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意味づけ力の培う方法とは?無意味感を手放すための3つの方針

意味づけ力とは、出来事や経験に意味や価値を見出す力のことです。

この意味づけ力が高い人ほど、些細な出来事にも重要な意味や価値を見出せて、より粘り強くなり、人生を楽しめるようになります。

この記事では、意味づけ力を培う方法についてお伝えしていきます。

淡々とした日常に彩りを得たいときは、現実を変えるだけではなく、ぜひこの意味づけ力にも注目してみてください。

目次
  1. 意味づけ力とは
  2. 意味づけの善し悪し
  3. 意味づけにおける重要な3つの対象
  4. 意味づけ力を培う3つの方針
  5. コンディションを整える方法5選
  6. 視野を広げる方法5選
  7. 視点を増やす方法5選
  8. 意味づけ力を培うためのおすすめ手順
  9. 意味づけ力を高める自己投資5選
  10. ネガティブな意味づけを促す原因5選
  11. 意味づけ力を培うときの注意点5選
  12. 意味づけ力が低い個人事業主の問題ケース
  13. まとめ

意味づけ力とは

意味づけ力とは解釈の下位概念であり、意味や価値を見出す能力のことです。

たとえばマラソンで中間地点にたどり着いたとき、意味づけの仕方は人によって次のように異なります。

また、学生時代の勉強に対しても、次のように意味づけは変わるでしょう。

このように、結果や行動をどのように捉えるのかが意味づけです。

意味づけが変わると、同じ出来事でも得られる報酬感と損失感の大きさが変わります。

ストレスを感じやすい人は、意味づけを変えることで粘り強さが生まれる可能性があります。

例.高い意味づけ力のメリット
・目標達成:目標を重要で価値あるものとして捉えられる、過程を楽しめる
・心が安定する:ポジティブ思考になる
・成長の原動力になる:モチベーションが高まる、成長を楽しめる
・人間関係が円滑化する:相手の長所を見れる、関係性を客観的に捉えられる

意味づけの善し悪し

善し悪しを決める判断基準は、その意味づけによる影響です。

目標達成をしたいときは、目標達成行動が促されるような意味づけがよいものとして判断できます。

よい意味づけをするには、自分のときめきポイントとストレスポイントを把握することが大切です。

ときめきポイントと結びついた意味づけでは、報酬感が大きくなるような解釈になります。

ただし、「〇〇は△△と捉えるべきだ」という意味づけは存在しません。

意味づけの良し悪しとは、個々人によって異なるためです。

自分に適した意味づけを見つけるためには、実際にその意味づけで行動をして、どのような影響があるのかを確かめる必要があります。

例.「失敗は成功のもと」という失敗への意味づけ
・Aさん:失敗を恐れなくなり行動量が増える
・Bさん:失敗を軽視するようになり無謀な挑戦が増える
・Cさん:失敗をすることが目的になりわざと遠回りをする

