2022年、専業・副業を含め、今やフリーランスで働く人が1.5千万人を超えました。
私もWebライターとしてフリーランスで7年ほど働いていますが、以前と比べて本当にこの働き方が身近になってきたなと実感しています。
しかし、私の周りを見渡していると、実際に稼ぎ続けている人は肌感覚として3割にも達していません。
さらにそのうちの8割ほどは自転車操業のような忙しい日々を送っており、将来に不安を抱いている人が多い印象を受けました。
そこで今回の記事では、フリーランス人生の設計迷子にならないために、フリーランスの稼ぎ方の全体像を紹介していきます。
以下のことで悩んでいる方は、ぜひとも一読してみてください。
- フリーランスの稼ぎ方がわからない
- 今後のフリーランス活動にトキメキがない
- 現在フリーランスだが1年前と収入が変わらない
出典:https://www.lancers.co.jp/news/pr/21013/
フリーランスの3つの稼ぎ方
フリーランスとは、ざっくりいえば社員としてではなく事業主として会社や他の事業主からの仕事を請ける個人のことを指します。
しかし、そのような働き方だけでは、フリーランスとして安定して稼ぎ続けることは難しく、稼げる額もすぐに上限に達してしまいます。
安定して、なおかつ大きく稼ぐには、以下の3つの働き方を理解して実行できるようになることが必要です。
稼ぎ方1:代行業
代行業とは、会社や他の事業主からが外注した仕事を請け負うことです。
たとえばブログ記事を量産したいA社が、フリーランスのSさんにブログ記事の作成を依頼する場合を指します。
元請けか下請けかに関わらず、次のようなその職業名にふさわしいスキルを活用する契約は、代行業に含まれます。
- Webライター
- プログラマー
- デザイナー
代行業はフリーランスの働き方としてもっとも一般的で、クラウドソーシングを活用すれば誰もが1ヵ月以内に売上を上げられます。
しかし、単価は業界ごとに異なり、下請けや孫請けだと収入を大きく伸ばせません。
いきなり契約を切られることもザラで、常に営業活動を続けなければならず、どれほどスキルが高い人でもコミュ障にはなかなかにしんどい働き方です。
以下の場合を除くと、代行業1本で家族を養うほどの稼ぎを得続けることは難しいと考えていたほうがよいでしょう。
- 自身の知名度が高い
- 強いパイプを持っている
- 需要のある高単価スキルがある
影ぎ方2:仲介業
仲介業とは、自分が引き受けた仕事を他のフリーランスに外注する働き方です。
たとえばブログ記事を量産したいA社からSさんが50本の依頼を請け負い、SさんはKさんやYさんにその記事作成を外注する働き方を指します。
自分で代行せずに仕事を捌けるため、大量に仕事を獲得できる人にとっては代行業以上の稼ぎを見込めるでしょう。
- 代行業:自分のスキルを活用して納品物を完成させる
- 仲介業:他者のスキルを活用して一定品質の納品物を完成させる
ただし、代行業には以下のように幅広いスキルが求められます。
- 営業スキル
- 外注先を探すスキル
- 外注先を管理・育成するスキル
低単価帯のフリーランス界隈では納期をすっぽかす人やフィードバックを無視する人も多く、結局自分で代行したほうが早いしラクという場面も少なくありません。
それでも、収入の多いフリーランスは、代行業と仲介業を併せておこなっている傾向があります。
マンパワーでは限界が訪れやすく、仕組みや外注先を洗練させていけば費用対効果が高まるためです。
稼ぎ方3:指導業
指導業とは、自分が培ったスキルやノウハウを他者に教える働き方です。
たとえばブログ記事を量産したいA社に対して、ブログ記事の実績を持つSさんがブログの書き方を教えるような働き方を指します。
多くの指導業では無形の高単価商品を作り、マーケティング活動によってその商品を売って稼ぎを得ます。
50万円の商品を年間10人に売れば、それだけで年商500万円になるので、ぐっと稼ぎが安定するでしょう。
しかし、指導業はコンサル屋とも呼ばれる働き方に近く、敬遠する人も少なくありません。
また、次のような代行業や仲介業とは毛色の異なるスキルが必要です。
- 商品設計
- マーケティング
- セールス
- アフターフォロー
指導業を始める場合はまた新たに自己投資をして、知識やスキルを身につける必要があります。
