現象は、恒常性によるものだといえるでしょう。
- 体温が上がったら、汗を出して冷ます
- 見知らぬ土地に行ったら、自宅に戻りたいと感じる
- ストレスが溜まったら、その場から離れたいと感じる
- 自分の体型にムカついて、ダイエットをしようと決意する
- 所持しているお金を失ったら、なんとかして取り返したいと感じる
モチベーションは、この恒常性の働きによって生じるとも考えられています。
脳で「それは自分のものだ!」と認識することで、持っていない状態の現在から、持っている状態の本来の未来に戻ろうとすることでモチベーションが生まれるのです。
そのため、自分にとっての「当たり前」という感覚がモチベーションを大きく左右します。
理想の未来に基準を置き、その理想にたどり着いていない現状がおかしいという認識を持てれば、苦となる行動にもモチベーション高く取り組めます。
動機の種類
行動の動機は、外発的動機と内発的動機の2種類に分けられます。
ここでは、それぞれの動機の特徴とメリットについてお伝えしていきます。
動機①:外発的動機
外発的動機とは、他者やモノなどが関係した成果物のことです。
行動自体は楽しめず、結果の有無が感情に影響を与えます。
たとえば、次のものは外発的動機に該当するでしょう。
- 休むために風邪をひく
- 褒められるために勉強する
- ケーキを食べるために手伝いをする
- 給料をもらうために会社員として働く
- 好きな人と話すために休まず学校に通う
外発的動機は強い報酬感を得られるため、行動を継続させる理由づけとして役立ちます。
しかし、外発的動機は慣れやすく、報酬を報酬と感じなくなることに注意が必要です。
外発的動機は補助として使うに留め、行動理由の根本には内発的動機を据えることをおすすめします。
動機②:内発的動機
内発的動機とは、自分1人で手に入れられる成果物のことです。
結果に関わらず、行動自体が感情に影響を与えます。
たとえば、次のものは内発的動機に該当するでしょう。
- 成長を促すために練習する
- 仮説を検証するために実践する
- 新しい自分を知るために挑戦する
- 興味/関心を満たすために新商品を買う
- 人生を楽しみつくすために目標を立てる
内発的動機は報酬として飽きづらいため、困難な目標を達成することを後押しする役割として期待できます。
しかし、自分の内発的動機に気づくことは難しく、気づくためには多くの実践と内省が必要です。
内発的動機の傾向を見つけるには、次の2つのことを今までの経験や体験から振り返ってみてください。
- 何を自分は求めやすいのか
- どんな認識をすると身体が高揚するのか
報酬の種類
外発的動機も内発的動機も、どちらも報酬であることには変わりありません。
報酬は「報酬の接近」と「損失の回避」に分けられ、これらを掛け合わせることで高いモチベーションが発揮されます。
ここでは、それぞれの報酬の違いついてお伝えしていきます。
報酬①:報酬の接近
報酬の接近とは、獲得することがメリットとなる報酬です。
次のようなポジティブな感情を生じさせる成果物が、報酬の接近に分類されます。
- 欲しい:お金が欲しいからがんばる
- 楽しい:楽しみたいから遊園地に行く
- 誇らしい:自信を持ちたいから勉強する
報酬の接近では、1つの報酬を獲得するための選択を促します。
その報酬が手に入らないと予測したら、モチベーションはガクッと落ちるでしょう。
準備中:目標の見つけ方
報酬②:損失の回避
損失の回避とは、悪い未来を阻止すること自体が報酬となるものです。
次のような感情を回避して安心感を与える成果物が、損失の回避に分類されます。
- 怖い:怒られたくないから勉強する
- 不安:不安から解放されるために資格をとる
- 苦しい:苦しみから逃れるために転職する
- 恥ずかしい:恥をかかないために人前で歌わない
損失の回避では、避けたい未来以外の結果を獲得するための選択を促します。
損失の回避は強力な動機として働きますが、「悪い未来を回避できれば何でもよい」と考えてしまうため、自分の願望や理想を後押しする動機ではありません。
基本的には報酬の接近を動機の土台にして、損失の回避は補助として活用することをおすすめします。
準備中:現状維持は悪いのか