意味づけにおける重要な3つの対象

ここでは、人生に影響を与えやすい意味づけの3つの対象についてお伝えしていきます。

意味づけを見直すときは、まずはこの3つの対象から始めることをおすすめします。

対象①:経験への意味づけ

経験への意味づけとは、結果の過程にどのような意味や価値を見出すかということです。

たとえば、次のようなことへの意味づけは、経験への意味づけに含まれやすいです。

経験への意味づけは、よく次の2つの結論が使われます。

経験に対する意味づけ力が高い人ほど、その経験をすることに前向きになり、主体的な態度に変わります。

行動に対してネガティブな解釈をしている場合は、経験への意味づけを見直してみてください。

対象②:結果への意味づけ

結果への意味づけとは、出来事にどのような意味や価値を見出すかということです。

たとえば、次のようなことへの意味づけは、結果への意味づけに含まれやすいです。

結果への意味づけは、よく次の2つの結論が使われます。

結果への意味づけ力が高い人ほど、どのような結果も次に活かせる糧として解釈します。

悲観しすぎることがなくなり、被る精神的ダメージも小さくなるためです。

対象③:関係性への意味づけ

関係性への意味づけとは、他者からの評価や人間関係にどのような意味や価値を見出すかということです。

たとえば、次のようなことへの意味づけは、関係性への意味づけに含まれやすいです。

関係性への意味づけは、よく次の3つの結論が使われます。

関係性への意味づけ力が高い人ほど、人との関わりに消耗しづらくなり、関係を構築・維持することへの積極性が増します。

他者に対しての恐れが小さくなるとともに、大切な他者を認識できるようになるためです。

例.私の中の相手像・役割像・世界像
・相手像:Aさんはめんどくさがりだ
・役割像:上司は部下の面倒を見るべきだ
・世界像:低学歴はがんばってもお金持ちになれない

意味づけ力を培う3つの方針

ここでは、意味づけ力を培うための方針についてお伝えしていきます。

人によって向き不向きがあるため、それぞれの方針をお試しください。

方針①:コンディションを整える

どのような意味づけをするかは、そのときどきのコンディションに影響されます。

たとえばイライラしているときは、物事を悲観的に捉えやすくなるということです。

ポジティブな意味づけをするには、まずは元気な状態を維持する必要があります。

現在のコンディションが悪い場合は、コンディションを整える方法からお試しください。

方針②:視野を広げる

視野が広いほど、より多くの意味づけが可能になります。

たとえば「勉強は無意味」という意味づけも、視野が広いと次のように変えられるでしょう。

視野が狭いほど1つのことしか考えられなくなり、それ以外の意味や価値を検討できなくなります。

良し悪しの根拠が短絡的である場合は、視野を広げることが有効になりそうです。

方針③:視点を増やす

視野と似た概念に、視点があります。

視点の数が多いほど、物事を多角的に捉えられるようになります。

たとえば「勉強は無意味」という意味づけも、視点が多いと次のように変えられるでしょう。

自分ごととして捉えると全体像が見えなくなり、深刻に考えすぎてしまいます。

他の視点を持つことにより客観的に価値や意味を見直せれば、新しい解釈を得られます。

コンディションを整える方法5選

ここでは、意味づけ力を培うためにコンディションを整える方法をお伝えしていきます。

体調①:元気になる

まずは、心身ともにエネルギッシュになる状態を整えましょう。

具体的には、次の2つの状態のことを目指します。

規則正しい生活とストレス解消をおこなうことで、前向きに物事を捉えられる土台ができあがります。

何よりも優先度が高い施策なので、ここから見直してみてください。

準備中:元気になる方法

体調②:希望を持つ

前向きな意味づけをおこなうためには、前方となる希望が見えていなければなりません。

夢や目標などの希望があることで、「困難な問題=立ち塞がる試練」として解釈できるようになるためです。

ただし、希望を持つためには、次の2つの注意点があります。

ただ漠然と「幸せになりたいな」という感覚は、希望ではありません。

希望を持つときは、いつまでにどんなことを達成して、どんな状態になっていたいのかを言語化してみましょう。

準備中:目標の設定方法

体調③:新しい体験をする

新しい体験により脳をリセットすることで、新たな意味づけをする余地が生まれます。

新鮮な体験ではクリエイティブ性を発揮しやすい状態になり、いつもとは異なるパターンの意味づけをおこなえるようになるためです。

ここでいう新しい体験とは、未知の体験のことを指しているわけではありません。

普段とは別のことを意図的におこなうことであり、次のような気分転換でも十分です。

とはいえ、仕事場から離れれば離れるほど、よりリラックスできるのも事実です。

固執している意味づけを手放したいときは、スマホを置いてどこか遠出をしてみるのもありでしょう。

準備中:仕事におけるやらされている感の解消方法

体調④:テンションを上げる

テンションが上がると、前向きな意味づけをしやすくなります。

これは心理学ではランチョンテクニックと呼ばれており、ドーパミンやセロトニンが分泌されると、その影響で思考もポジティブになるという人間傾向があるからです。

たとえば、次のような経験は多くの人があるのではないでしょうか。

ネガティブな意味づけをおこなっているときは、くよくよ悩む前にまずはテンションを上げてみるのも1つの手です。

特に思考の無限ループに陥っているときは、この方法をお試しください。

準備中:悩む時間を減らすには

体調⑤:ストレス耐性を高める

意味づけ力を培うには、ストレス耐性を高めるという対策が有効です。

ネガティブな意味づけの原因への抵抗感がなくなれば、意味づけがポジティブなものに転換しやすくなるためです。

ストレス耐性を高めるには、次の方法が挙げられます。

もっとも手軽なのは、行動を続けてストレスに慣れることです。

たとえば1時間の勉強が辛いならば、6時間の勉強をして「1時間の勉強は大して疲れない」と理解する具合です。

「それぐらい大丈夫なんだ」と安心感を得られれば、新しい意味づけをする余地が生まれます。

例.失敗耐性をつける
・慣れる:何度も失敗を繰り返して「大丈夫」を取りに行く
・内省と検証:失敗を恐れる理由を明確にして「その理由は本当か」確かめる
・マインドフルネス:失敗が怖いと感じてもその感情を受け入れて流して今に再び意識を集中する

