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なぜ成功を怖いと感じる?純粋に成功を望むための6つのワーク

新しい挑戦をするとき、その挑戦を妨げる壁に「成功への恐れ」があります。

成功すると不都合が生じると感じて、失敗することへの動機づけが高まる現象です。

「がんばりたいのにがんばれない」と感じるときは、この成功への恐れが原因であることがよくあります。

この記事では、成功が怖いという感覚と向き合う方法についてお伝えしていきます。

成功への恐れに気づいたら、ここにある情報を参考にして自分の恐れと向き合ってみてください。

なぜ成功が怖いと感じるのか

成功が怖いと感じてしまうのは、成功すること、または目指すことで損失が生じると感じるからです。

複数の願望がトレードオフのような関係である場合、不安を感じて成功することを100%望めなくなります。

例.複数の願望
・会社を辞めたいけど、上司に怒られるのが怖い
・結婚したいけど、結婚したら自分の時間がなくなる
・お金を稼ぎたいけど、今よりも忙しくなるのは嫌だ

成功が怖いと感じたら、葛藤を引き起こしている願望をそれぞれ明確にすることが重要です。

どの願望を選ぶかを決断したり、新たな選択肢を作ったりすることで、葛藤が解消されて成功への恐怖は和らぎます。

準備中:決断を促す方法

成功への恐怖を解決する2つの方針

成功への恐怖を解消する方法は、2つの方針で分類できます。

ここでは、それぞれの方針についてお伝えしていきます。

方針①:本当の恐怖を取り除く

本当の恐怖を取り除くとは、成功することで生じる損失と折り合いをつけるということです。

「結婚したいけど、結婚したら自分の時間がなくなる」という場合、自分の時間がなくなることを本当に恐れているわけではないことがあります。

たとえば、次のような不安を分かりやすく、「自分の時間がなくなる」と表現している可能性があるのです。

  • ATMのように扱われること
  • 親のような生き方になること
  • 自分の人生を生きられなくなること
  • 夢を諦めなければならなくなること

本当の恐怖を取り除くときは、恐れを生み出している核心を見つけることが大切です。

ボトルネックとなる核心と折り合いを付けられれば、成功することへの恐怖は和らぎ、100%の力で前進できるようになります。

準備中:理想の描き方

方針②:成功に伴う苦痛に慣れる

苦痛に敏感すぎると、些細な成功の損失も受け入れられなくなります。

「すべてが欲しい、何も失いたくない」と考えるようになり、現状維持を好むようになるでしょう。

どれほど恐怖が和らいでも、損失をゼロにすることはできません。

どの選択をするにしてもモヤモヤは残りますし、どのような成功もかならず何かしらの変化が生じるためです。

挑戦は変化による苦痛がつきものであり、それを許容できる範囲が広いほど成功への恐れが小さくなります。

「成功による変化を味わったけど、それでも大丈夫だった」という成功体験を積むことで、許容できる範囲が広がります。

準備中:成功体験の作り方

成功への恐怖を生み出す原因6選

ここでは、成功への恐怖を生み出す主な原因についてお伝えしていきます。

成功することへの恐怖を検討するときの参考になれば幸いです。

原因①:より重くなる責任

挑戦に成功すると、たいていは新たなステージに進むことになって責任が重くなる傾向があります。

そして責任が重いほど束縛感やプレッシャーを生み出すため、その苦しさから成功への抵抗感が生じるようになるのです。

例.成功することで生じる責任の苦しさ
・出世するほど、1つの失敗による損失額が大きくなる
・子供を産みたいけど、子供を立派に育てられる気がしない
・テストで高得点を取ると、次回のテストも期待されるようになる

