充実した人生を送りたいならば、「どんな仕事を選ぶか」以上に「仕事におけるやらされている感に支配されない術」が必要になります。
自分が選んだ仕事であっても時間が経つと、以下のような苦しさが生じて義務感を抱くためです。
- もっとラクな道はないのだろうか
- 何かいいことが起きないだろうか
- なんでこんな大変な目にあわなければならないのだろうか
この記事では、仕事におけるやらされている感が生じる理由と解消法についてお伝えしていきます。
やらされてる感から開放されて人生の主導権を握り直すためにも、ここで紹介する方法を取り入れてみてください。
やらされている感の定義
やらされている感とは、「自分が選んだわけではないのに選ばされている」という感覚のことです。
これは客観的で現実的な問題ではなく、その人がどう捉えているのかという主観的な認知の問題です。
自分で選んだ道であってもやらされている感は生じますし、自分で選んだ道でなくともやらされている感が生じないこともあります。
「自分で選んだか否か」ではなく「自分が選び続けたいか否か」が重要な問題なので、やらされている感の解消には自分の感情や認知と向き合うことが大切です。
仕事にやらされている感が生じる3つの理由
やらされている感は、主に3つの理由に分けられます。
ここでは、やらされている感が生じる原因パターンについてそれぞれお伝えしていきます。
理由①:報酬感の低下
「何が欲しいのか」という気持ちは、選択に影響を及ぼします。
衝動的欲求、打算的欲求に関わらず、欲求が強ければ強いほど「私はそれを選びたい」と感じられるということです。
しかし、報酬は認知の問題であり、報酬自体が変わらなくとも、慣れや関心の低下によって価値を感じなくなります。
- 慣れ:同じ報酬をもらい続けて当たり前に感じてしまう
- 関心の低下:興味が他に移って報酬として捉えられなくなる
やらされている感を抱いたら、その先で得られる報酬に価値を感じているのかを考えてみてください。
労力と報酬が見合っているのかと客観的に捉えることで、やらされている感を解消するためのきっかけが見つかるかもしれません。
理由②:自己決定感の低下
どれほど報酬が魅力的であっても、それを他者に選ばされていると感じるとやらされている感が生じます。
「自分がやりたい」という気持ちよりも、「誰かにコントロールされていない」という認識の方が選んでいる感に強く影響を及ぼすためです。
たとえば、勉強しようとしていたのに親から「早く勉強しなさい」と言われて、気持ちが萎えてしまった経験は誰もがあるのではないでしょうか。
まさにこれは、「勉強する=親のコントロール下に入る」という認識によって、自己決定感が低下してモチベーションが失われた状態です。
やらされている感を抱いたら、自分でコントロールできているかを検討してみてください。
自分をコントロールしている対象を客観的に捉えることで、やらされている感を解消するためのきっかけが見つかるかもしれません。
理由③:自己効力感の低下
報酬を得ることが自分には難しいと感じる選択は、やらされている感を生じさせます。
「どうせやっても無駄」という感覚は、「無駄な努力をやらされている」と解釈するようになるためです。
たとえば、がんばっても部活でレギュラーになれないと分かりきっている場合、前向きに取り組むことは難しいでしょう。
報酬を得られない行動を、自ら続けたいと感じられる人はそう多くありません。
やらされている感を抱いたら、欲求を得られる可能性に目を向けてみてください。
白黒思考で考えず、客観的に可能性を検討することで、やらされている感を解消するためのきっかけが見つかるかもしれません。
報酬感を高めてやらされている感を解消する方法5選
ここでは、報酬感を高めることでやらされている感を解消する方法についてお伝えしていきます。
努力と報酬が釣り合っていないように感じる場合は、ここで紹介する方法に取り組んでみてください。
報酬感①:理想と行動を紐づける
自分にとっての理想と行動を関連付けることで、行動の必要性が高まってやらされている感が解消されます。
「理想を実現する手段としての行動」と捉えられることで、前進すること自体が価値ある報酬になるためです。
理想と行動を関連付けるためにも、まずは自分が本心から望む理想を言語化してみてください。
ワクワクするゴールを明確にすることで行動基準ができあがり、行動を自ら選んでいる感覚が強まります。
準備中:理想の人生