仕事のモチベーションを高める基本的な5つの方法
ここでは、モチベーションを高めるための基本となる方法をお伝えしていきます。
高め方①:心身を元気にする
モチベーションを高めるための絶対条件として、心身が元気であることが挙げられます。
心身に元気がないと、扁桃体が活性化してネガティブな感情を感じやすくなるためです。
どれほど好きだと感じる行動でも、寝不足やストレスフルな状態では「やりたい!」という気持ちが生じづらくなります。
モチベーションを高めたいなら、なによりもまず元気になることを優先してみてください。
準備中:元気になる方法
高め方②:報酬をたくさん用意する
行動に伴う報酬が多ければ多いほど、モチベーションが高まります。
報酬をたくさん用意するには、結果だけではなく過程からも報酬感が得られる工夫が有効です。
仕事であれば「ノルマを達成できたら報酬感を感じる」だけではなく、次のような工夫がよいかもしれません。
- 小さな目標を立てる
- 定期的に進捗率を確認する
- 行動に伴う影響を体感する
- 毎週金曜日はご褒美の日にする
外発的報酬と内発的報酬のどちらも用意することで、モチベーションを維持できます。
報酬を用意するときは、報酬の量と報酬の大きさをそれぞれ検討して調整してみてください
- 報酬の量:報酬の数の多さ
- 報酬の大きさ:1つの報酬から得られる感情の大きさ
高め方③:行動する重要さを理解する
自分が重要だと認識した目標に関連する行動であるほど、モチベーションが高まります。
たとえば、穴を掘って埋めるだけの仕事でモチベーションを高められる人は非常に稀でしょう。
しかし、その作業が家族の生死に関わっているならば、「絶対にやらねば!」と高いモチベーションで取り組むことができるはずです。
どれほど過程に報酬が用意されていても、得られる結果が重要だと感じない限りはモチベーションは長続きしません。
仕事のモチベーションを上げたいならば、仕事をする目的を検討してみることをおすすめします。
準備中:理想の描き方
高め方④:目標や行動を自分でもできると信じられる
「自分ならできる」という感覚を自己効力感と呼びますが、自己効力感はモチベーションに影響します。
たとえば、次の2つのケースだったら、前者の方が現実的でモチベーションが上がるということです。
- 今から筋トレを始めて異性に持てる肉体を作りあげる
- 今から筋トレを始めてボディビルダー大会のチャンピオンを目指す
「どうせがんばっても自分には無理」という感覚は、モチベーションを下げてしまいます。
仕事における自己効力感を高めるためにも、次のような工夫を施すとよいでしょう。
- 失敗要因を対策しておく
- 成功可能性が高い方法を探す
- 目標が達成される計画を立てる
- 取り組むべきことを行動レベルで分解する
- 既に成功している人と接する機会を設ける
準備中:計画の立て方
高め方⑤:今すぐに実行する必要があると感じられる
特に短期的なモチベーションは、重要度よりも緊急度に影響を受けます。
締切を認識することで、行動しないことへの危機感が生じて動機づけが強まるためです。
締切を強く認識するためには、次の4つのことを検討してみてください。
- 締切日:締切はいつなのか
- 所要時間:普通に実施するとどれほどかかるのか
- 成功基準:締切までに何をどの品質で完成させなければならないのか
- 延長線上の未来:締切に間に合わないとどんな悪い未来が生じるのか
例.ダイエットにやる気が出ない
締切日:3ヵ月後
所要時間:3ヵ月間
成功基準:最低でも-5kg
延長線上の未来:周りに「またか」と思われる、自信を失う
準備中:延長線上の未来を描く方法
仕事におけるモチベーションを維持する方法6選
モチベーションが高い状態を維持することは、長期的なプロジェクトの遂行をする際には特に重要になります。
ここでは、仕事におけるモチベーションを長続きさせるための方法をお伝えしていきます。
維持①:結果に期待する
「この行動をすればこんな結果が手に入る」と期待することで、その結果が明らかになるまでモチベーションが維持されます。
報酬を得るための行動には前向きになりやすく、そのために必要な行動だと割り切ることで苦しみを感じづらくなるためです。