責任が重くなることへの不安がある場合は、その不安を検証することをおすすめします。

「親は子供を立派に育てなければならない」というような、勝手な思い込みである可能性があるためです。

成功することで増す責任は本当に存在するのかを確かめてみてください。

その責任は存在しないと分かったり、それほど大きな責任でないと分かったら、成功への恐怖は小さくなります。

準備中:完璧主義を手放す方法

原因②:環境や関係性の変化

挑戦に成功することで、環境が変わったり、他者との関係性が変わったりすることがあります。

たとえば「友達に嫉妬されるからテストで高得点を取りたくない」というのは、関係性が変わることへの恐れです。

現状が変わること、またはその変化を歓迎していないとき、成功したくないという気持ちが強くなります。

環境や関係性への変化が怖いと感じたときは、どんな変化が生じるのかを明らかにしてみてください。

そして、自分が何を優先して大切にしたいのかを検討することで、どのような行動を選ぶべきかが見えてきます。

準備中:勇気を出す方法

原因③:複雑で忙しくなる日常

成功するほど多忙感や困難感が増すことを予測しがちです。

「がんばればがんばるほど損をする」という感覚になり、これ以上大変にならないよう成功を回避しようとします。

例.成功するほど忙しくなる
・初級編に合格したら、次はもっと難しい中級編の勉強が始まる
・今でも忙しいのに、年商1千万円を目指したらもっと忙しくなるだろう

現状に分かりやすい危機感がない場合は、現状維持が最も得だと錯覚します。

そして成功する動機を失い、がんばる意欲が著しく低下してしまうのです。

次のステージに進むことへの不安に気づいたら、現状と次のステージの忙しさを比較することをおすすめします。

成功しても忙しさや苦しさはそれほど変わりないと気づけたら、前進を妨げるブレーキを緩められるでしょう。

準備中:仕事におけるやらされている感の解消方法

原因④:他者からの攻撃への怯え

成功することは目立つことであり、嫉妬され攻撃される対象になりやすいです。

「出る杭は打たれる」という言葉があるように、他者と異なる行動や結果は「出る杭」とみなされてしまいます。

しかし、この他者からの攻撃への怯えは本能的なものであり、「どのような」「どれほどの規模」の攻撃であるかは考慮されていません。

すべての攻撃を平等に怯えてしまい、客観的には些細な攻撃可能性しかなくとも挑戦や成功を回避しようとしてしまいます。

他者からの攻撃が怖いと感じたら、攻撃されることで起きる最悪の未来について検討してみてください。

挑戦する目的とその最悪の未来を天秤にかけて選ぶことで、その選択で生じる障害に反応しづらくなります。

準備中:評価されるのが怖い

原因⑤:理想の自分像から遠ざかる変化

私たちは言語化ができていなくとも、「こういう人間でありたい」という理想像があります。

たとえば、次のようなものです。

  • 子供に尊敬される父親でありたい
  • 子供を愛しつづけられる母親でありたい
  • 関わった人がすべて幸せになれるビジネスマンでありたい

成功をすることで理想の自分像から遠ざかると感じたとき、その変化に対して強い抵抗感が生じます。

「本当は自由でありたいのに、成功するとそうできなくなる」というような不安から、失敗することや行動を止めることを望むようになるのです。

成功することに嫌悪感を感じたら、成功後の自分をイメージしてみてください。

その自分に対しての嫌悪感であれば、本当はどうなりたいのかを明らかにして、成功することでそうなれないのかを検証することをおすすめします。

準備中:理想の自分像

原因⑥:成功を目指すことで生じるコスト

成功する過程が茨の道だと分かったら、成功への渇望が小さくなります。

「大変な苦労をするくらいなら、ほどよく失敗して言い訳を作りたい」と思うようになるでしょう。

成功を目指すことで生じるコストとは、労力やお金だけではありません。

失敗や他者からの批判など、むしろ精神的な苦痛の方がコストと感じやすくて成功を放棄しようとします。

「結果は欲しいけどがんばりたくないな」と感じたら、成功するための過程に注目してみてください。

この道を歩みたくないと感じさせるボトルネックと折り合いを付けられれば、成功への意欲が再燃します。

準備中:失敗の乗り越え方

成功への恐怖を和らげる6つのワーク

ここでは、成功への恐怖を和らげるためのワークについてお伝えしていきます。

成功が怖いと感じたら、ここで紹介するワークを一通りおこなってみてください。

ワーク①:小さく試す

成功への恐怖を生み出す原因に対して、検証作業をすることで抵抗感が和らぎます。

「成功しても最悪の未来は起きない」と確かめられることで、不安を消し去れるためです。

この検証作業をするときは、小さいことから試してください。

大きいことで試してしまうとリスクも大きくなり、トラウマが作られる可能性が高まります。

また、検証作業を終えたら、何が分かって次にどうすればいいのかを振り返るようにしましょう。

例.検証作業
・高得点取ったら嫌われるかを友達に尋ねてみる
・情報発信したら炎上するかを匿名アカウントで試してみる
・自分の時間がなくなるのかを確かめるために毎日10時間働いてみる
・責任が重いとどれほど辛いのかを確かめるために成功者を観察してみる

