個人事業やスモールビジネスをするとき、初期に躓く壁が「情報収集」です。
やりたいことはあってもその方法が分からないために、多くの人が立ち止まってしまいます。
この記事では、個人事業を前進するための基本的な情報収集についてお伝えしていきます。
情報不足によって苦戦しているときは、ここで紹介する方法を取り入れてみてください。
情報不足により個人事業で行き詰るケース
情報不足で行き詰るケースは、主に次の3つです。
- 誇張表現に騙される→自己投資に失敗する
- 同じパターンしか試さない→視野が狭まる
- 「分からない」で立ち止まる→行動が止まる
ここでは、それぞれのケースについてお伝えしていきます。
ケース①:誇張表現に騙される
個人事業主がスキルアップをするためには、自己投資することが最も効率的な手段になります。
会社とは異なり、個人事業主は上司から無償で教われないためです。
- 会社員:上司の労力と時間を会社が支払う
- 事業主:他者の労力と時間を自分が支払う
しかし、自己投資のための商品の多くは、誇張表現によるセールスやマーケティングが蔓延しています。
「スキル無しでも3ヶ月で月100万円稼げる!」というようなキャッチフレーズは、誰もが見たことがあるでしょう。
自己投資をするときはこの誇張表現を見抜き、自分に適した商品を買わなければなりません。
例.よくあるキャッチフレーズ
・1日5分で腹筋が割れる
・簡単に権利収入を得られて隠居生活
・スキル無しで簡単に100万円GETできる
一見簡単そうに見えますが、厄介なことに稼ぐ系のキャッチフレーズはあながち間違っていないのです。
マーケティングスキルを身につければどんな商品でも売れるため、短期間で大金を稼げます。
だからこそ、その業界に対しての知識が乏しいときは、「マーケティングさえ学べば稼げるようになる」と誤解してこのような商材に手を出してしまいます。
この誇張表現に振り回されずに自分に適した商品を購入するには、「何を買うべきか」を調べられるようになることが必要です。
自分のもつ課題によっては、「稼ぐ方法」というパッケージ化された商品よりも、「習慣化改善」のような課題ごとの商品のほうが適していることもあるためです。
- 単体商品:1つの課題を解決するための商品
- パッケージ商品:複数の課題を解決できる商品
自己投資をするときは、経営者らしく投資対象を選別するようにしてください。
その選別をするためにも、情報を集めて自分に適した投資先を見つけられるようになりましょう。
準備中:成長を加速するための自己投資先とは
ケース②:同じパターンしか試さない
異なる結果を求めるなら、いつもとは異なる行動を試してみなければなりません。
行動と結果には、ある程度の因果関係があるためです。
しかし、異なる行動の引き出しが少ないと、次の二択になってしまいます。
- 行動を止める
- 同じ行動を続ける
異なる行動をするには、そのためのアイデアが必要です。
凝り固まった視野を広げて、自分の思い込みに気づき、新しい仮説を立てられる情報が得られることで、そのアイデアは生まれます。
1つのパターンに固執しているなら、視野を広げるための情報を集めてみてください。
この類の情報収集をするときは、正誤で判断するのではなく、「そういう見方もあるのか」と情報を一旦受け止める態度が重要です。
正しい・間違っているという論理的思考ではなく、興味関心を最大限生かすことで、視野が広がり新たなアイデアが生まれやすくなります。
準備中:視野を広げる5つの習慣
ケース③:「分からない」で立ち止まる
目標達成を目指すとき、誰もが何かしら課題にぶつかります。
初期における最大の課題は、次のような「分からないからできない」の壁です。
- 商品を作る方法が分からない
- どんな情報発信をすればいいのかが分からない
- フォロワーを1000人に増やす方法が分からない
この課題に遭遇すると多くの人は、永遠と自分の頭で悩みつづけて、不安や恐怖の感情に支配されます。
しかし「分かるための行動」をおこなわないため、いつまで経ってもこの課題を解消できずに不快な感情によるストレスばかりが溜まっていくでしょう。
この壁を突破するには、「分からないからできない」を「やるかやらないか」の問題に置き換えることが重要です。
試せそうなものを見つけて、1つずつ試していく態度が解決のカギになります。
- やるかやらないかの問題:仮説を試してみたい
- 分からないからできないの問題:成功する方法を見つけたい
「分からない」で立ち止まったら、試してみたい仮説を見つけるための情報収集をおこなってください。
