約束をすること、約束を守ることは誰かと関係性を築く上では欠かせない行為です。
好んで約束を違えようとする人なんてそうはいません。
にもかかわらず、どうして私たちはたびたび約束を破ってしまうのでしょうか。
ここでは、約束を守る確率を少しでも上げる方法についてお伝えしていきます。
言行一致が難しいときは、ここで紹介する方法を取り入れてみてください。
約束とは
約束とは、大きく分けて次の2つに分けられます。
- 他人との約束
- 自分との約束
他人との約束を優先しがちですが、本当は自分との約束こそを大切にしなければなりません。
ここでは、これらの約束がどう違うのかについてお伝えしていきます。
約束①:他人との約束
他人との約束とは、他人のニーズを優先するという取り決めです。
「〇〇してほしい」という相手の要求に応えるために、自分の行動に制約をかけます。
「他人との約束」と分類しましたが、実際は特定の誰かとの約束だけにとどまりません。
社会のルールや会社のルールのように、自分以外のニーズを優先する取り決めはすべて他人との約束に分類されます。
他人との約束を違えると、その相手との関係性がこじれます。
相手からの信用を失い、「ダメな人間だ」とレッテルを貼られ、その評判は同じコミュニティ内に広まって居場所を失うことにもつながるでしょう。
そのため、他人との約束を守ることは生きるために重要であり、生存本能的に違えることに危機感を持ちます。
約束②:自分との約束
自分との約束とは、自分のニーズを優先するという取り決めです。
「〇〇したい」という自分の要求に応えるために、自分の行動に制約をかけます。
「自分との約束」と分類しましたが、間接的には他人との約束も含まれます。
他人との約束に対して、「私はこの約束を守りたい」という意志があるならば、それは自分との約束になるからです。
自分との約束を違えると、自分との関係性がこじれます。
自己重要感や自己効力感、自己肯定感や自己受容などが低下して、自分を信じられなくなってしまうでしょう。
しかし、生きづらくなることは生存することに直接関係しないため、自分との約束は疎かにしやすい傾向があります。
準備中:自己受容の方法
約束③:自分との約束だけを守ればいい
結論から言うと、自分との約束だけを守ることをおすすめします。
他者との約束であっても、その約束を主体的に守りたいと思っていないのであれば、自分を大切にすることにつながらないためです。
自分の人生を幸福にするには、「自分のためである」という感覚を抱ける約束を優先することが大切です。
しかし、これは他人との約束を破っていい、疎かにしていいという話ではありません。
交えた約束を違えることは生きることを脅かす可能性があるため、1度交えた約束は守ったほうがよいでしょう。
だからこそ、「自分のためになるのか?」と内容を吟味してから約束することが重要になります。
下手に約束を破らないために、無用な約束をできるかぎり省き、約束の数を減らして1つ当たりの約束事に注ぐリソースを最大化するのです。
守れる約束の数はそれほど多くはないので、相手の損得ではなく自分のための約束をするようにしてみてください。
自分との約束を守る方法
ここでは、自分との約束を守るための基本的な手順をお伝えしていきます。
基本的な手順は、大きく分けると次の2つです。
- 約束するかを判断する
- 約束を守るために行動する
この2つの手順を、ここでは6つの手順に分けてお伝えしていきます。
手順①:自分軸を持つ
まずは、「自分にとって意味のある約束なのか」を判断するための評価基準を作ります。
この評価基準となる自分軸がないと次のような短絡的な判断を下しやすくなるので、最初におこなってください。
- 近くの報酬を重要視する:勉強せずにマンガを読む
- 他人のための約束をする:自分には得がないと思い込みながら行動する
自分軸を作るには、自分にとって重要なことを明確にする必要があります。