ただし、結果に期待をするときは、それが無謀や過度な結果になっていないかを確認するようにしてください。
「行動と結果が釣り合っていない」と判明したら、期待が裏切られてモチベーションはガクッと低下します。
「長期的な結果」と「それに必要な行動リスト」を明確にすることは、それが適切な期待かどうかを確かめることに有効です。
例.結果に期待する
・無謀な期待:大金持ちになればみんなに愛されるはずだ
・過度な期待:SNSを1か月続ければ確実に1万人のフォローされるだろう
・適切な期待:SNSを180投稿すれば200人程度にはフォローされるはずだ
維持②:自分の傾向を理解する
自分の傾向を活かせるようになることは、モチベーションの維持に役立ちます。
自分の傾向と異なる行動を起こすと疲労感やストレスを増大させてしまい、モチベーションの低下を招くためです。
具体的には次のことを把握することで、疲労感やストレスを増大させない自分の働き方を見つけられます。
- 自分の強みと弱みは何か
- 1日何時間働くと疲れるのか
- 何日続けて働くと疲れるのか
- 朝昼晩のうちどの時間帯が一番捗るのか
短期的な成果ではなく、長期的な成果が最大化される働き方を探してみてください。
ただし、人によっては短距離走的な働き方の方が成果を出しやすい人もいることに注意が必要です。
- 短距離走的な働き方:3ヵ月全力労働→1ヵ月の長期休暇の繰り返し
- 長距離走的な働き方:1日8時間労働→週2日の休暇の繰り返し
維持③:新しい目標を設定する
目標を定期的に更新することで、気持ちが切り替わりモチベーションを維持できます。
目標計画を進めていくと新しい情報やスキルが手に入り、現在の気持ちと目標とにギャップが生じるためです。
「新たにがんばりたい」と気持ちを一新するためには、次の方法がおすすめです。
- 目標の変更:本当に欲しいと感じる目標に再設定する
- 新規の目標:目標を達成しきる前に新たな目標を設定する
- 目標の修正:実行した内容を振り返って現在の目標を修正する
目標を設定するときは、SMARTの法則のように目標設定のフレームワークを活用してみてください。
目標設定のフレームワークはモチベーションを上げるための工夫が施されているため、1から考えなくても効果的な目標を立てられるはずです。
準備中:目標の設定方法
維持④:行動や計画を振り返る
定期的に行動や計画を振り返ることで、すり減ったエネルギーを取り戻せます。
次の3つのことを振り返ることで、自分の苦労に意味があったのだと報酬感を得られるためです。
- 計画の進捗具合:どれほど進んだか
- 実行した行動内容:何をしてきたか
- 得られた成果:実行と計画からどんな成果を得たか
振り返りによって課題を見つけ、その対策を練ることもモチベーションの維持に役立ちます。
自己成長やモチベーション維持のためにも、やったらやりっぱなしではなく定期的な振り返りをしてみてください。
準備中:振り返りの方法
維持⑤:理想や目的を再確認する
理想や目的を改めて確認することで、前に進みたいという意欲が湧いてきます。
自分が本当に欲しいと感じる未来を想像すると、人は内的なエネルギーが生じるという傾向を持つためです。
計画を実行していると目先の問題や忙しさに意識が向き、何のためにがんばっているのかを忘れてしまいます。
義務感や強制感に陥らないためにも、次のような質問を定期的に自問自答してみることをおすすめします。
- 私はなぜこれを始めたのだろうか
- 私はこれによって何を得られるのだろうか
- 私はこれをしないとどうなってしまうのだろうか
- 私は本当にこれをする必要があると感じているのだろうか
準備中:仕事におけるやらされている感の解消方法
維持⑥:行動に伴う報酬を実感する場を増やす
報酬感を得られる機会を増やすことも、モチベーション維持には欠かせません。
報酬をどれほど得たとしても、それを認識・受容・解釈しないかぎり報酬感が生じないためです。
次のような機会を設けて、意図的に報酬感を感じてみてください。
- 仕事の完成形を目にする機会
- 家族から感謝を伝えられる機会
- 仲間との関係性を確かめる機会
- お客様から感謝を伝えられる機会