ただし、このストレスフルな状態は「ラクになること」を基準にしてしまいやすいことに注意しましょう。
一発逆転の大勝負をしたり、夢や目標を諦めたりなどの選択を促さないためにも、PDCAをまわすための自分なりのマインドを構築することが必要です。
準備中:問題解決の基本
騙されないための情報収集の種類
ここでは、自己投資の失敗確率を下げるための情報収集の種類についてお伝えしていきます。
見破る①:根拠を確認する
興味惹かれる商品を見つけたら、その商品の根拠を確認してみてください。
根拠とは「なぜそれが正しいと言えるのか」を示すものであり、たとえば次のものが挙げられます。
- 論理:どういう理屈で成功するのかの理屈
- 口コミ:紹介されているお客様の声、他者が発信している商品情報
- 出典情報:論文、統計データ
個人事業に対するコンサルの商品は、ほとんどが論文や統計などの情報に基づいていないため、口コミがその商品の正当性を確認するための主な根拠になります。
しかし、紹介されている商品の口コミはたいていが上振れデータの外れ値です。
その商品を買って大成功を収めた全体の1%程度の声であり、残りの99%はブラックボックスに隠れています。
もちろん口コミがゼロよりはマシですが、紹介されている口コミは販促の一環であり、あまり当てにしないように注意してください。
セミナーに出席したりメルマガに登録したりして「どういう理屈で成功するのか」が判明したら、その理屈で成功するのかを他の成功者に尋ねてみるのも1つの手です。
尋ねても論理を教えてもらえない場合は、その商品の購入は見送ることをおすすめします。
見破る②:発信者を確認する
自己投資商品を取り扱っている人は、マーケティングのためにSNSを活用しています。
そのSNSの投稿内容や交流相手を確認することで、次のことが分かるでしょう。
- 何の専門家なのか:ダイエット、マーケティング、コーチング
- どんな実績があるのか:提供人数、口コミ、交友関係、経歴、過去の問題行動
- どんな性格や性質なのか:温厚、ドライ、売上第一主義
ただし、優れたマーケターであるほど、他者からの見え方を徹底します。
「なんかよさそうな人」だからといって、かならずしもそうだとは限りません。
あくまでも判断材料の1つだと捉えて、発信者情報を信じすぎないようにしてください。
見破る③:一般傾向を確認する
気になった商品が見つかったら、同じ課題を取り扱っている他の人の商品も確認してみてください。
複数の商品を分析することで、次の3つのことが分かるためです。
- 一般的な費用:ふつうはどのぐらいの値段で売られているのか
- 一般的な解決方法:他にはどんな解決方法があるのか
- 一般的な解決期間:ふつうはどのぐらいで成功するのか
ここでの目的は、一般的な感覚を養い、妥当な内容かを識別できるようになることです。
たとえば、「1日でマイナス5kg減」という商品があっても、誰もがそれを詐欺商品であると認識できるでしょう。
「1日では脂肪は5kgも燃焼されない」という一般常識を知っており、その情報から剥離した内容だから間違っていると識別できるからです。
同様に、詐欺か否かを見分けるには、一般的にはどうなのかを知っていることが欠かせません。
これでは画期的な商品は買えませんが、もしもな商品であれば人気が出るはずなので、人気が出た後に購入することをおすすめします。
見破る④:ビジネス課題を確認する
あらかじめ自分の課題について認識することも、自己投資に失敗しないための対策になります。
自己投資商品を売っている人たちはセールスのプロであり、「あなたにはこの商品がぴったりだ」とあの手この手で提案してくるためです。
提案を聞いていると「そうかもしれない」と思うようになり、自分の課題とは関係ない商品を買って後悔することがよく起きます。
また、自分の課題を認識していないと、パッケージ商品を買う原因にもなります。
大は小を兼ねると考えて、必要ない情報が大部分を占める高額商品を買ってしまうのです。
しかし、パッケージ商品はパッケージの全体像を説明する商品がほとんどで、1つ当たりの項目の内容量が不足している傾向があります。
必要な情報は含まれていても、「具体的にどうすればいいのか」までの情報は金額に見合っていないと感じやすいです。
自己投資に失敗しないためにも、まずは自分の課題を明らかにするための情報を集めてみてください。
「だから私はうまくいかないんだ」と分かったら、不足した情報やスキルを補うための自己投資先を探しましょう。
準備中:360度フィードバックとは
見破る⑤:セールスまでの流れを確認する
自己投資商品は、売るまでの導線というものが存在します。