しかし、「短期的には重要に見えても、長期的にはデメリットが大きい」という類の重要なことも存在するため、長期的な視点から見て重要であることが大切です。
具体的には、次の2つのものが長期的に重要なことの指標になるでしょう。
- 自分にとっての理想:どんな未来を望んでいるか
- 優先順位の高い目標:どんな目標を達成したいか
上記の2つのいずれかに貢献する約束であれば、それは「自分にとって意味のある約束である」と判断できます。
自分を大切にすることは案外難しいので、「何があったら自分を大切にしたと言えるのか」という問いと徹底的に向き合ってみてください。
準備中:理想の描き方
手順②:約束の内容を吟味する
自分軸ができあがったら、約束の内容を吟味します。
約束の内容を多面的に観察することで、直感的には分からなかった重要性が見つかることがあるためです。
ここで確認したいことは、次の3つです。
- その約束を果たすことで私はどんな報酬を得られるのか
- その約束を果たすことで私はどんな危機を回避できるのか
- その約束を果たすことは今あるタスクよりも優先すべきなのか
自分にとっての理想や目標と照らし合わせて、この3つのことを吟味してみてください。
「行動をしたい・したくない」は一旦脇に置いておき、得られる結果だけを意識することがポイントです。
手順③:約束の成功基準を明らかにする
自分にとって意味がある約束だろうと納得できたら、その約束を自分は守れそうかを確かめていきます。
約束の遂行可能性を確かめるためには、次の2つのことを明確にしてみてください。
- 成功基準:何があったら約束を守れたといえるのか
- リソース:その約束に注げるお金/時間/スキル/人脈はどれほどあるか
一見するとリソースが足りない状況でも、工夫次第で約束を果たせることもあります。
「リソース不足=無理」と短絡的に判断せずに、「約束を守る方法があるとしたらどう工夫すべきか?」と自問自答することをおすすめします。
準備中:悩む時間を減らすには
手順④:約束の締切を設定する
「自分にとって重要であり、自分のリソースなら約束を守れそうだ」と判断できたら、約束の実行について具体的に考えていきます。
まずおこないたいことは、次の2つの締切を設定することです。
- 能動的締切:自分が決めた締切
- 受動的締切:計画を遅れさせないための締切
「時間があったらやる」「できる限り早くやる」という曖昧な約束では、実行力が低下するばかりか焦りや不安感が強まります。
ストレスフルな日常にもつながるので、「いつまでになにをすべきか」をかならず明確にするようにしてください。
準備中:計画を後ろ倒しにしないためには
手順⑤:約束を破るパターンの洗い出して対策を練る
失敗パターンを想定して対策を練ることで、約束を破る可能性を下げられます。
失敗パターンを想定するときは、次の2つの視点から洗い出してみてください。
- 自分特有の失敗パターン:サボり癖、先延ばし癖、根を詰めすぎるなど
- 約束内容特有の失敗パターン:強火だと焦げる、雑談のような会議など
自分特有の失敗パターンは、今までどんな失敗をおこなってきたかを振り返るとよいでしょう。
約束内容特有の失敗パターンは、すでにその約束内容を果たしたことがある人に尋ねたり、ハウツー本を読んだりすることをおすすめします。
準備中:失敗の乗り越え方
手順⑥:約束をする
「自分なら約束が守れそうだ」と判断できたら、約束を取り交わします。
その後は、実際に体を動かして約束を守りましょう。
とはいえ、納得した約束に絞ったとしても、実際の行動には感情的なブレーキがかかります。
「動きたいのに動けない」と感じている場合は、次のように内省をして自分の心と向き合ってみるようにしてみてください。
- 自分の本心はどこにあるのか?
- この経験と似た成功体験はあるのか?
- この経験と似た失敗体験はあるのか?
- 実行すると何が起きると思っているのか?
- 実行しないとどんなメリットがあると考えているのか?