報酬感②:欲しい未来を先取りする
魅力的な報酬のための行動をするときは、その報酬を味見してみてください。
「想像上の未経験な報酬」よりも「味わった経験がある報酬」の方が、純粋に欲しいと感じられるためです。
「求めている報酬が欲しいのかが本当は分からない」という不安感は、報酬の魅力を低下させます。
「私はこれが欲しいのだ」と強く確信するためにも、今できる範囲でいいので報酬を味わいましょう。
たとえ「やっぱり欲しくない」と感じても、それは別の道を選ぶきっかけにもなってやらされている感が解消されます。
例.欲しい未来を先取りする
・お金を稼いで海外旅行をしまくりたい→今からできる範囲で海外旅行する
・結婚して幸せな家庭を築きたい→幸せな家庭を持つ人と関わる、恋人を作る
・好きな人と事業を起こしたい→好きな人と低リスクな挑戦をする、1人で小さく起業する
報酬感③:現状維持の損失を明確にする
現状維持バイアスが強まると、挑戦的な行動に対してやらされている感が生じます。
「現状維持をすれば挑戦で生じるコストやリスクを回避できる」と、動かずして報酬を得られると錯覚してしまうためです。
たしかに現状維持を選べば行動による損失は避けられますが、機会損失や現状維持のためのコストが生じます。
動かないほうがお得だと感じているときは、動かないほうが損というポイントにも目を配ってみてください。
準備中:現状維持は悪いのか
報酬感④:もっとよい選択肢はないか検討する
もっとよい選択肢があるだろうという期待は、現在の行動にやらされている感を生じさせます。
「本心は別にある」と妥協しているような感覚になり、取り組むべき行動が無駄に思えてしまうためです。
しかし、この感覚の多くは「今よりも自分を活かせて、ラクに成功できて、幸せになれる選択があるはずだ」という夢物語への期待です。
具体的な別の選択をしたいわけではなく、現状の道を選ぶ苦痛を回避したいという欲求がこの期待を生み出しています。
この期待感を解消するためには、今よりもよい選択肢を検討することが有効です。
もっとよい報酬のための選択に変えるべきかを、以下のような問いから検討してみてください。
- 私が本当に望んでいることは何か?定義は?
- それを得ると自分や周囲にどんな影響が生じるか?
- それを得るために今から取り組めることは何か?
報酬感⑤:行動から得られる成果物への解釈を変える
得られる報酬への解釈を変えることで、報酬感が強まってやらされている感が解消されます。
報酬は認知次第で価値が増減するためです。
行動に苦しさを感じたら、報酬を魅力的にするためにいろんな角度から報酬の価値を検討してみてください。
報酬の価値に影響を及ぼす認知として、次のものが挙げられます。
- 1つの行動から得られる報酬の数
- 1つの報酬から生じる恩恵の大きさ
例.SNS投稿することで得られる報酬
・売上が上がる
・誰かの役に立てる
・仮説を検証できる
・文章スキルが向上する
・この経験は未来に役立つ
・フォロワーが増えるほど仲間が増える
自己決定感を高めてやらされている感を解消する方法5選
ここでは、自己決定感を高めることでやらされている感を解消する方法についてお伝えしていきます。
誰かにコントロールされていると感じる場合は、ここで紹介する方法を取り入れてみてください。
自己決定感①:未来を選ぶ
自分で未来を取捨選択することで、どんな状況でも自己決定感が芽生えます。
未来を得るための手段が行動や選択であり、求める未来さえ自分が押さえていれば、それ以外を他者に強制されても自分のための行動として捉えられるためです。
ただし、「1つの未来を選ぶこと」と「1つの未来を選ばざるを得ないこと」には大きな違いがあります。
一見自分で未来を選んだつもりになっていても、それ以外に選択肢がなく選ばされているだけかもしれません。
自分で未来を取捨選択をするには、義務や責任、実現確率や労力を一旦脇に置き、「何を選んでもよいのだ」というフラットな気持ちで未来を検討することが大切です。
準備中:延長線上の未来の描き方
自己決定感②:口癖を変える
口癖は自己決定感に影響を及ぼします。
私たちは自分で語った言葉を肯定する傾向があり、たとえ「自分で選んだ」と感じていても、口癖によってそれを否定してしまうと「選ばされている」という感覚に上書きされてしまうためです。
口癖は一長一短で変えられないため、まずは口癖を数えることとセルフツッコミから始めてみてください。