導線の流れは、主に次のようなイメージです。
- 認知:SNSでの情報発信
- 教育:低額商品の販売、ステップメール、コミュニティ
- 販売:高額商品の販売
ここで重要なのは、「低額商品→高額商品」の流れです。
低額商品とはセミナーや無料相談、小さな悩み解決ツールなどであり、そこで信頼を高めて購買意欲を促すためのセールスが始まります。
そのため、低額商品を購入するときは、セールスされるという認識を持つようにしてください。
何の覚悟も持たずにセールスを受けると、お得感や危機感によって必要ないと分かっていても購入してしまいやすいためです。
自分に必要か否かをしっかりと見極めるためにも、「自分の課題に役立つか」を軸に説明を受けるようにしましょう。
ちなみに、セールスの仕方によってその人のプロ意識がある程度分かります。
次のようなセールスをされたら、その人の商品は買わないほうがよいかもしれません。
- 他者を下げる:他は詐欺商品ばかりでうちだけがちゃんとしている
- 無暗に褒める:あなたはすごいです、センスがあります
- 危機感を強く煽る:このままだと破滅しますよ
- その場で購入させたがる:この場で契約しないと損しますよ、自分1人で決めるべきです
- 具体的な内容を説明しない:購入したら方法を教えます
- 人や課題に興味を持たない:この方法を使えば誰もが稼げます
ただし、高額商品につなげる必要があるため、低額商品にはものすごく力を入れる傾向にあります。
セールスされることが怖いからといって低額商品を買わないのではなく、セールスを断るスキルを身につけて低額商品を買えるほうが事業は前に進みやすいです。
★トキメク商品に出会ったら記録しよう
あまり興味はなかったけど、いざ商品を紹介されたら「欲しい」と感じるときがあります。
これは相手のマーケティングやセールスによる心理的な変化です。
ビジネスとして非常に参考になる例なので、記録して引き出しとして活用できるようになることをおすすめします。
・なぜその商品に興味を持たなかったのか
・なぜその商品に興味を持ったのか
・どの地点で商品が自分に必要だと感じたのか
・その商品を買うことへの抵抗感は何なのか
・何があったら私はその商品をすんなり買おうと思うのか
準備中:勇気を出す方法
引き出しを増やすための情報収集の種類
ここでは、視野を広げて引き出しを増やすための情報収集の種類についてお伝えしていきます。
引き出し①:SNS
今最もリアルタイムな情報が溢れている場所は、SNSです。
初心者から第一線で活躍している専門家までの幅広い層が情報発信しており、自分とは異なる視点がたくさん転がっています。
少しSNS巡回するだけでも、「へぇそうなんだ」と思える情報に遭遇できるでしょう。
ただし、SNSでの情報収集には次の4つの点に注意する必要があります。
- 時間が溶ける
- フェイクニュースが多く情報は玉石混淆
- 各界隈が存在し、界隈ごとに風潮が異なる
- 情報発信はあくまでその人の意見でしかない
SNSでは確定情報を得られないという前提が大切です。
偽情報であったり、その界隈だけの常識であったり、よくも悪くも極端な情報が多い傾向にあります。
あくまで視野を広げるための情報とだけ捉えて、情報をそのまま鵜呑みにしないようにしてください。
例.SNSで参考になりやすい投稿
・専門家の意見
・トレンド情報
・競合の発信内容
・ターゲットの悩み
準備中:情報発信が怖い理由
引き出し②:交流会
人との交流をする場では、次のような新しい発見と出会えます。
- 他者の考え方や視点
- 他の業界の一般常識
- 同じ業界の異なる方法論
自分とは異なる世界の話を聞けるため、今の自分の物の見方が当たり前ではないことに気づけるでしょう。
とはいえ、起業家や事業主の交流会は当たり外れが非常に激しいです。
宗教やマルチビジネスの勧誘活動をしている人も多いため、次の2つについて下調べしておくことをおすすめします。
- 参加したい交流会について:口コミ、過去の開催実績、主催者
- マルチビジネスの勧誘活動について:勧誘の流れ、団体名
準備中:評価されるのが怖い
引き出し③:イベント
企業や起業家、個人事業主が催しているイベントに参加するのもよいアイデアです。
新しい情報や他者の取り組み、イベントの開催方法を知れるため、自分の情報をプラッシュアップする機会になります。
★よくあるイベント
・展示会
・説明会
・セミナー
・ワークショップ
イベントの多くは認知、または教育が目的であるため、低価格で提供されています。
次のような方法でイベントを見つけたら、参加してみてはいかがでしょうか。