それでも高単価商品を作り、その売り方が分かれば、安定した収入になりやすく将来の不安も大きく軽減するでしょう。
フリーランスで年商1千万円を稼ぐためのロードマップ例
ここでは、スキルやノウハウを持っていない人が、年商1千万円を稼ぐためのロードマップについてお伝えしていきます。
第1目標:代行業で月商30万円稼ぐ
まずは自分の興味のある分野で、暮らしていける程度の収入を実際に稼ぎます。
たとえばWebライターなら、次のような条件が1つの目安になるでしょう。
- 文字単価1.5円
- 毎月20万文字分の案件獲得
費やせる時間と現在持っているスキルや人脈によって、フリーランスの代行業として稼げるまでの所要時間は大幅に異なります。
私の場合はこれらの目標が達成されるまで、専業フリーランスになってから約3ヵ月ほどかかりました。
もしも少しでも早く稼げるようになりたい場合は、スクールやコンサルを受講してみるとよいかもしれません。
第2目標:仲介業で月商50万円稼ぐ
自分のスキルで稼げるようになったら、仲介業で50万円の粗利を目指します。
たとえばWebライターなら、次のような条件が1つの目安になるでしょう。
- 文字単価2.5円(外注1.5円)
- 毎月50万文字分の案件獲得
- 50万文字分の案件を捌ける仕組みと人脈の獲得
複数の外注先との関係を持つことになるので、関係性ができあがるまでは代行業以上に忙しくなるはずです。
しかし少数精鋭のチームが確立されれば、1日3時間労働程度で、営業から納品までをおこなえるようになります。
納期をすっぽかされたときの尻拭いのような突発的なタスクは発生しますが、代行業のときよりも自由な時間を堪能できるようになるでしょう。
第3目標:指導業で年商400万円稼ぐ
効率的に稼げるようになったら、ここまでに培ったスキルやノウハウを商品化して、販売していきます。
個人で活動している人の場合はそもそも多売が難しいため、厚利少売を目指すのがおすすめです。
具体的には「中卒でも月商50万円をWebライターで稼ぐ方法」のような商品を作り、単価30万円の値段で年15人に提供することを目標にします。
第4目標:スキルアップに時間を費やす
上記の3つの目標が達成されれば、短い労働時間で1千万円ほどの売上が立ちます。
しかし、そこで満足していては、段々と衰退していきます。
指導業によってプライドが大きくなり、新しい挑戦への抵抗感が強まるためです。
現場の経験が少なくなり、商材の中身も通用しなくなり、いつしか詐欺師呼ばわりされる未来も十分にあり得ます。
このような衰退をしないためには、次の行動を続けることが重要です。
- インプットに時間を費やす
- 現場に出てスキルの練度を高める
また、同じような日々が続くようになり、日常に無意味感を抱くことがあります。
特にお金や周りから認められるために頑張ってきた人は、一度稼いでから止まることが多いです。
一度の成功で満足すると退屈な人生になってしまうので、定期的に自分と向き合い、目標を更新することをおすすめします。
フリーランスで稼ぎ続けるための5つのステップ
どのような稼ぎ方であろうと、5つのステップに分解できます。
慣れないうちは面倒くさいですが、守破離の「守」ですので、このステップを実行してみてください。
ステップ1:やってみたいことを見つける
「やりたいこと」ではなく「やってみたいこと」を見つけることが肝心です。
「やりたいこと」を見つけようとすると、自分の人生のすべてを捧げて成し遂げたいことや続けたい行動を探してしまいがちになるからです。
そのようなものは簡単に見つかるわけもないため、「やりたいことがないから何もしなくていいや」という発想になってしまいます。
- これやりたいかも?
- でも途中で飽きるかも、これに一生を費やすのはつまらない
- じゃあやりたいことではないな!
フリーランスで稼ぐときに必要なのは、自分の人生の意味ではなく、行動を促す動機です。
ちょっとでも興味関心を持てるなら、それで十分なのです。
やめることはいつでもできます。
やるかやらないかで悩むぐらいなら、試しに行動してから考えてみてください。
- これやりたいかも?
- とりあえずやってみよう!
- やったけど、違う気がする
- 次のことをやってみよう!