準備中:実行力の高め方
自分との約束を守るコツ5選
ここでは、自分との約束を守るコツについてお伝えしていきます。
約束を遂行しやすくなるためのコツなので、上記の「自分との約束を守る方法」と一緒に取り入れてみてください。
コツ①:理想の自分像を把握する
取り交わした約束を反故にしようか悩んだら、理想の自分像を明確にしてみてください。
理想の自分像とは、「どういう自分でありたいのか」という目指したい自分のことです。
理想の自分像を明確にして思い出すことで、自分の行動を客観的に捉えられるようになり「自分らしくあれる行動」を選べるようになります。
理想の自分像は次の方法から見つけられるので、ぜひとも実施してみてはいかがでしょうか。
- 物語から見つける
- 理想から見つける
- 自分史から見つける
- 不満リストから見つける
- 価値リストから見つける
- 自分の遺書から見つける
- 自分のお葬式から見つける
- 最悪の未来からタイムスリップして見つける
準備中:理想の自分像
コツ②:約束を破ることの損失理解
約束を違えることによる損失への認識を改めることで、約束を守る重要性が高まります。
自分との約束を軽く扱っている場合は、それがどのような損失を生んでいるのかを今一度検討してみてください。
損失について考えるときは、直接的な結果だけではなく間接的な影響も視野に入れることが重要です。
絶対の真理を見つけようとするのではなく、「自分との約束は守ったほうがよい」という根拠を探しましょう。
自分との約束を破ることによる損失として、たとえば次のことが挙げられます。
- 自己効力感が低くなり挑戦意欲を失う
- 部下や子供の手本となる人間になれなくなる
- 「約束を守れない人間」というセルフイメージができあがる
準備中:精神的な成長を遂げる5ステップ
コツ③:有言実行の習慣を身につける
「私は自分との約束を守る人間だ」というセルフイメージが強まると、約束を守ることへの動機づけが高まり行動しやすくなります。
アイデンティティを維持するための行動は報酬感が得られやすく、主体的な行動欲求が生まれるためです。
「私は自分との約束を守る人間だ」というセルフイメージを強めるには、自分との約束を守ることに関する成功体験を積むことが有効です。
自分の意志で実施することを決め、その意志を尊重する行動を繰り返すことで、だんだんと自分を優先することに慣れていくでしょう。
セルフイメージには、インパクト、または継続が大切です。
いきなり大きな約束を果たそうすると失敗体験のリスクが生じるため、まずは自分との小さな約束を守ることをおすすめします。
ご飯を食べる、出社する、お風呂に入るなど、「普段からできていること」をこれから実行すると自分に約束をして守ることで、安全に約束を守るセルフイメージが強化されていきます。
準備中:習慣化の方法
コツ④:約束に関する振り返りをおこなう
自分との約束を守るというのは、一種のスキルとも捉えられます。
約束を取捨選択するスキルであり、自己マネジメントスキルや実行力のスキルでもあるでしょう。
自分との約束を初めからすべて守れる人は、いるわけがないのです。
つまり、約束を守るためには、そのために欠かせないスキルを上げることが重要になります。
具体的には、自分と約束をしたらどのような結果になっても、振り返りをおこなってみてください。
次のことについて振り返ることで、自分の強みや弱み、改善点などが明らかになり、徐々にですが約束を守るためのスキルが高まっていきます。
- どんな結果になったのか
- 約束のどの部分を守れたのか
- 約束を守れた理由は何か
- 次も同じように約束を守るにはどうすればいいか
- 約束のどの部分を守れなかったのか
- 約束を守れなかった理由は何か
- 違う結果になるために何をすればよさそうか
準備中:振り返りの方法
コツ⑤:約束を守りやすい条件を把握する
どれほど約束を吟味して対策を練ったとしても、約束を守るためには意志力が必要になります。
無意識的におこなっていない行動を、意図的に促そうとするのが約束だからです。
意志力を使うためには、まずは意志力を使える肉体であることを心がけましょう。
具体的には、以下のような意志力を使いやすい条件を見つけることをおすすめします。
- 環境:どんな空間なら衝動に負けづらいか
- 時間帯:何時なら衝動に負けづらいか
- 健康状態:どれほど元気なら衝動に負けづらいか
- モチベーション:どんな心の状態なら衝動に負けづらいか
どれほど熱意があろうとも、頭や身体がヘトヘトであれば衝動に負けやすくなり、誰もが妥協しやすくなります。
約束を守らなければならない瞬間にだけ力を注ごうとするのではなく、その瞬間に約束を守りやすい状態に持っていくことも心がけてみてください。