準備中:精神的な成長を遂げる5ステップ

視野を広げる方法5選

ここでは、意味づけ力を培うために視野を広げる方法をお伝えしていきます。

視野①:自認する

自認するとは、自分の意味づけを把握するということです。

私たちは自動思考による意味づけによって、欲求や衝動が起き、感情が生じます。

たとえば、「点数が低いから数学は嫌い」という感覚には、次のような意味づけが隠されています。

おこなった意味づけを自認することで、「ネガティブ感情が生じる原因」が分かり、新たな意味づけの方向性に目星がつきます。

「嫌い」「失敗」などの漠然とした結論を導いているときは、自分がおこなっている意味づけを言語化してみてください。

例.自動思考を促す口癖
冒頭にくる言葉は、その後の思考の方向性を決めやすい。
・ネガティブな方向性:しかし、でも、ん~
・ポジティブな方向性:たしかに、そっか、なるほど

準備中:内省の方法

視野②:例外を挙げる

1つの意見が確実に正しいということは、そう多くありません。

特に意味づけの分野においては、ほぼゼロと言っていいでしょう。

このことからどのような意味づけも、「大方はその通りかもしれないが、例外はある」ということが分かります。

例.厳しい父親への意味づけと例外
・今の意味づけ:父親は頑固で厳しい最悪な親だ
・今の意味づけへの例外:父親は本当に困ったときには優しくなる人間味のある親だ

例外を挙げるには、次の方法が考えられます。

1つの意味づけしか考えられないときは、「それは100%の真実なのか」と疑ってみてください。

「100%の真実ではない」と判断できるのであれば、その例外分の視野を広げることで、新しい意味づけが生まれる余地があります。

視野③:未来を見渡す

今ある問題は、未来を見渡すことで大きさや性質が変化します。

出来事には、次のような時間軸で変わる側面があるためです。

視野が狭い状態では、短期的な利益と損失ばかりに注目して意味づけをおこないます。

長期的な影響にまで視野を広げられれば、今とは異なるモノの見方ができるようになるでしょう。

未来を見渡したい場合は、次のような問いかけを自問自答してみてください。

例.「学生時代にもっと勉強しておけばよかった」
このよく聞くセリフは、長期的な利益と損失を軽視、または見失っていたことへの後悔によって生まれる。
・短期×利益:テストの成績が少し上がる
・短期×損失:自由時間の6割が消える
・長期×利益:年収の高い会社に入社して子供を作る余裕を得られる
・長期×損失:お金がなく未来に希望を持てない状態になる

準備中:延長線上の未来を描く方法

視野④:原点に立ち戻る

私たちは行動を始めるとき、何かしらの理由を持っています。

これを動機と呼び、「行動できる」を「実行する」に転換するために必要な架け橋です。

しかし、行動を続けていると、当初持っていた動機を段々と見失っていくものです。

無意味感や損失感を強く抱くようになり、意味づけもネガティブなものになっていくでしょう。

ネガティブな意味づけになったら、それをおこなおうと思った動機を思い出してみてください。

もしもその動機が生きているのであれば、再びポジティブな意味づけを取り戻せる可能性があります。

その動機がもう役に立たないならば、新しい動機を探す必要があるかもしれません。

準備中:価値観の見つけ方

視野⑤:他者への影響を調べる

出来事はすべて、自分だけではなく他者にも影響します。

たとえば自分にとっては大きな失敗でも、他者からしたら「それは失敗につながるのか」という教訓を得られる出来事かもしれません。

自分の損得だけではなく、他者の損得にまで視野を広げられれば、また違った意味づけが生まれる可能性があります。

例.仕事をすること
・自分の得:お金をもらえる、スキルが上がる
・自分の損:時間がなくなる、疲弊する
・他者の得:仕事が楽になる、参考になる
・他者の損:仕事がなくなる、競争相手が増える