ステップ2:目標を設定する
やってみたいことを見つけたら、そのやってみたいことの具体的な目標を設定していきます。
おすすめは、以下のように半年後、1年後、3年後の目標をそれぞれ設定することです。
- 半年後:Webライターで月商30万円稼ぐ
- 1年後:Webライターで月商50万円稼ぐ
- 3年後:月商100万円稼ぎ、〇〇という雑誌で執筆している
遠い未来の目標を設定することで、次の2つのメリットが得られるからです。
- 途中で燃え尽きることを予防できる
- アンテナが立ってチャンスを見つけやすくなる
ちなみに、1度設定した目標を変更することは問題ありません。
目標はあくまで現在目指したい地点であり、達成しなければならないノルマではないためです。
もしも新たに向かいたい目標が見つかったならば、目指したい理由を考えて、その理由に納得できるなら目標を変更してください。
ステップ3:計画を策定する
目標を設定したら、目標を達成するための計画を立てていきます。
設定した目標にもよりますが、まずは半年後の目標を達成するための計画を立ててみてください。
たとえば「半年後:Webライターで月商30万円稼ぐ」という目標であれば、次のような計画になるかもしれません。
- 1ヵ月目:提案文を100本出す、記事を10本納品する
- 2ヵ月目:提案文を100本出す、記事を10本納品する
- 3ヵ月目:提案文を100本出す、記事を10本納品する、継続案系1件
- 4ヵ月目:提案文を100本出す、記事を15本納品する、継続案件2件
- 5ヵ月目:提案文を100本出す、記事を30本納品する、継続案件4件、価格交渉
- 6ヵ月目:提案文を100本出す、記事を40本納品する、継続案件5件、価格交渉
そしてこれらの月ごとの計画を週ごとに振り分ければ、目標達成のための計画ができあがります。
可能であれば、すでにその目標を達成している人に、立てた計画をチェックしてもらうとよいでしょう。
ステップ4:計画を実行する
計画を立てたら、その計画通りにひたすら行動していきます。
面倒くさい、怖い、不安などの感情が出てきますが、気持ちや思考を整理しながら着実に計画を実行していきましょう。
在宅ワーカーの場合は強制してくれる人や環境がないため、この実行のステップが最大の難所となります。
自宅では集中できないという人は、早めに自宅での作業を諦めて、コワーキングスペースに通ったほうがよいかもしれません。
ステップ5:計画を修正する
計画通りに行動しようとしても、たいていの場合は計画が遅れたり、思ったような成果が得られなかったりします。
そのとき、計画をリセットしたり白紙に戻したりするのではなく、一定期間ごとに行動と結果の分析・評価をおこなって計画の修正をしましょう。
自分1人では計画を妥当に分析・評価することが難しい場合は、すでにその目標を達成している人に相談してみてください。
また、計画の修正を根拠に自己否定せず、「計画と成果は仮説でしかなく、計画の遅れはスキル不足であるだけだ」と認識することをおすすめします。
フリーランスで働く際の3つの難関
フリーランスでは、会社員とは異なる難関が多くあります。
ここでは代表的なフリーランスの難関を3つ紹介していきます。
難関1:できる気がしない
できる気がしないとは、失敗するのが怖くて実行したくないという心境のことです。
たとえば、次のような未知の体験に伴う不安によって引き起こされます。
- 提案文が通る気がしない
- 価格交渉がうまくいく気がしない
- 私なんかがWebライターで30万円稼げる気がしない
会社員であれば「できる気がしない」と感じても、次の環境によってそれほど大きな障害にはなりません。
- 相談できる先輩や上司が身近にいる
- やらなければならない状況が作られている
しかしフリーランスの場合は上記の環境がないため、永遠に解決されずに立ち止まってしまうケースがよく起きます。
もしもできる気がしないと感じたのであれば、できる気がするには何が必要かを考えてみてください。
以下のような案をとにかく実行してみて、「できる気がしない行動に挑戦するための勇気」を養ってみましょう。
- 成功した人に聞く
- 失敗した人に聞く
- 匿名で行動してみるなど
- 安心できる場でスキルアップする
難関2:やる気がでない
やる気がでないとは、やればよいことが分かっているのに、その行動をしたいとは思えない心境のことです。
朝起きてから仕事を始めるのが面倒くさいと感じ、ネットサーフィンをしてしまうような状態を指します。
フリーランスは、やる気がでないという理由だけでどこまでも堕落してしまいます。
フリーランスは会社員とは異なり、次のようなやらないことを選択しやすい環境にいるためです。
- 頑張っても誰も褒めてくれない
- やらなくてもペナルティがない
- 進む方向も計画の進捗も自分だけで管理している
やる気に関して最も注意したいことは、「やる気を出さない」のではなく「やる気を出せない」という点です。
意志の力だけではやる気は出ないため、そもそも自分はやる気を出せる状態ではないのだと理解しなければなりません。
今やる気を出せないのであれば、「本気を出せばなんとなかる」という考えは幻想です。
やる気を出せない自分を受け入れて、その原因を見つけ出し、原因を解消するための行動を起こしてみてください。
- 不調だから
- 単に眠いから
- 簡単すぎるから
- 飽きてきたから