準備中:元気になる方法
自分との約束を守れないよくある理由5選
ここでは、自分との約束を守れない理由についてお伝えしていきます。
約束を守るスキルを上げたいときは、自分が約束を違える理由に対処することが重要です。
ここで紹介する理由を参考にして、自己分析に取り組んでみてください。
理由①:忘れてしまう
もっともよくある理由は、約束を果たすタイミングで約束そのもの、または約束の一部を忘れていたというものです。
- 約束そのものを忘れる:歯医者に予約していたことを忘れる
- 約束の一部を忘れる:歯医者に持っていくべきものを忘れる
忘れてしまう原因は、記憶力の低さだけではありません。
約束を果たすタイミングで他に注意を向けてしまうことも、必要なときに約束を思い出せなくなる原因の1つです。
いずれにしても、「忘れやすさ=自分の性質」と悲観的に捉えるのではなく、人間なんてそんなものだと割り切ることをおすすめします。
そして、リマインダーのように必要な瞬間に思い出すためのツールを使いこなすスキルを高めることで、忘却による約束の反故を防ぐようにしてみてください。
準備中:否定的な目標は悪いのか
理由②:難しい約束をする
自分のリソースでは果たすことが難しい約束をすると、約束を違えることになります。
難しい約束をしてしまう原因として、次のものが挙げられます。
- 見栄
- 完璧主義
- 見通しの甘さ
- 課題分析の甘さ
- 現状分析の甘さ
仕事では自分の殻を破るためにも、現在の自分には難しい約束をすることも必要です。
しかし、そもそも約束の内容が無謀だったり、見栄による約束だったりするならば、自己成長が促されることは期待できません。
難しい約束をするにしても、その約束をする意味をしっかり吟味してみてください。
ついつい難しい約束をしてしまう場合は、次のようなスキルを高めることをおすすめします。
- その約束が自分にはどれほど難しいかを判別できる
- 難しい約束をすることが必要な理由を明らかにできる
- その理由を解消するための手順を組み立てられる
準備中:完璧主義を手放す方法
理由③:めんどくささが勝つ
約束を果たそうと考えると、めんどくさいという感情が生じるものです。
友達との約束を直前になってドタキャンしたくなるように、めんどくささから約束を違えてしまった経験は多くの人があるのではないでしょうか。
一言でめんどくさいと言い表しても、その理由は次のように多岐にわたります。
- 行動への無価値観
- 他の行動への欲求
- ゴールまでの複雑さ
- 恒常性による抵抗感
- 外部要因からの強制感
- 高い基準への準備不足
- モチベーションへの依存
- 行動することへの不安や恐怖
めんどくさいに負けやすい人は、そのめんどくさいの根本的な理由について解き明かすことが重要です。
そして、「自分が大切にしたいこと」を明確にすることで、めんどくさいに勝てる土台が作られていくでしょう。
準備中:面倒くさいの克服方法
理由④:ぎりぎりになって慌てだす
約束を果たすためのリソースが十分あると、むしろモチベーションが下がるというタイプの人もいます。
たとえば夏休みが終わる前日に、まとめて宿題をやるような一夜漬けタイプです。
このギリギリ族は、次の2つのいずれかを目的にするためモチベーションが下がってしまいます。
- 「手遅れかも」という危機感から高揚感が生じやすい
- 危機感を乗り越えた瞬間の高揚感を求めやすくなっている
しかし、学校とは異なり仕事はタスクが次から次へと舞い込みやすく、次第にタスクが積み重なってギリギリ感が生じたころにはすでに手遅れということがよく起きます。
ぎりぎり感に振り回されて約束を破りがちな場合は、次の2つの手順をおこなってみてください。
- 自分が動き出そうと感じる残り時間を明確にする
- その残り時間でできそうな範囲の約束をする
たとえば小目標をたくさん作って「ON/OFF」をはっきり分けることで、ぎりぎり感によるモチベーションを活用しながら長期的な努力もできるようになります。
準備中:ギリギリ族
理由⑤:他者からの評価を恐れている
他者からの評価が前進する材料になるのではなく、動きを止める材料になることがあります。
「恥ずかしいから」「失敗は許されないから」などのように、他者からの評価を過度に恐れている場合です。
このような場合は、評価される恐れを小さくしなければ、いつまでも行動を止めてしまうことになります。
実行力を取り戻すためにも、次の手順によって他者からの評価への恐れを小さくしてみてください。
- 何を恐れているのかを明らかにする
- その恐れが生じる可能性を検証する