たとえば「仕事しなきゃ、いやいや私が選んだんでしょ」という習慣を作ることで、口癖によって自己決定感が低下することを阻止できます。
例.自己決定感を低下させる口癖
・ノルマ
・難しい
・疲れた
・ため息
・大変そう
・めんどくさ
・〇〇しなきゃ
準備中:習慣化の方法
自己決定感③:自分で締切を作る
他者に課された締切は、他人にやらされている感覚を強めます。
他者にコントロールされていると感じ、その道から外れたい欲求が生じるためです。
そのため、他者に締切を課されたときは、自分で決めた主体的な締切を作って先取りするのがおすすめです。
主体的な締切を意識して仕事をすることで、自分が自分をコントロールしている感覚が強まってやらされている感が低下します。
ただし、自分で作った計画やスケジュールでも、それらに支配されている感覚を抱きやすい人がいます。
その場合は次のような工夫をして、自分がコントロール権を握っているという感覚を取り戻してみてください。
- 計画はいつでも変えていいというルールを作る
- 自分で立てた計画の概要を動画で説明して定期的に視聴する
- 1週間単位の成果物の締切だけを作り作業内容はその日任せにする
準備中:在宅ワークに集中するには
自己決定感④:致命傷を明確にする
致命傷の範囲を明確にしておくことで、やらされている感に振り回されづらくなります。
致命傷の範囲が不明確だと些細な失敗も恐れるようになり、選択を自由に選べなくなるためです。
たとえば、「お金をすぐに稼がなきゃならない」と個人事業主なりたてのときは考えやすいですが、実際は1年経っても生きていけることが多く、最悪の場合は実家に帰ればよいでしょう。
にもかかわらず「すぐに稼がないことは致命傷だ」と捉えていると、稼ぐことが義務になって自ら選んでいる感覚が失われてしまいます。
焦りの感情が生じている場合は、コントロール権を失っている可能性が高いです。
コントロール権を取り戻すことに役立つためにも、焦りの正体を見つけて大丈夫であることを検証してみてください。
例.検証すると仕事がはかどりやすいおすすめの致命傷
・疲れたら大変な目にある
・失敗したら努力が水の泡になる
・今すぐ子供を産まないと一生産めなくなる
・お金をすぐに稼がないと生きていけなくなる
・周囲に低評価されると人生が終わってしまう
準備中:焦りの解消方法
自己決定感⑤:やりたいことからスケジュールに組み込む
自分が求める未来のために行動していても、自己犠牲感が生じると自己決定感が低下します。
「そのためだけの人生なのか」と虚しさを抱き、人生全体がつまらないものと認識するようになるためです。
自己犠牲感を解消するには、自分の興味があることややりたいことを優先的にスケジュールに組み込んでみてください。
仕事も余暇も全力で充実させようとすることで、「もっと遊びたい」「もっと自由を満喫したい」という欲求が解消されます。
ただし、空白の時間は、自分が時間を浪費していることに気づけません。
計画を実行するか否かは自由ですが、どのように休むかも含めて、空白の時間を作らないようにスケジュールを立てましょう。
準備中:理想のスケジュールの立て方
自己効力感を高めてやらされている感を解消する方法5選
ここでは、自己効力感を高めることでやらされている感を解消する方法についてお伝えしていきます。
がんばっても無駄だと感じている場合は、ここで紹介する方法に取り組んでみてください。
自己効力感①:目標を細分化する
今から1ヵ月以内に達成できない目標は、自分には難しいと感じてしまいます。
今の自分基準で成功できるか否かを検討するため、どうあがいても失敗するだろうと予測しやすいためです。
このようなケースでは、遠くを見るのではなく、今の自分が起こせる成長や結果に注目しましょう。
「それぐらいならできそう」と感じる程度に目標を細分化して達成していくことで、いずれは大きな目標も達成できるように成長していきます。
大きな変化をいきなり実現しようとするほど、自己効力感が下がって努力を嫌うようになります。
モチベーション高く仕事をするためにも、今できそうなことをコツコツおこなう技術を身につけてみてください。
準備中:継続の方法
自己効力感②:他者から保証をもらう
自分の計画に自信がないと、失敗する未来を強く意識してしまいます。
理想とは異なる方向に進んでいるように感じて、無駄どころかむしろ遠ざかっていると不安になるためです。
自分の計画に自信をつけるもっとも簡単な方法は、他者から保証をもらうことです。