- 職場仲間から感謝を伝えられる機会
- 仕事によりスキルが向上したと実感する機会
仕事のモチベーションを下げる原因5選
仕事をしていると、どうしてもモチベーションが下がってしまうことがあります。
ここでは、モチベーションを下げる主な原因についてお伝えしていきます。
原因①:行動する意味を見失う
行動する意味を見失うとは、次の2つの悩みによってモチベーションが低下することです。
- 何のための行動なのか
- 何のために生きているのか
目の前のタスクに焦点が当たると視野が狭まって、段々と行動する意味を見失います。
ワクワク感が消失して次のような感情が生じたら、行動する意味を見失っているサインかもしれません。
- 怒り
- 自己無力感
- 失敗への恐れ
- やらされている感
- 見通しが立たないことへの不安
これらのサインに気が付いたら、一度立ち止まって本来の目的を思い返してみてください。
目的にワクワクするけど失敗への恐れによってモチベーションが下がる場合は、失敗への対策を講じて乗り越える必要があります。
準備中:失敗の乗り越え方
原因②:心身のエネルギーが不足する
心身のエネルギーが不足すると、困難な行動を継続することが難しくなります。
次の2つの現任によって、前向きにがんばれなくなるためです。
- ネガティブな結果ばかりを予見する
- 重要ではないささいな問題を無視できなくなる
心身のエネルギーが不足している状態を自覚するきっかけには、次の感覚が挙げられます。
- 挫折感
- 停滞感
- 徒労感
- 疲労感
- モヤモヤ感
- イライラ感
- 行き詰まり感
- 自身の喪失感
原因③:行動することに恐怖が生じている
困難な目標を達成するには、不安や恐怖が伴う行動に取り組むことが必要です。
しかし、恐怖が強いほど「成功した未来」ではなく「失敗した未来」に焦点が当たり、挑戦する勇気を挫いてしまいます。
行動への不安や恐れには、具体的には次のような感覚が挙げられるでしょう。
- 恥をかきたくない
- 責任を負いたくない
- 成功できる自信がない
- なんだか抵抗感がある
- このままだと納得できない
- 貢献できていない気がする
恐怖によって挑戦する意欲が低下したら、恐怖と向き合ってみてください。
自分が本当に恐れていることの正体を解き明かし、その恐怖は本当なのかを検証して修正することで、不安や恐怖を乗り越えられます。
準備中:不安や恐怖をエネルギーへと変える方法
原因④:もっとラクな道があると信じている
今よりもよさそうな選択肢があると、現在の行動を採用する動機が失われます。
その結果、焦りや嫉妬が生まれて真剣に行動できなくなります。
「今よりもよい選択肢」の基準は人によって異なりますが、主に次の基準が使われます。
- 労力の程度:一番疲れないのはどれだろう
- 費用の程度:一番お金がかからないのはどれだろう
- 成長可能性:一番成長できるのはどれだろう
- 成功可能性:一番成功しやすいのはどれだろう
- 成果の品質:一番成果を最大化できるのはどれだろう
- 成果を得るまでの時間:最も短期間で成果が出るのはどれだろう
実際にラクな道があるか否かは重要ではありません。
「今よりもラクな道があるかもしれない」と期待しただけでモチベーションは低下します。
一度方法を決めたなら、魔法の杖に期待しないためにも一定期間その方法だけを信じてみてください。
例.運動嫌いな人が山頂から景色を見たいとき
・動機強い:ゴンドラがないなら歩くしかないか
・動機弱い:ゴンドラがあるのになぜ歩かなくてはならないのか
原因⑤:モチベーションが低いことにメリットがある
モチベーションが低いこと自体がメリットとなる場合、無意識的に意欲を削る思考をしてしまいます。
具体的には、次のようなメリットが手に入ると考えていると、モチベーションの低下を望んでしまうでしょう。
- モチベーションが低ければ、妥協してもいい
- モチベーションが低ければ、行動しなくてもいい
- モチベーションが低ければ、皆が甘やかしてくれる
- モチベーションが低ければ、失敗しても恥ずかしくない
- モチベーションが低ければ、がんばっている姿を見せずに済む
- モチベーションが低い状態で成功したら、自分の才能を証明できる