- その恐れへの対処・対策を施す
準備中:評価されるのが怖い
約束を守ることへの苦しさを改善するには
ここでは、約束による束縛感を解消するための方法をお伝えしていきます。
約束することが苦しいと感じるときは、ここにある方法を取り入れてみてください。
改善①:自己犠牲的な約束をしない
自己犠牲的な約束であるほど、束縛感が強まります。
自分には利がない、または他に選択肢がないと感じることで、やらされている感が生じるためです。
自己犠牲的な約束を回避するには、次の2つのことが有効です。
- その約束をしなくてもいいという安心感を見つける
- その約束を果たすことによる自分なりの利益を見つける
「自分のためにならない約束をしない」というルールを設けるのも、自己犠牲的な約束をしないための1つの手です。
ただし、「自分のため」の範囲が狭すぎる場合は、周りからは単なる自己中のように思われるので注意してください。
準備中:意味づけ力を培う方法
改善②:実際の損失を埋め合わせる
約束を破ることによる損失を理解することは大切ですが、その損失を埋め合わせられると理解することも同じくらい重要です。
「約束を違えたらすべてが終わる」という危機感は、「約束を守らなければならない」という義務感になり苦しみを生み出すからです。
約束を破ることへの恐怖を小さくするためには、次の2つのことを学んでみてください。
- 約束を破ることによる損失を小さくする方法
- 約束を破ったことによる損失を埋め合わせる方法
また、もしも約束を破ったとしても、果たせた部分はあるはずです。
その約束を果たせた部分を認めることも、約束を破ることへの恐怖を小さくするためには欠かせません。
準備中:成功体験の作り方
改善③:スケジュール管理を徹底する
約束をすることによる苦しみは、自分の時間が減ってしまうことによる危機感によっても生じます。
「仕事をするだけの人生」というように、自分の人生に対して無意味感を抱くようなケースです。
自分との約束を守ることは大切ですが、自分のためだけに時間を費やすことも大切です。
自分のため、主に自分を癒すことを約束してそのための時間を確保することをしてみてください。
ゲームをする、マンガを読む、旅行をする、ショッピングなど、癒す時間もすべてスケジュールに加えましょう。
自分を幸せにするためのスケジュールを作れれば、約束に振り回されている日々という印象が薄れて、約束をすることへの苦しさも小さくなります。
準備中:理想のスケジュールの立て方
改善④:内省を繰り返して自己理解を深める
「約束をすることがなんとなく苦しい」というように、漠然とした苦しさを抱くようなケースがあります。
これは感情を言語化することができず、何をどうすればいいのか分からなくてストレスばかりが強まっている状態です。
「痛いのはわかるけど、それがなぜなのかが分からない」という場合は、内省をおこなって痛みと向き合うことが重要になります。
痛みを掘り下げることで、本当に解決すべき問題がようやく見えてくるためです。
何度考えても自分が抱えている本当の問題が見つからない場合は、コーチングを受講してみてください。
コーチングでは、コーチによる質問とフィードバックによっていつもとは異なるパターンで思考を働かせられます。
新しい気づきを得られやすいため、無限ループのような悩みから開放される糸口が見つかりやすいです。
計画立てや実行の支援もおこなわれるため、その問題と本格的に向き合いたい人にはおすすめの自己投資です。
準備中:目標達成にコーチングが有効な5つの理由
改善⑤:貢献する時間をルールとして設定する
自分のためになるとは分かっていても、なんとなく自己犠牲感が生じる約束があります。
遊ぶ時間を減らすような約束や、急に割り込んできた約束などです。
このような約束の場合、いくら頭で理解していても不満が溜まってしまいます。
自分の予定を崩されたと感じて、自己決定感や自己重要感が低下してしまうためです。
しかし、他者と関係性を築き続けるには、自己犠牲的な約束をしなければならないときがあります。
そのため、この類の約束をゼロにしようとするのではなく、次のようなルールを作ってストレスを減らすことをおすすめします。
- 1日1善
- 毎日15分は他者貢献する
このようなルールを作っておくことで、自己犠牲的な約束もある程度は許容できるようになります。
他者貢献は自己肯定感を高めてポジティブ感情を強める効果もあるため、幸福度の高い人生を築くことにも有効です。
準備中:他責思考の直し方
個人事業主が被りがちな約束4選
ここでは、大切なのに破ってしまいがちな個人事業主の約束事についてお伝えしていきます。
ケース①:他者との交流