- 失敗するのが怖いから
- 今より忙しくなる未来が予測されるから
- お金を稼ぐ人は悪者だと感じてしまうから
- このままでは自分の望みを果たせないから
難関3:現状維持を望んでしまう
現状維持とは、新しい挑戦をしたいと思わない心境のことです。
たとえば、Webライターで月商50万円稼げているから、新しい挑戦をせずに来月も再来月もこのままでいいやと考える状態を指します。
フリーランスは会社員と異なり、自分で進む方向を決めなければなりません。
にもかかわらず、現状維持志向が強すぎると、支出を抑えた低収入を望むようになり、簡単に貧困状態へと転がり落ちてしまいます。
- がんばるの疲れたな
- 5万円あれば1か月暮らせる
- 余った時間はダラダラしよう
- スキルも実績もないまま時間が経ってしまった
- ただ生きているだけの人生。自分は何やっていたんだろう…
現状維持志向が強い人は、「どのような人生にしたいのか」を考える機会を積極的に設けてみてください。
人生を充実させるための可能性を考えることで、「やってみたいことはあるけど…」というように変化を望む思考が生じます。
あとは新しい挑戦を妨げている思考のブロックを解消すれば、「今のままでいいや」というラクをするための選択を手放すことができるでしょう。
https://www.hitobosi.com/keep-the-status-quo
フリーランスで稼ぎ続けるための3つの秘訣
一旦稼げたからと言って、そのままずっと稼ぎ続けられるわけではありません。
ここでは、フリーランスとして稼ぎ続けるために押さえておきたい3つの秘訣をお伝えしていきます。
秘訣1:目標を見つける
フリーランスとして稼ぎ続けるためには、常に目標を明確にしておくことが重要です。
フリーランスは個人事業主であり、自らでどの道を歩むかを決める必要があるためです。
目標がないと状態だと、次のような衝動的な人生を送ってしまいます。
- 将来の不安から過剰に仕事を引き受ける
- 今が苦しいからといって極端に仕事を減らす
また、自分で仕事を選んでいる感覚も薄れてくるため、自己決定感が損なわれて会社員時代よりも窮屈に感じてしまいます。
せっかくフリーランスになったのであれば、常に贅沢な目標を持ってみてください。
自分の意志に沿った経営者らしい目標が、フリーランスとして歩むことを継続するためには必要なのです。
- 今後どこを目指したいのか?
- どのように進んでいきたいのか?
秘訣2:環境を整える
フリーランスとして稼ぎ続けるためには、視座が高まるような環境に身を置くことが重要です。
私たちは他人や文化からの影響を受けやすく、「当たり前」が容易に書き換えられてしまうからです。
具体例.
・月商3万円で十分だと考える集団に属す
→本当は月商100万円を稼ぎたいけど恥ずかしいから隠さなきゃ
・がんばることを否定する集団に属す
→1日3時間労働にすべき!あとは節約すればいい!
・傷をなめ合う集団に属す
→やる気が出ないのだから仕方がない。みんなと同じペースで歩んでいこう
ラクな未来を選択しやすい環境というのは、心の安らぎを生みやすいですが、衰退の道にもつながっています。
自己肯定はすべきですが、前進することを妨げるような現状肯定は衰退の原因です。
フリーランスとして稼ぎ続けたいのであれば、稼ぐこと、向上することが「当たり前」の環境に自分を置くことをおすすめします。
秘訣3:成長するための自己投資をする
一旦稼げたからといってそこで満足していては、段々と次のような不幸な人生になっていきます。
- 退屈感を感じ続ける人生:毎日がつまらない
- 焦燥感を感じ続ける人生:周りに置いていかれている
「このままでいいのかな」「なんだかつまらないな」と考えるようになったら、それは変化をしたいサインかもしれません。
フリーランスが変化を起こすとき、もっとも手っ取り早いのが自己投資をすることです。
- 読書
- セミナーへの参加
- 興味がある分野に精通している先人に教わる
- 自分の本当の望みを見つけるためのコーチング
他者からの支援が少ないフリーランスでは、会社員時代以上に積極的に自己投資をして変化や成長のスピードを上げる必要があります。
何に自己投資すればいいのかが分からない場合は、これからの半年間でどんな変化を起こしたいのかという目標を検討してみてください。
このとき、「やりたいことはないから自己投資をしなくていいや」と考えやすいことに注意が必要です。
変化を積極的に起こすためにも、「何かしらの選択をしなければならない」という前提のもと目標を検討することをおすすめします。
現在の不満を書き出したり、うらやましいと思える相手を探したりすることも、目標の設定には役立つでしょう。
今後どうするか迷っているならコーチに相談しよう
フリーランスでしっかりと稼いでいくには、自分のビジネス人生を自分でデザインしていくことが重要です。
誰も指示を出してくれない状況では、目先の仕事をしているだけだと自転車操業のような働き方になりやすいためです。
「理想を描く力」と「理想を実現する力」がフリーランスとして稼ぎ続けるには欠かせません。
今後の自分の人生をどうデザインすべきか分からないと感じるならば、コーチングを受けてみることをおすすめします。
自分の未来をどうしたいのかを考え、その実現をするためのパートナーを持つことは、事業主人生を躍進する大きな支えになるでしょう。