意味づけをポジティブなものに転換するためには、「これは誰のためにもなるのか」と自問自答してみてください。

納得できる答えが得られれば、その行動への報酬感が大きくなり粘り強さが生まる可能性があります。

例.目標達成
自分以外も得するような目標は、達成する意味や価値が何倍にも大きく感じられる。
・自分の得:収入が増えて家計がラクになる
・子供の得:大学進学の費用に負い目を感じなくなる
・パートナーの得:家族との思い出を作れるようになる

準備中:挑戦過程の楽しみ方

視点を増やす方法5選

ここでは、意味づけ力を培うために視点を増やす方法をお伝えしていきます。

視点①:相手になりきる

「相手のことを考えなさい」と、幼少期に教わった人は多いでしょう。

これは相手の視点を想像して、その目線から物事をとらえ直すことを教えようとしたセリフです。

たとえば、「プレゼン発表」では、目線の違いによって以下のように捉え方が変わります。

私たちは自分の視点だけ、もしくは思い込みによる他人の目線で意味づけをおこないがちです。

その結果、極端に悲観的な意味づけになり、客観的には「ダメージを負いすぎ」と認識されます。

相手の視点を持っている気になっていても、実際には単なる被害妄想かもしれません。

新たな意味づけをするためにも、決めつけている相手の視点を分析と検証をしてみてください。

準備中:評価されるのが怖い

視点②:他人になりきる

特定の相手ではなく、第三者という視点もあります。

観客や世間など、顔も名前も見知らぬ人の視点です。

この視点から物事をとらえ直すことで、いつもとは異なる意味づけが生まれます。

プライドや損失に対する思い込みや認知バイアスが取り除けて、フラットな視点で物事を見られるようになるためです。

簡単に他人の視点を取り入れるためには、自分と同じ状況の人を観察してみるとよいでしょう。

または、友達が今の自分と同じ状況である場合を想定することで、客観的な意味づけができるようになります。

★セルフコンパッション
第三者の視点から今の自分にアドバイスをするというテクニックのこと。
ネガティブ状態から切り替えるときに有効です。
・自分目線:セールスに失敗した、私には営業のセンスがない
・成功者目線:誰もが初心者から始まる。100回失敗してから嘆こうよ

準備中:自責思考をやめるには

視点③:書き手になりきる

人生とは1つの物語です。

その物語を作っているのは自分であり、自分とは人生の書き手であるとも言えます。

書き手の視点を取り入れることで、些細なことにも意味を見出せるようになります。

すべての困難は物語を前に進めるための布石であり、波乱万丈さは物語を面白くするためのスパイスになるからです。

ネガティブな意味づけに苦しんでいるときは、書き手の意図を考えてみてください。

何の布石なのかを検討することで、困難や悲壮感はそれ以外の意味が生まれます。

準備中:理想の人生

視点④:もう1人の自分になりきる

人は多面的であり、さまざまな側面の自分が存在します。

たとえば勉強をするときは、次のような自分による葛藤が生じるでしょう。

この葛藤を生み出している自分を見つけて、それぞれの視点を取り入れることで、新しい意味づけが生まれます。

意識しないと、もっとも声が大きい自分の視点だけを取り入れて、葛藤を正確に感知できずに判断してしまうためです。

ネガティブな意味づけをしているとき、小さな声でつぶやいているポジティブな意味づけの自分を見つけてみてください。

ポジティブな意味づけをおこなっている自分の視点を得られれば、納得できる肯定的な解釈が可能になります。

準備中:自己受容の方法

視点⑤:異なる時系列の自分になりきる

同じ人物でも、時系列ごとにものの見方は変わるものです。

たとえば仕事に関しても、学生時代と今とでは全く意味づけが異なるのではないでしょうか。

過去の自分の視点を取り入れれば、希望や憧れといった意味づけがなされやすくなります。

未来の自分の視点を取り入れれば、達観やうらやましさなどの意味づけがされやすいでしょう。

ネガティブな意味づけに陥ったときは、ポジティブな意味づけができそうな時系列の自分の視点で捉え直してみてください。

未来の自分視点が難しい場合は、理想の未来とその真逆の未来を描いてみることをおすすめします。

例.仕事が楽しくない
・過去の自分:仕事をすればスキルアップできるし、自由に遊べるし最高じゃん
・今の自分:この仕事ではスキルアップは難しいし、遊ぶ時間も少ない
・課題:自分にとっての楽しさとは成長と自由さを感じられること。これを得るための行動をしよう