- 身近なイベント会場の情報を確認する
- 興味ある企業や個人事業主のメルマガに登録する
- イベントの仲介サイトを検索する(ココナラ、こくちーず、ウェビナーなど)
ただし、前述したようにこういったイベントはセールスがおこなわれます。
セールスをされる前提で、断る覚悟を持ってイベントに参加するようにしてください。
準備中:ロールモデルの見つけ方
引き出し④:書籍・新聞
一定の品質以上の情報を集めるなら、書籍や新聞などがおすすめです。
いずれも監修されているため、情報への信頼性はそれなりにあるためです。
すべての情報を鵜呑みにはできませんが、視野を広げる目的としては十分に役立つでしょう。
ただし、インターネットで公開されている無料書籍やニュース記事には、偽情報が交りやすい傾向があります。
こうした情報源を活用する際は、一次情報を調べたり、口コミを確認したりするようにしてください。
例.書籍の種類
・新書:初心者向けの内容(低価格)
・文庫本:小説、古典
・専門書:その道のプロ向けの内容(高価格)
・個人の電子書籍:個人で執筆から出版までおこなったもの。アマゾンや楽天なら誰でも出品できる。個人の解釈は強いが現場の意見として優秀
準備中:面倒くさいの克服方法
引き出し⑤:初めての場所に訪れる
事業とは全く関係ない場所に訪れると、次の3つの理由から視野が広がりアイデアが生まれ実行しやすくなります。
- 思考と行動の習慣が途切れるから
- 新しい体験から気づきを得られるから
- デフォルトモード・ネットワークに切り替わるから
★デフォルトモード・ネットワーク
記憶と深くかかわる特徴があり創造性を発揮させるのに必要な脳の状態
ボーっとしているときやリズム運動をしているとき、デフォルトモード・ネットワークに切り替わります。
そのため、30分程のウォーキングでも同様の効果が期待できますが、新しいパターンを試すために心機一転するには物足りないかもしれません。
固執している1つのパターンから抜け出すには、頭・体・心のすべてに余裕を持つ必要があるためです。
余裕を取り戻すためにも、初めての場所に訪れて余裕を失わせている原因から距離を取り、自分をリセットしてみてください。
自分の行動や考えを俯瞰できるほどの余裕が作れたら、新しいパターンを試せる可能性が生まれます。
準備中:理想のスケジュールの立て方
「分からない」から前進するための情報収集の種類
ここでは、解決策が分からない状態から抜け出すための情報収集の種類についてお伝えしていきます。
前進①:内省する
「分からない」と立ち止まっているとき、何が分かっていないのかが不明瞭なことがあります。
何が分かれば前進できるかが言語化されていないため、「分からない」と悩み行動が止まってしまうのです。
例.「掛け算が分からない」と悩む小学生の本当の問題
・問題の解き方が分からない
・怖い先生に質問する方法が分からない
・一瞬で天才になるための方法が分からない
・問題の解き方が分からないときの対処法が分からない
・これ以上難しい勉強をしたくないから分かりたくない
・勉強にイライラしたとしても向き合いつづける方法が分からない
「分からない」とは、期待したものが手に入れられないときに生じる感情です。
何をすべきかが分からないときは、次の3つのことについて内省してみることをおすすめします。
- 今持っている仮説を洗い出す
- 自分が期待しているものを言語化する
- 何が分かったら前進できるのかを言語化する
準備中:成功したくない原因と対処法
前進②:分析する
戦略や戦術が分からないなら、競合やロールモデルを分析して仮説を構築してみてください。
成功者や失敗者の方法や法則を見つけることで、今から何に取り組むべきかが見えてくるでしょう。
ただし、分析をする対象は、自分とリソースが似ている人でなければなりません。
今所有しているリソースによって有効な戦略が変わるため、まずは自分のリソースを棚卸しをしてみることをおすすめします。
準備中:計画の立て方
前進③:経験する
実際に体験をすることも、情報収集の1つです。
実戦での経験は本で学ぶよりも情報量が多く、次の3つの恩恵を得られます。
- 記憶に残りやすい
- より具体的に理解しやすい
- より具体的に理解すべきことが判明しやすい
「知る」と「できる」には大きなギャップがあり、その要因の1つは情報量です。
文字や映像による情報には、「できる」ために必要なそのときどきの考え方や感じ方など言語化が難しい部分が存在するからです。
「分からないからできない」と悩んだ時は、分からないなりに実行してみてください。
実行することでようやく、「何が分かればいいのか」が分かるようになります。