どんな対策をしてもモチベーションが低いときは、次の2つのことを解き明かしてみてください。
- モチベーションが低いことで得ている恩恵
- モチベーションが高いことで生じる不都合
仕事におけるモチベーションが下がったときの対処法
ここでは、仕事におけるモチベーションが下がったときの対処法についてお伝えしていきます。
モチベーションが低下していることに悩んだら、まずはここにある対処法を試してみてください。
対処法①:決断を新たにする
「目的や目標、そのための計画や方法を信じ実行する」と決断することで、モチベーションが回復します。
目の前の行動だけに取り組めばよいと考えられれば、余計なストレスが消えて集中できるようになるためです。
決断するためには、次の3つの施策が有効です。
- 延長線上の未来を検討する
- 成功したら味わえる報酬感を、今できる範囲で味わってみる
- 自分の内外から情報を集め、未来や方法の選択肢をすべて検討する
この対処法が有効な主な原因
・原因①:行動する意味を見失う
・原因③:行動することに恐怖が生じている
・原因④:もっとラクな道があると信じている
対処法②:ゆっくり休む
ゆっくり休むことで、モチベーションが回復することがあります。
ただし、元気になる休み方とそうでない休み方があることに注意が必要です。
具体的には、次の3つのポイントを押さえて休んでみてください。
- 体の癒しと心の癒しを区別する
- 受動的ではなく主体的な休みにする
- 「1つを大量に」ではなく「複数の少量ずつ」癒しを取り入れる
この対処法が有効な主な原因
・原因①:行動する意味を見失う
・原因②:心身のエネルギーが不足する
・原因⑤:モチベーションが低いことにメリットがある
対処法③:視座が高まる体験をする
視座を高めるとは、「今の自分のままではダメなんだ!」とよい意味で成長の必要性を感じることです。
視座を高めることで、次の2つの理由からよりよい自分になりたいという欲求が強まり前進する意欲が湧きます。
- 現状を客観的に見られるようになるから
- 制限を外した状態で理想を描けるようになるから
視座を高めるには、次のような成功者にとっての当たり前を肌で感じられるような体験をすることをおすすめします。
- 書籍を読む
- セミナーに参加する
- オンラインサロンに参加する
この対処法が有効な主な原因
・原因①:行動する意味を見失う
・原因②:心身のエネルギーが不足する
・原因③:行動することに恐怖が生じている
・原因④:もっとラクな道があると信じている
準備中:成長を加速するための自己投資先とは
対処法④:精神的な成長を促す
精神的な成長とは、「できない→できる」ではなく「できるけど苦しい→できる」という変化を果たすことです。
精神的な成長を促されると次のようなメリットが生じます。
- 行動に伴う精神的苦痛や抵抗感が和らぐ
- 行動することで得られる報酬感が増大する
- 自己中心や他者中心ではなく、統合的な目標に意欲が湧くようになる
精神的な成長を促すには、自分の信念や価値観に気づき、それらを検証して合理的なものにする必要があります。
深い内省と勇気ある挑戦が必要な作業であるため、1人で難しい場合はコーチングを受講するとよいでしょう。
この対処法が有効な主な原因
・原因①:行動する意味を見失う
・原因②:心身のエネルギーが不足する
・原因③:行動することに恐怖が生じている
・原因⑤:モチベーションが低いことにメリットがある
準備中:コーチングとは
対処法⑤:希望を見つける
「今よりもうまくできそうだ」と感じることは、モチベーションの回復に役立ちます。
そのような希望を見つけるためには、次の3つの方法が挙げられます。
- 仮説を構築する:これを試してみたい
- 新しい方法を知る:この方法ならうまくいくかも
- 自身の課題を明確にする:この課題をクリアすれば次に進めるはずだ
この対処法が有効な主な原因
・原因②:心身のエネルギーが不足する
・原因③:行動することに恐怖が生じている
準備中:問題解決の基本
モチベーション高く仕事の目標を達成するためのツール
ここでは、仕事におけるモチベーション維持に役立つツールをお伝えしていきます。
ツール①:書籍