「それで大丈夫、成功するよ」という保証をもらえれば、不安が和らぎ努力することに全力を出せるようになります。
自信がないことに挑戦をすることも大切ですが、石橋をたたいて自信を持つための工夫をすることも同じくらい大切です。
自信が持てなくて不安を感じたら、すでに成功している人からフィードバックをもらってみることをおすすめします。
準備中:自信のつけかた
自己効力感③:成功体験を積んで自信をつける
自分の行動への自信を持つための根拠として、成功体験が挙げられます。
挑戦と類似する成功体験を持つほど、「自分は成功するだろう」と高い成功確率を予測するようになるためです。
ただし、闇雲に成功体験を作っても行動に自信がつくとは限りません。
成功体験を作るときは、どんな根拠があれば自信がつくのかを明確にすることから始めてみてください。
準備中:成功体験の作り方
自己効力感④:成功までのストーリーをイメージする
成功までの見通しを持つことは、自分の計画や行動に確信を得るために必要です。
先の見えない旅ほど、ストレスが溜まるものはないためです。
計画を作ったら、その計画で生じる苦難や失敗を想定してください。
山あり谷ありの成功ストーリーを作ることで、計画にリアリティが生まれて挑戦への粘り強さが育まれます。
準備中:計画の立て方
自己効力感⑤:失敗を歓迎するマインドを身につける
失敗への恐れは、成功確率を低く見積る原因になります。
失敗による損失が大きいと認識するほど、些細なミスも許されない困難な挑戦だと捉えるためです。
しかし、多くの失敗は短期的には損失であっても、長期的には成功や成長のための糧になります。
致命傷的な損失を引き起こす失敗は少なく、ほとんどの失敗への恐怖は錯覚でしかありません。
成功確率の低い挑戦では、「痛いのは嫌だからやりたくない」とやらされている感が生じやすくなります。
痛くないことに納得するためにも、失敗を次の2つに分けて失敗への許容範囲を広げてみてください。
- 致命傷:一度でも生じたらすべてが無に帰すもの
- 成長の経験:今後に活かせるような教訓になるもの
準備中:失敗の乗り越え方
仕事で「やりたい」を維持するための工夫8選
「やりたい」と感じて選んだことでも、時間が経過すれば誰もがやらされている感が生じるものです。
しかし、ちょっとした工夫で「やりたい」という気持ちを長く維持することができます。
「やりたい」という気持ちが生じたら、ここでお伝えするコツを取り入れてみてください。
工夫①:ゲームとして楽しむ
目標の達成や理想の実現を目指すときは、その過程をゲームとして捉えてみてください。
スタートからゴールの道のりを徐々に攻略していくゲームだと捉えることで、過程を楽しむ認識を持てるようになるためです。
長期的視点を持ち、困難をイベントとして見て、成長や前進する楽しさを実感できれば、自分が自分の人生をコントロールしている感覚が持てます。
いきなりラスボスを倒そうと焦ることもなくなるため、粘り強さも生まれて成功確率も高まるでしょう。
もしゲームとして認識することが難しい場合は、異世界転生やタイムスリップしたと考えてみるのもおすすめです。
準備中:挑戦過程の楽しみ方
工夫②:定期的にリセットする
努力を続けることもよいですが、定期的に心と頭をリセットして選択肢を再選択する機会を設けることをおすすめします。
自分で選んだ選択でも、疲労や慣れによって過去の自分に縛られている感覚が生じてしまうためです。
過去の決意をずっと持ち続ける必要はありません。
むしろその責任感は、やらされている感を助長させてしまいます。
やらされている感に支配される前に、いったん夢や目標を手放してリラックスする習慣を作ってみてください。
手放してもなお夢や目標を追いたいと感じるなら、「やりたい」という気持ちがチャージされて前向きに行動できるようになります。
準備中:元気になる方法
工夫③:ラクな選択肢を排除する
今よりもラクな道があると認識すると、途端にやらされている感が強まってしまいます。
困難な道を歩むことが無駄だと思えて、自分が選んだことだとしても誰かにコントロールされていると感じてしまうためです。
「仕事よりもゲームしたい」「効率の良い成功方法があるはずだ」などの欲求は、ラクな選択肢に嫉妬することで生じます。
これらの欲求を持ちながら努力を続けることは難しいため、ラクな選択肢を排除するためにも以下の3つのことに取り組んでみてください。
- ラクを定義化する:何をもってラクというのか?