準備中:振り返りの方法

ワーク②:贅沢な目標設定

目指したい地点を修正することで、成功への恐怖が和らぐことがあります。

「その成功は嫌だ」を「その成功をしたい」へ転換することにより、目標達成への意欲が高まるためです。

目標を修正するときは、より贅沢な目標を設定しましょう。

トレードオフのように考えず、「なんでも叶うならどうしたいのか」を検討するのです。

贅沢な目標が設定できたら、あとはどの順番で達成していくのかを考えて実行してください。

例.贅沢な目標
・普通の目標→年収1千万円稼ぎたい(けど忙しくなりたくない)
・贅沢な目標→1日3h労働で年収1千万円稼ぐ
・目標の順番→①1千万円を稼ぐ、②1日3h労働に効率化する

準備中:目標の設定方法

ワーク③:マインドフルネス

1度考えたことであるならば、それ以降その不安について考えることは時間を浪費してパフォーマンスを低下させるだけの可能性が高いです。

しかし、私たちは過去や未来について無意識的に考えてしまうため、「考えない」のではなく「悩みつづけない」ことに焦点を当てましょう。

  • 過去:昔あったできごとについて考える
  • 未来:これから起こり得るできごとについて考える
  • 現在:目の前のやるべきことについて考える

同じことについて悩みつづけないためには、過去や未来への思考を現在に戻すスキルを高めることが有効です。

「もうそれは考えたこと」「また1ヵ月後に検討し直す」と割り切って目の前のタスクに集中することで、成功による恐怖に振り回されなくなります。

マインドフルネスを続けることは、現在に意識を戻すスキルを高めることに効果的なのでお試しください。

ワーク④:大切なものの断捨離

自分にとっての大切なものの優先順位をつけることで、成功から生じる損失を小さく見積れます。

直感的な恐怖は失うものすべてが対象であり、それがどれほど重要なものであるかが考慮されないためです。

たとえば、「友人に嫌われることが怖いからテストで高得点を目指さない」というケース。

果たしてそのような友人は大切な存在だと言えるのでしょうか。

嫌われるといじめられるのであればまだしも、もしも単に嫌われることだけを恐れているのなら検討の余地があるでしょう。

大切なものを断捨離するには、自分の価値観を知り、理想の未来を描くことが有効です。

すべてのものを大切にすることはできないなかで、自分は何を大切にしたいのかを考えてみてください。

準備中:価値観の見つけ方

ワーク⑤:未来の自分との文通

どのような恐怖も、主観的であるほど大きく感じるものです。

実施する直前はドキドキしていても、後から振り返ってみたら大したことなかったという経験は誰もが持っているのではないでしょうか。

主観で見る恐怖の大きさは当てにならず、ささいな問題でも過剰に怯えてしまう原因になります。

適切に恐怖を評価するためにも、客観視することを意識してみてください。

そのためには、未来の自分との文通をしてみることをおすすめします。

未来の自分宛ての手紙で今ある悩みを相談し、その未来の自分になったつもりで現在の自分に返信するのです。

未来の自分との文通を繰り返すことで、客観的に長期的視点で恐怖を見る習慣が身に付き、恐怖の大きさを適切に評価できるようになります。

準備中:不安や恐怖をエネルギーへと変える方法

ワーク⑥:延長線上のコストを明確にする

成功したくないという気持ちが強いほど、現状維持を望むようになります。

「何もしなければ変化は起きずに損失がゼロになる」と考えるためです。

しかし、現状維持をするにも労力はかかっており、機会損失をしている一面もあります。

「現状維持=損失ゼロ」というのは現状維持バイアスによる錯覚だといえるでしょう。

この現状維持バイアスを取り除くには、現状維持をすることで生じるコストを明らかにすることが有効です。

「成功するor現状維持」の葛藤があるときは、次の2つのことを比較してどの道を選びたいのかを客観的に判断してみてください。

  • 成功を目指すことで得られるものと失うもの
  • 延長線上を進むことで得られるものと失うもの

準備中:現状維持は悪いのか

1人での解決が難しいときは

成功への恐怖と向き合うには、客観的で深い内省と検証するための継続的な実行が必要です。

しかし、1人で向き合おうとしても、1つの思考パターンに執着したり、検証することを先延ばしにしてしまったりするでしょう。