準備中:理想の描き方

意味づけ力を培うためのおすすめ手順

ここでは、意味づけ力を培うための手順についてお伝えしていきます。

ネガティブな意味づけを変換したいときは、この手順をおこなってみてください。

手順①:自分の思考を言語化する

まずは、自分がおこなっている意味づけを言語化していきます。

その出来事に対して「意味がない」と考えている理由を検討してみてください。

例.母親の手伝い
・結論:親の手伝いは意味がない
・理由:手伝ってもお小遣いをもらえないから、これは母親の役割だから

手順②:現実と解釈を分ける

現在の意味づけを言語化したら、それを現実と解釈に分けていきます。

意味づけを変えるには、現実を新たに再解釈する必要があるためです。

どこまでが解釈なのかが明確になっていないと、今ある意味づけを手放すことが難しくなります。

例.上司に叱られた
・現実:上司は大声で私の仕事ぶりを叱った
・解釈:上司は私のことが嫌いだから怒鳴ったのだ

手順③:解釈を促す思い込みを見つける

現実と解釈に分類したら、その解釈を促す思い込みを見つけていきます。

思い込みを見つけることで、「それは100%の真実ではない」と自分の意味づけを客観視できるようになるためです。

よくある思い込みには、次のものが挙げられます。

思い込みに気づくためには、次の2つの方法が有効です。

手順④:都合を考える

今ある意味づけへの理解を深めたら、自分にとっての都合を考えていきます。

都合とは、次のような意味づけによる意見や結論のことです。

直感的な意見や結論ではなく、本当はどうあったほうが都合がよいのかを考えてみてください。

意味づけ力とは真理を探すことではなく、都合のよい方向に価値を見出すスキルだからです。

例.勉強へのモチベーション
・直感:勉強したくない
・都合:勉強したいと思いたい

手順⑤:都合を肯定する解釈を検討する

都合が明確になったら、その都合を肯定する解釈を検討します。

たとえば、次のような意味づけを探すということです。

都合を肯定するための解釈を検討するには、次の3つの方法をおすすめします。

例.筋肉トレーニングへの意味づけ
・否定的な意味づけ:筋トレは疲れるしめんどくさい
・成功者:筋肉が疲れたのではなく喜んでいる
・自分のパターン:健康になれると思えばやる気が湧いてくる
・意味づけの例外:この継続は先延ばし癖の克服になるしコスパがよい

準備中:強みと弱みの関係性

手順⑥:行動して経験を振り返る

新しい意味づけを見つけたら、その意味づけの検証作業をおこないます。

行動・結果・関係性などに、その意味づけがどのような影響を及ぼすのかを確かめてみてください。

もしも新しい意味づけが合わないのであれば、次の3つの方向性が挙げられます。

準備中:振り返りの方法

意味づけ力を高める自己投資5選

ここでは、意味づけ力を高めるための自己投資についてお伝えしていきます。

1人で悶々と考えるよりも早く能力が向上するため、ぜひお試しください。

投資①:日記

もっともお金のかからない自己投資の1つは、日記を書くことです。

1日の振り返りをおこなうことで、自分の解釈パターンを把握することができ、自分に合った意味づけ方法を見つけやすくなるでしょう。

意味づけ力を高めるために日記を書くときは、次の3つのフェーズが重要になります。

  1. ありのままの想いを記述するフェーズ:何が起きてどう感じたのか
  2. 記述内容を客観的に分析・検証するフェーズ:現実と解釈の分類、解釈の検証
  3. 新しい意味づけの仮説を構築するフェーズ:どんな意味づけが可能か