- 欲求と折り合いをつける:ゲームの時間を予定に入れる、複数のプランを作っておく
- 他の選択を選べないようにする:ゲームを捨てる、自己投資の予算を決める、締切を作る
工夫④:キャンペーン期間を設定する
困難な挑戦であるほど、未来への不安が生じて悩み続けてしまうものです。
しかし、以下のような悩みは、苦しさを生み続けてやらされている感を生じさせてしまいます。
- 本当にこの選択でいいのだろうか?
- この苦しみがこれからも一生続くのだろうか?
悩まないためには、キャンペーン期間を設けて覚悟を決めることが有効です。
「この1ヵ月だけはこの方法を信じて実行してみる」とキャンペーン期間を設ければ、悩むことを先延ばせます。
報酬が得られていない状況では小さなストレスでもすぐに足を止めて悩みやすいため、特に計画の初期段階では役立ちやすい工夫です。
準備中:不安や恐怖をエネルギーへと変える方法
工夫⑤:フィードバックをもらいにいく
他者からフィードバックやアドバイスをもらうと、それだけでやらされている感が生じます。
その他者にコントロール権を奪われた感覚になり、自己決定感が低下するためです。
しかし、仕事や挑戦には他者からの情報は必要不可欠であり、成長速度を早めてくれます。
そのため、「他者からの情報を受け取らない工夫」ではなく「他者から情報を受け取ってもコントロール権を失わないための工夫」が有効です。
具体的には、自分の目的を常に持ち続け、その目的を達するための手段として他者を活用することをおすすめします。
「言われたからやる」のではなく「達成や実現するために情報を活用する」という姿勢でいることで、他者からフィードバックやアドバイスをもらってもやらされている感は強まりません。
他者からの情報が必要な挑戦である場合は、まずは次の2つのことを実施してみてください。
- 自分から質問をして情報を取りにいく
- もらった情報の活かし方を自分なりに検討して取捨選択する
準備中:アドバイスを受け取れない人の心理とは
工夫⑥:ストレスよりも報酬感を大きくする
進みたい方向を選択したら、選んでよかったと感じるような報酬を定期的に味わう工夫をしてください。
「やりたい」と選んだ行動でも、報酬感が得られないと段々とその気持ちは失われていくためです。
選んでよかったと感じるような報酬には、主に次の2つが挙げられます。
- 順調に前進している感覚:課題の解消、目標達成、計画の前進など
- 行動によって生じる喜び:感謝される、新しい発見をする、できるようになる
このうち最も意識したいのは、順調に前進している感覚です。
計画が停滞していると感じるほどストレスが生じさせるので、まずは計画通りにタスクをこなせたという達成感を土台にしましょう。
ストレスよりも報酬感が大きい状態を続けられるほど、やらされている感は生じづらくなります。
準備中:計画を後ろ倒しにしないためには
工夫⑦:自分が大切にしたい価値観を理解する
人にはそれぞれ自分が大切にしたい価値観があります。
価値観とは、満たされると充実感を生じさせるような報酬のことです。
たとえば、「自由」「冒険」「独自性」などが価値観として挙げられます。
自分の価値観が満たされていないと感じると、どれほど裕福な状態でも「何をしてもどうせ満たされない」とやらされている感を抱きます。
そのため、自分にとって大切な価値観を明確にして、それを満たすための工夫をすることはやらされている感を抑える工夫として有効です。
価値観を見つけるには、以下の手順をお試しください。
- 価値ワードを観察する
- 価値ワードからピンとくるものを選ぶ
- 選んだものから重要順で上位5個挙げる
- 上位5個の価値に意味を定義する
準備中:価値観の見つけ方
工夫⑧:「貢献する時間」をスケジュールに組み込む
計画とは異なるタスクが入ることで、やらされている感が生じます。