ゲームでキャラクターの操作をするのとは異なり、自分のパターンを変えることはそう簡単ではありません。

もしも1人で解決が難しいと感じたら、コーチングやカウンセリングを受けてみてください。

どちらも内省と実行を支援してもらえるため、1人で試行錯誤するよりもこの悩みを早く解決できる可能性が高いです。

準備中:コーチングとは

個人事業主にありがちな成功への恐怖

ここでは、個人事業主が陥りがちな成功への恐怖についてお伝えしていきます。

ケース①:成功すると仕事が増える

「年商が上がるほど仕事量が増える」という信念を持つ個人事業主がいます。

売上と労力は比例しており、現在のことを続けながら新しいことを始めなければならないと考えているようなケースです。

しかし、実際は年商と仕事量は比例関係ではありません。

次のような工夫によって、自分の仕事量を増やさずに年商を上げられるためです。

  • 委託する
  • 単価を上げる
  • 仕組み化する

資金もある分、自分の苦手分野は他者に任せて得意に全振りできるようになります。

苦痛となる仕事量を減らせるため、むしろ仕事への意欲が高まる可能性もあるでしょう。

「稼ぐ→新しいことで稼ぐ→新しいことで稼ぐ」ではなく「稼ぐ→効率化→新しいことで稼ぐ→効率化」というサイクルを回すことが大切です。

まずは稼ぎ、その稼いだお金で効率化するための仕組みを作れれば、どれほど年商を増やしても仕事だけの人生になることを阻止できます。

準備中:成功や成長に欠かせないマインドとは

ケース②:成功すると仲間に嫉妬される

「成功することで仲間に嫉妬される」と不安を抱く個人事業主がいます。

この悩みはコミュニティに所属している人に多く、「嫉妬される=人生が終わる」というほどに強く恐れがちです。

しかし、たいていの人は嫉妬されることを恐れているのではありません。

次のような結果を恐れているのであり、まずは自分の恐れを言語化することが大切です。

  • 稼げるようになったら仲間外れにされるかもしれない
  • 嫉妬されて執拗なクレームをつけてくるかもしれない

仲間からの嫉妬が怖いときは、自分が大切にしたいものを明らかにして、恐れている未来が起きたらどうなるのかを検討してみてください。

恐れている未来の重大さと現実味を評価することで、仲間から嫉妬されるかもしれない未来と向き合うための方針を決められます。

準備中:成長環境の作り方

ケース③:成功するとATMとして認識される

本当の自分を誰も見てくれなくなることに不安を抱き、成功を回避しようとすることがあります。

たとえば次のように、「自分の価値=稼げる自分」だと認識されることを恐れるケースです。

  • 家族からはATMとして見られるようになるだろう
  • 仲間からは都合のいい相談相手として見られるようになるだろう

よりよい成果を出すほど、その結果ばかりを他者は評価してしまいます。

その人間の傾向を変えることは難しく、一朝一夕に解決する術はありません。

そのため、まずは「自分が相手を受け入れる」という関係性を築く基本の手順をおこなうことをおすすめします。

信頼関係が深まれば深まるほど、相手は自分を特別視するようになり、内側を見続けてくれるようになります。

また、評価できることが外側の成果しかないように相手からは見えているのかもしれません。

家族からATMのように見られるのは、稼ぐ以外で好評価される行動をしていないからという可能性があるということです。

他者からの認識に恐れを感じたら、「どのように見られるか」ではなく「どのように見られたいか」を検討してみてください。

「認識されたいありかた」を受け入れられるための努力をすることで、内側にある価値が認識されやすくなります。

ただし、「私もちゃんと育児をしている!」というように、認識されたいありかたを押しつけないように注意する必要があります。

準備中:アドバイスを受け取れない人の心理とは

まとめ

成功することで損失が生じると予測したとき、うまくいった未来が怖くなり成功を望めなくなります。

どっちに転んでも悪い未来になると考えるようになり、目標達成の過程を常に苦しいと感じるでしょう。

成功への恐怖を取り除くには、次の2つの方針が有効です。

  • 原因を取り除くこと
  • 苦痛に慣れることの

まずは何を恐れているのかを明らかにして、その恐れの現実味や重大さを検証してみてください。

恐れている未来よりも欲しい未来が見つかれば、成功を純粋に望めるようになります。