★リフレーミング
リフレーミングとは、物事や出来事を別の視点から捉え直すテクニックのこと。
リフレーミングのために日記を記述することで、意味づけ力が向上する。

準備中:習慣化の方法

投資②:読書

コスパが最も優れた自己投資先は、本を読むことです。

著者の多くは何かしらの成功を収めた人であり、その成功者の視点をインプットできます。

「こういう見方をすればいいのか」と新しい気づきが生まれやすく、意味づけの幅を広げられるでしょう。

準備中:面倒くさいの克服方法

投資③:コーチング

コーチングとは、理想や目標の達成過程を支援する技術です。

良質で対等な関係による対話によって深い内省を促し、本当の想いや理由、そのために必要な行動を探していきます。

意味づけ力では、自分の解釈を言語化して客観的に見直すことが重要です。

また、新しい解釈の検証と振り返りなど、長期的な試行錯誤が欠かせません。

もしも変わる決意をしても現状維持に流されてしまう場合は、コーチングによるサポートを受けてみるとよいでしょう。

準備中:コーチングとは

投資④:ティーチング

ティーチングとは、知識の共有や指導などによる支援技術です。

先生と生徒の関係であり、自分とは異なる意味づけを知るために有効な自己投資になります。

個人事業主の場合は、コンサル系の情報商材がティーチングに該当するでしょう。

ティーチングを受けるときに必要な要件は、次の2つです。

絶対に正しい教えが存在しない以上、先生の教えを信じたいと思える気持ちが大切になります。

ティーチングを受けるときは、どんな情報が欲しいのかとともに、その先生を信頼できるかを検討してみてください。

準備中:コンサルとコーチの違い

投資⑤:ワークショップ

ワークショップとは、参加者が主体的な活動を求められる体験型の講座です。

他者の考えを知る機会になるため、自分とは異なる解釈を見つけるきっかけになります。

コーチングやティーチングよりも低価格である場合が多く、手の出しやすい自己投資先だといえます。

ネガティブな意味づけを促す原因5選

ここでは、ネガティブな意味づけを促しやすい原因についてお伝えしていきます。

自分の意味づけを言語化するときの参考になれば幸いです。

原因①:自尊心

自尊心とは、プライドのことです。

自尊心に振り回されやすい人は周りからの評価に敏感であり、高評価されることを目的にした意味づけになりやすいです。

自尊心を目的にした意味づけは、人生を楽しむことではなく誇りを守ることだけに執着させます。

低評価されることを恐れて無理して頑張り、たとえ自尊心が向上する結果になっても幸福感は持続しません。

過程を楽しめなくなり結果に一喜一憂してしまうというような、白黒思考や結果主義傾向も増長させます。

自尊心を手放した意味づけにするには、次の2つの方法が有効です。

まずは誇らしさや安心感ではなく、楽しさをヒントに自分の本心を探してみてください。

楽しいという感情を引き出すような意味づけを模索することで、行動からも報酬感が得られるようになります。

★セルフハンディキャップ
セルフハンディキャップとは、失敗しても傷つかないように、自分自身に不利な条件を付ける行為です。
自尊心に振り回される人が好みやすく、次のような行為がセルフハンディキャップとして挙げられます。
・勝率の低い勝負しかしない
・簡単な挑戦は嫌うがみんなが失敗する挑戦には本気になれる
・本当はテスト勉強をしたのにテスト勉強をしてこなかったと友達に伝える

準備中:二極化思考の改善方法

原因②:他者比較

他者比較による意味づけは、次のような一貫性のない解釈をもたらします。

意味や価値を判断する基準が「他者」になり、「その他者と比べたら私は…」という条件付きの解釈になるためです。

役立つ比較もありますが、他者比較によるポジティブな意味づけは長続きしません。

自分の価値観を見失って勝ち負けにこだわるようになり、自尊心を保つための苦しい努力や保守的な選択をおこなうようになるでしょう。

他者比較による意味づけを変えるには、他者とは関係ない部分で自分を満たすための解釈を見つけることが必要です。

準備中:他人と比較する癖をやめる方法

原因③:誤った幻想

誤った幻想とは、現実性に欠ける思い込みのことです。

たとえば、次のような誤った幻想が挙げられます。

誤った幻想を持っていると、現実離れしたポジティブな結果を期待してしまいます。

その結果を意味づけの基準にするため、常に満たされない感覚を生み出すでしょう。

誤った幻想を見つけるには、ネガティブな意味づけに隠れた期待を見つけてみてください。

隠れた期待の妥当性を検証することで、誤った幻想を手放して新しい意味づけをする余地が生まれます。

原因④:短期的な都合

時間割引という認知バイアスにより、短期的な利益や損失を優先する傾向があります。

その結果、短期的な利益や損失を優先する意味づけを優先しやすくなり、長期的にはネガティブな行動を促してしまいます。

★時間割引
「長期的な利益や損失」よりも「短期的な利益や損失」を高く評価する認知バイアス。
・10年後の高収入よりも今の3時間の自由時間を優先しやすい
・1年後100円もらうより今100円もらうほうが価値を感じやすい