準備中:納得できないと先に進めない
前進④:他者に尋ねる
分からないときのもっとも効率的な手段は、分かっている人に尋ねることです。
「〇〇が分からないので教えてください」と質問することで、分析や実践するよりも早く解決策が見つかります。
「〇〇で困ったらAさんに尋ねる」というように頼る人リストを作っておけば、悩まずに前進できるようになるでしょう。
ただし、他者に尋ねるときは、尋ねるべき質問が厳選されていなければなりません。
「何も分からないから教えて」というように抽象的な質問では、どこから説明すべきか悩んでしまい教える気が削がれるためです。
自分で答えを見つけられなくても、どの答えを求めているのか程度は検討しておくことをおすすめします。
例.よく使う無料で他者に尋ねる方法
・SNSでつぶやく
・知り合いに尋ねる
・セミナー講師に尋ねる
・SNSで専門家にDMする
・モニターを実施して質問する
・アンケートサイトを活用する
・ライブ配信に参加して質問する(インスタ、FB、YouTubeなど)
準備中:教わる態度
前進⑤:自己投資する
指導やフィードバックによる情報収集も挙げられます。
基本的には有料の自己投資になりますが、先行く人からの質の高い情報を得られるでしょう。
- 指導:仮説(有効な方法論)を教わる
- フィードバック:自分の今の状態を教わる
内省や分析などの自分1人による情報収集は視野が狭まり、アクセスしやすい情報こそが重要なものだと捉えがちです。
しかし、専門家から客観的に指導してもらえれば、本当に重要なものとそうでないものを区別しながら効率的に情報を集められます。
自己投資による情報収集では、主に次の2つのタイプが存在します。
- 内的情報:コーチング、カウンセリング
- 外的情報:コンサル、情報商材、セミナー、スクール
予算に余裕があるならば、双方の自己投資をすることでぐっと早く前進できます。
予算が限られているならば、今の自分の重要課題に目星をつけてから自己投資先を選んでみてください。
準備中:コンサルとコーチの違い
情報収集をするときのポイント7選
ここでは、情報収集をするときのポイントについてお伝えしていきます。
漠然と情報収集をするといつまでも実行できなくなるため、ここで紹介するポイントを取り入れてみてください。
ポイント①:締切を設定する
情報収集をするときは、「いつまでに情報収集を終わらせるのか」という締切を設定しましょう。
情報は探せばいくらでも見つかるものであり、締切がないといつまで経っても情報収集のフェーズから抜け出せないためです。
締切効果を活用できれば、モチベーションが高まりより効率的に情報収集が捗るというメリットもあります。
期間が足りないときはさらに締切を伸ばせばよいだけなので、一旦の締切を設定してから情報収集に取り組んでみてください。
準備中:仕事におけるやらされている感の解消方法
ポイント②:目的を明確にする
情報収集をしていると調べることが楽しくなり、情報収集が目的になることがあります。
これを阻止するためには、あらかじめ次の2つの目的を明確にしておくことが有効です。
- なんのための情報収集なのか
- 何が分かれば情報収集を終えられるのか
目的なき情報収集には視野を広げられるというメリットがありますが、たいていは単なる時間と体力の浪費になります。
特にSNSのような「おすすめ」が表示される媒体での情報収集は、自分の好みが反映されるため視野を広げることも難しいでしょう。
目的をもって情報収集をするためにも、問いを先に作ってみてください。
その問いに答えるために必要な情報を集めることで、情報収集の生産性が高まります。
準備中:在宅ワークに集中するには
ポイント③:複数の種類から調べる
情報収集では、常に全体像を認識しておくことが大切です。
集められる情報には方法や媒体ごとに偏りがあり、視野が狭まる原因になるからです。
よくある失敗は、次のように直感的に1つのトピックだけを掘り下げることです。
- 模試の成績が悪い
- 数学の点数が一番低い
- 数学の参考書に取り組もう
この場合、模試の成績を良くするために「数学を改善すること」が有効なのかを確かめる必要があります。
また、数学の参考書に取り組むだけではなく、テストの受け方や勉強方法も学ばなければならないかもしれません。
本当に必要な情報を見落とすと、成果を得ることが難しくなります。
外から得られた情報や直感的な思考は鵜呑みにしやすいため、「局所的な情報である」と認識してさまざまな種類から情報を集めて全体像を確かめてください。
ポイント④:統計データに固執しない