理想の仕事像や理想の人物像に関連する書籍は、モチベーションを上げることに役立ちます。
「悲しんでいる人を救いたい」という気持ちで仕事を始めたのならば、悲しんでいる人を救う物語を読むといった具合です。
モチベーションを上げることが目的なので、フィクションでもノンフィクションでも問題ありません。
「これを読むと私もがんばりたいと感じる!」と体感できる書籍を1つ探してみてください。
ツール②:モチベーション動画
モチベーションが上がる動画とは、次のようなものを指します。
- 高揚感が生じる動画や音楽
- 過去の決意を思い出せる動画や音楽
この音楽を聞いたらなんだか元気になる。この動画を見たら私もがんばろうと思う。
そんな動画や音楽を見る習慣をつけることは、モチベーションを補充することに役立ちます。
効果的にモチベーションを上げるためにも、次の工程をモチベーション動画を見る習慣にしてみてください。
- 作業前にモチベーション動画を見る
- 自分のなかにある高揚感を実感する
- 作業をする目的や目標を思い出す
- 作業が目的や目標にどうつながっているのかをイメージする
- 「この作業は意味ある行動だ」と認識できたら作業を始める
準備中:習慣化の方法
ツール③:コーチング
コーチングとは、対話により本質的な自己変容を引き起こし、目標の達成と自己成長を促す支援技術です。
コーチングでは、次のような思考や感情によって生じる問題の解消に役立ちます。
- できるけどやりたくないこと
- どちらを選べばよいか決められないこと
モチベーションが上がるような思考をするためには、多角的に物事を捉えられるようになることが重要です。
コーチングによって異なる視点や思考で問題と向き合うことで、新たな気づきを得ることができ、モチベーションが上がる思考方法への自己理解が深められるでしょう。
準備中:目標達成にコーチングが有効な5つの理由
モチベーションに関する注意点
モチベーションを上げることも重要ですが、いくつかの注意点があります。
ここでは、モチベーションを上げるときに気をつけたいポイントについてお伝えしていきます。
注意点①:モチベーションに依存してはならない
モチベーションを上げることで行動への抵抗感が弱まりますが、モチベーションが低い状態でも行動できるようになることを目指しましょう。
モチベーションとは気分とほぼ同義であり、常にモチベーションが高い状態を維持することは困難であるためです。
ちょっとした嫌なことや不運によって、短期的ですが簡単にモチベーションは低下してしまいます。
目的や目標を安定して達成するためにも、次の2つのことを身につけてください。
- モチベーションを高い状態を維持するための工夫
- モチベーションに振り回されずに行動する仕組みやスキル
準備中:継続する方法
注意点②:モチベーションが低い=やりたくないではない
「モチベーションが上がらないことは、やりたくないことなんだ」と捉えてしまう人がいます。
たとえば、「ゲームは楽しいからやりたいことで、勉強や仕事は楽しくないからやりたくないことだ」といったケースです。
しかし、ゲームや旅行のような消費行動とは異なり、仕事や勉学のような生産行動は実行するだけで楽しめるものではありません。
楽しむためには多角的な解釈が必要だったり、報酬感を得るまでに時間を多く要したりするためです。
困難な目的や目標には、かならずモチベーションが上がらない工程が存在します。
そのときに「やりたくない」「向いていない」と捉えずに、「いつか楽しめる日が来るはずだ」と希望を持ちながら目の前の工程と向き合ってみてください。
まとめ
仕事におけるモチベーションを上げるには次のことが求められます。
- 多くの報酬感を得る機会を作ること
- 行動への抵抗感を減らすための工夫や成長をすること
- 目標や行動に対して「重要である・緊急である・できると思える」という感覚を持つこと
モチベーションを上げる方法論は多く存在しますが、自分の傾向と課題を知ることこそが最も重要です。
方法論の実践だけでは場当たり的な対策になりやすく、根本的な対策になりません。
モチベーションを上げたいならば、自分の多面性をよく知り、自分を使いこなせるようになりましょう