短期的な都合に振り回されないためには、短期的な報酬や損失と折り合いをつける必要があります。

まずは短期的な報酬と損失を洗い出して、ネガティブな意味づけをするボトルネックを探してみてください。

短期的な都合と長期的な都合が一致するようにそのボトルネックを再解釈できれば、抵抗感の小さな意味づけができあがります。

準備中:現状維持は悪いのか

原因⑤:自己効力感の低さ

自己効力感とは、「自分なら達成や成功できるだろう」という感覚です。

自己効力感が低いと、次のような無意味感が生じる意味づけをおこなってしまいます。

自己効力感を高めるためには、次の2つの工夫が有効です。

よくあるパターンとして、自己像への期待が高すぎるケースがあります。

たとえば「大した努力をせずとも簡単に成功するはずだ」という期待により、常に裏切られた気分になり自己効力感が低下するという具合です。

このパターンへの対策には、期待している自己像を明確にして、行動と結果の棚卸しをしてみてください。

本当に才能がないことが問題ではないということを認識することで、自己効力感が高まって前向きな意味づけができる余地が生まれます。

準備中:自己効力感の高め方

意味づけ力を培うときの注意点5選

ここでは、意味づけ力を培うときの注意点についてお伝えしていきます。

意味づけを転換する際は、ここにある注意点を押さえるようにしてください。

注意点①:体感を重視する

意味づけは解釈ですが、頭のなかだけで完結するものではありません。

実際の体感が不足していると、元の意味づけに戻ってしまうためです。

新しい意味づけを自分のものにするためには、「体感=インパクト×回数」という公式が重要になります。

体感が大きいほど昔の意味づけを手放せるため、新たな意味づけをもとに行動と振り返りをするようにしましょう。

準備中:自分との約束を守る方法

注意点②:柔軟な姿勢を持つ

意味づけ力を培うには、多くの意味づけを吸収して引き出しを増やすことが重要です。

解釈にたった1つの正解は存在せず、状況や都合によって使い分けられることが肝心なためです。

しかし、今持っている意味づけ以外はどうしても否定したくなります。

そうでもしないと自分の意味づけを否定された気になり、自尊心が低下することを予測するからです。

例.他者の意味づけを否定するよくある傾向
・べき論:こうあるべきという決めつけ
・白黒思考:正しいか間違っているかの偏った考え方

さまざまな意味づけを受け入れられるような柔軟な姿勢を持つためにも、正しさを手放してみてください。

「世界における正しさ」ではなく「1つの意見」として捉えることで、他者の意味づけを受け入れる余地が生まれます。

注意点③:定期的に更新する

自分にとって重要な報酬感は、時間の経過や役割の変化によって変動します。

若いころは「自由さ」が重要な報酬感であっても、60代では「貢献」のほうが魅力的に感じる可能性があるということです。

にもかかわらず昔と変わらない意味づけをしていると、段々と報酬感が小さくなりストレスばかりが大きくなってしまいます。

★報酬感が生じやすい意味づけ
自分の強みや価値観に結びつくような意味づけであるほど、報酬感が強まりやすい。
・「自由さ」という価値観がある人は、「新規性」を認識することが報酬になる
・「親密性」という強みが上位の人は、「達成」よりも「他者との関係性」が報酬になる

行動や結果から報酬感が得られなくなったら、まずは意味づけの更新をおこなってみてください。

意味づけの更新をして報酬感が得られないときは、行動や結果を変える機会なのかもしれません。

注意点④:楽天的ではなく楽観的になる

ポジティブな意味づけをするには、深刻になりすぎない態度が重要になります。

「失敗したら人生が終わってしまう」という深刻な場面では、成功と失敗以外の意味が排除されてしまうためです。

「失敗しても大丈夫」という余裕があるからこそ、すべての経験や結果に意味が生まれます。

★ポジティブな意味づけ
ポジティブな意味づけの土台は「次につながる」という希望的な解釈。
次が存在しないと考えると、「得られるもの」を見失う。
・得られるもの:教訓、成長、関係性、仮説、新たな機会など