集めた情報のリソースを確認することは、大切な作業の1つです。
誤った情報に踊らされないためにも、かならずリソースを確かめましょう。
しかし、「論文のような正式なデータがないならば信じない」という態度は、次の2つの理由から個人ビジネスでは改めたほうがよいかもしれません。
- 裏付けるデータがなくても有効なものは存在する
- 根拠のあるデータがあっても万人に有効という意味ではない
課題があるときは、「万人にとって正しい方法の実行」よりも「試行錯誤しながら自分にとって正しい方法を見つけ出す」ことの方が現実的です。
事実と意見の区別をつけながらも、どちらの情報も活用することを検討してみてください。
- 事実:日本の寺の数は7万8000カ寺
- 意見:日本は寺の数が多い
ポイント⑤:誤った自己効力感を捨てる
情報収集は、主に次の3つに分類できます。
- 自分で考える:内省、検討
- 物から取り入れる:書籍、動画
- 人から取り入れる:質問する、指導してもらう
このとき、人から取り入れる方法に抵抗感を示す人がいます。
「人から取り入れる情報収集は自分の力ではない」と考える人です。
しかし、特にビジネスで問われる自分の力とは、「すごいアイデアを出す能力」ではなく「成果を出す能力」のことです。
つまり、成果を出すために分からないことを人に尋ねられるスキルも、自分の能力として数えられるでしょう。
この自己効力感の概念を誤って認識していると、人に教わるたびに自尊心が低下してしまいます。
困難な挑戦になるほどスピードが低下してしまうため、誤った自己効力感の概念は捨ててしまうことをおすすめします。
準備中:アドバイスを受け取れない人の心理とは
ポイント⑥:魔法の杖を探してはならない
魔法の杖とは、この世に存在しない、または見つけることが困難な方法論のことです。
★よくある魔法の杖
・成功確率が100%の方法
・スキルゼロでも一瞬で問題解決できる方法
魔法の杖を探し出すと、いつまで経っても情報収集を終えられません。
「これでもない、あれでもない」と探しつづけ、ノウハウコレクターになってしまいます。
魔法の杖を諦めるためには、今ある手札で勝負する覚悟を決めることが重要になります。
魔法の杖を探していることに気づいたら、リスクある勝負に挑むための決断方法を検討してみてください。
準備中:決断を促す方法
ポイント⑦:信念や価値観を明らかにしておく
情報発信者に対する感情によって、情報への信じやすさが変わる性質があります。
これは次のような認知バイアスが原因です。
- ハロー効果:目立ちやすい特徴に引きづられる
- 確証バイアス:自分の意見を正当化する情報ばかりを探す
- 権威バイアス:権威者の意見は正しいと考える
これらの認知バイアスに振り回されると、誤った情報に踊らされる可能性が高まります。
特に詐欺商品の多くは権威バイアスを活用しているため、自分に不適切な高額な自己投資をする原因になるでしょう。
これらの認知バイアスを取り除くには、あらかじめ自分の傾向を理解しておくことが有効です。
自分が持つ信念や価値観などの、好き嫌いや信じやすさを決定する思考の癖を把握しておくことで、その情報を信じようとしている自分を俯瞰できるようになるためです。
とはいえ、自分の傾向をすぐに理解することはそう簡単ではありません。
まずは集めた情報に対して、次の2つの問いを自分に問いかけることから始めてみてください。
- なぜ私はこの情報を信じたいと思ったのだろうか
- なぜ私はこの情報を信じたくないと思ったのだろうか
準備中:自己正当化の直し方
よく使われる情報収集先の種類15選
- 自分(内省、分析、検討)
- 新聞(日経など)
- 書籍(新書、専門書、文庫本)
- SNS(インスタ、X、NOTE、アメブロ、youtube、Voicy)
- 口コミ(アフィリエイトに注意)
- テレビ(ニュース、バラエティ、ドキュメンタリー、映画)
- 自己投資(コンサル、情報商材、Brain、セミナー、スクール)
- オープンAI(ChatGPT,Gemini)
- WEBメディア
- ニュースアプリ
- インターネット(google,yahoo,bing)
- シンクタンク
- 業界団体の公開資料
- 公共機関の公開資料
- 民間調査会社による資料
まとめ
一口に情報収集と言っても、その目的にはさまざまなものがあります。
目的ごとに適した情報収集の種類は異なるため、まずは目的を明確にすることから始めてみてください。
また、人によって情報収集方法がある程度パターン化されています。
いつもとは異なるパターンで情報を集めることで、新しい気づきを得られる可能性が高まるでしょう。