個人事業主は、次の理由から他者との交流は非常に重要です。
- お客様に出会うため
- 自分のスキルを伸ばすため
- 新しいアイディアを見つけるため
他者との交流が疎かになると、段々と現状維持への欲求が強くなり、事業が停滞する原因になります。
にもかかわらず、いざ他者と交流を持とうとすると、めんどくさいと感じるものです。
「やっぱりやめた」とドタキャンをした経験は多くの人がもっているでしょう。
個人事業主においてこのドタキャンをする最大の理由は、「今の自分では会いたくない」というものです。
事業が停滞していて、その姿をさらけ出すことが怖くなり、億劫さが生じてドタキャンしてしまいます。
もしも他者との交流に恐怖や不安が強まったら、「評価される立場」ではなく「評価する立場」に立ってみてください。
「ダメな奴」とレッテルを貼られる恐怖に怯えるのではなく、「今の自分を受け入れてくれる人」を探すための交流として捉えるのです。
そのように他者との交流の意味を捉え直すことで、人と接することへの不安は小さくなりドタキャンをすることが減っていきます。
ケース②:生活サイクルの改善
個人事業主における最初で最大の壁は、生活サイクルの乱れです。
予定を自由に組み込める個人事業主の多くは、夜は限界まで遊び、朝は可能な限りベッドでだらだらしてしまいます。
「早寝早起きして仕事をがんばろう!」と決心しては挫折するという経験を、何度も繰り返した人は少なくないはずです。
しかし、生活サイクルが崩れると調子も悪くなり、集中しておこなえる仕事の量が著しく減ります。
一夜漬けのように締め切りぎりぎりになってから動き出す羽目になり、さらに生活サイクルが崩れて体調が悪くなることに拍車をかけるでしょう。
「生活サイクルを改善する」という約束を守るには、次の3つのことを徹底することが重要です。
- 朝起きる時間をずらさないこと
- 朝と夜のルーティンを決めること
- 遊ぶ時間をスケジュールに加えること
どれほど自由を堪能していたいのかを明確にすることで、夜更かししてまでも遊ぼうとする欲求が抑えられます。
「仕事ばかりの日常」という感覚はリベンジ夜更かしを促すので、自分を癒す時間も計画に組み込んでみてください。
ケース③:自分で作った計画の締切を破る
計画の細かさは人によって異なるでしょうが、個人事業主なら誰もが事業計画を作ると思います。
いつまでに何をするのかを明確にすることで、収益をコントロールするためです。
しかし、個人事業主は計画を管理してくれる人がいないため、その締切を何度も先延ばしにしてしまいがちです。
1週間で終わらせようとしたタスクを、何週間にもわたって取り組み続けるというのはよくあるケースでしょう。
計画も約束の一種であり、締切をずらすことは自己効力感を失わせる原因です。
もしも計画の締切を何度も先延ばしてしまう場合は、次のことを検討し直してみることをおすすめします。
- 完璧主義を手放す
- 時間見積り力を高める
- 注げるリソースを棚卸する
準備中:時間見積もりの方法
ケース④:理想実現や目標達成のレールから外れる
個人事業主になった動機を覚えているでしょうか。
または、今年決意した目標を覚えているでしょうか。
個人事業主は働き方や進む方向性を自分でコントロールできるため、ただ働けばよいというわけではありません。
自分の求める理想の方向に力を注ぐように、舵をとりつづけることが大切です。
しかし、忙しい日々を過ごしていると目先のタスクに追われてしまい、つい理想や目標を忘れてしまいがちです。
決意した理想実現や目標達成のレールから外れていることに気づきつつも、軌道修正することを先延ばしにしてしまうでしょう。
「どこに向かうために個人事業主になったのか」という自分との約束は、事業主人生において非常に重要な意味を持ちます。
一直線にその約束を果たす必要はありませんが、その約束を守るためにリソースを割き続け、いつかはその理想や目標が達成できるという見通しを持っていてください。
そうでないと事業に対する多忙感と無意味感によって、だんだんと働く意欲が低下して事業を続けることが苦しくなってしまいます。
準備中:理想の人生
まとめ
自分との約束を守るには、次の手順に分けて検討してみてください。
- 約束するかを判断する:自分のためか、できそうか
- 約束を守るために行動する:どうやったら動けるか、失敗への対策と対処
自分にとって無意味な約束はできるかぎり排除しましょう。
割けるリソースには限りがあり、すべての約束を守ることはできないためです。
優先すべきは、自分の理想実現に貢献するような約束です。
ついつい自己犠牲的な約束をしてしまう場合は、関係性を崩さずに約束を断る方法を模索してみることをおすすめします。