ただし、この余裕は楽天的ではなく楽観的でなければなりません。

楽天的な態度では、些細なネガティブな出来事で大きな傷を負いやすくなるためです。

楽観的になるためには、目先にある損失や失敗と向き合い、適切に評価する必要があります。

人生全体の視点から評価することで、1つの損失や失敗に振り回されない余裕が生まれるでしょう。

準備中:楽観的と楽天的の違いとは

注意点⑤:ネガティブな自分を受け入れる

意味づけ力を培うには、ネガティブな解釈をしている今の自分を受け入れる必要があります。

その自分を否定してしまうと、新しい意味づけへの抵抗感が残り続けてしまうためです。

ネガティブな意味づけをする自分を受け入れるには、その解釈をする理由と折り合いをつけることが重要です。

折り合いをつけるためにも、次の2つの方法を試してみてください。

例.「働かずに遊びたい」という欲求と折り合いをつける
・働く意味:自分の時間を浪費する行為
・検証する:働くと遊べなくなるのかを確かめる、遊びたい内容と時間を明確化する
・優先順位:働きながら遊ぶ計画を立てる

準備中:否定的な目標は悪いのか

意味づけ力が低い個人事業主の問題ケース

ここでは、意味づけ力が低い個人事業主が陥りがちな問題についてお伝えしていきます。

ここで紹介するケースに遭遇している場合は、意味づけを見直してみると突破口が見えてくるかもしれません。

ケース①:無駄なことをしたくない

個人事業主は、自ら戦略を採用して実行していかなければなりません。

そのため、結果主義や効率主義になりやすく、確実な成功と無駄のないタスクを求めるようになります。

つまり、失敗や結果までの過程に意味づけができなくなるということです。

この思考になると、次の2つを理由に行動量が低下します。

「無駄なことをしたくない」と焦燥感を抱いたら、それは本当に無駄なのかを検討してみてください。

次につながる糧になると再解釈することで、目先の行動を楽しみながら計画を進められるようになります。

準備中:効率思考は悪いのか

ケース②:仕事へのモチベーションが低い

個人事業主は会社員と異なり、自分で事業の舵取りをします。

その舵取りの方向性は、具体的には次の3つに分類されるでしょう。

しかし、仕事への意味づけによっては、「生活できるレベルに小さくしよう」と考えてしまいます。

働く意味を見出せないと、働くことが単なる損失とだけしか捉えられないようになるためです。

例.報酬が小さくなりがちな働く意味
・働く=お金を得るための手段
・働く=世間体を保つための手段

働く意味を見出すには、次の2つの方法が有効です。

お金を得ることが嬉しい人もいるでしょうが、そうでない人にとっては「お金のために働くこと」に意味や価値を感じません。

働くことにポジティブな意味づけをするためにも、自分の喜びポイントと結びつけた意味づけを模索してみてください。

準備中:お金のブロックの外し方

ケース③:他人に搾取されている気になる

個人事業主は、横のつながりを作って情報共有する機会がよくあります。

情報や人脈は事業に欠かせないリソースであるためです。

これらを得るためには、自らが貢献をすることが欠かせません。

しかし、次のような感覚により、貢献することへの抵抗感が強まってしまいます。

他人に搾取されている気になったら、貢献することへの意味づけを検討してみてください。

「貢献することは本当に無意味で自分が不利になる行為なのか」を検討することで、貢献への抵抗感が小さくなるはずです。

例.貢献への意味づけ
・無意味になりやすい:貢献とは相手から見返りを得るための手段
・意味を感じやすい:貢献とは教えるスキルを伸ばすための手段

準備中:教わる態度

まとめ

意味づけ力を培うためには、コンディションを整え、視野を広げ、視点を多く持つ必要があります。

また、今あるネガティブな意味づけ理由と折り合いをつけ、抵抗感を和らげることも重要です。

経験や行動、結果、関係性に無意味感を感じるときは、意味づけを見直してみてください。

自分の糧になると感じられる意味を見出すことで、行動力と粘り強さが生まれて、理想の実現や目標達成の道のりを楽しめるようになるでしょう。

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