「本当は〇〇をしたかったのに、△△をしなければならない」というように、自己決定感が低下するためです。
しかし、予定外のタスクが入ることは避けることができないため、そのタスクに不快な感情を生じさせない工夫をしたほうが効果的です。
具体的には、前もってスケジュールに「他者に貢献する時間」を配分してくことをおすすめします。
- 1日1回は誰かの手伝いをしよう
- 1日15分は誰かとの関係性を築く時間にしよう
- 1日1時間は家族と関係性を深める時間にしよう
やらされている感の解消手順
上記のうちどの方法から取り組むべきか悩んだら、まずはここでお伝えする手順を試してみてください。
手順①:理想を描く
まずは、自分にとってのゴールとなる理想を描きましょう。
自分にとっての幸福や成功を明確にすることで、未来を選んでいるという感覚が得られるためです。
理想を描くときは、次の工程をお試しください。
- 描く理想の対象を決める
- 理想を描くための材料を集める
- 3つの時間軸で理想を描く
- 具体的な場面を想定する(感情、イメージ)
- 理想を言語化する
準備中:理想の描き方
手順②:理想と目標の関連性を検討する
理想が明確になったら、理想を実現するための目標を設定していきます。
目標が設定されている場合は、理想との関連性を検討して目標を再設定してみてください。
目標を設定するときは、SMARTの法則を活用することで達成確率が高まります。
準備中:目標の設定方法
手順③:理想を実現するためのプランを作成する
目標を達成するための計画を立てることで、自己効力感が高まります。
「これならできるかも」と感じられる程度に目標を細分化して、時系列順に並べてみてください。
プランが1つだけだと、もっと他にいい方法があるはずだと感じてしまいます。
複数のプランを立てて、その中から最も成功確率の高い計画を1つ試してみることをおすすめします。
手順④:タスクにおける最高の結果を妄想する
計画を実行していく中でやらされている感が強まるタスクが生じたら、まずはそのタスクにおける最高の結果を妄想してみてください。
最高の未来を想定することで報酬感が高まり、主体的に「やりたい」という感情が生じるためです。
最高の結果を妄想するときは、次のことをイメージするとよいでしょう。
- どんな結果になるのか
- どのような影響を他者に及ぼすのか
- どんな嬉しいことが自分に生じるのか
手順⑤:タスクに関する情報収集をする
最高の結果を得るための情報を集めていきます。
書籍、セミナー、SNS、コンサル、インターネットなどを活用してインプットしてみてください。
インプットしたい情報として、たとえば次のものが挙げられます。
- 実行手順
- 所要時間
- 必要スキル
- 成功の方程式
- 押さえどころ
- その道の成功者
- ロールモデルの候補
手順⑥:タスクを一旦手放してアイデアを練る
情報を一通り集めたら、おそらく「試してみたい」という感情が少しだけ湧いてくると思います。
しかし、まだ行動しないでください。
一旦タスクを手放して、無意識や意識を活用してアイデアを練っていきます。
この工程によって「試してみたい」という感覚が大きくなり、自分がやりたいのだという気持ちが強まります。
手順⑦:最高の結果目掛けてタスクに取り組む
「試してみたい」という感覚が大きくなったら、最高の結果を想像しながらタスクに取り組みます。
ここで重要なことは、最高の結果を期待することです。
最高の結果はほとんどの場合得られませんが、タスクに取り組むときはこの期待が原動力になります。
ニヤニヤしながらタスクに取り組みましょう。
ただし、あくまで「そうなって欲しい」という願望程度の期待であり、「そうなるはずだ」という確信めいた期待はしないように注意してください。
確信めいた期待をすると、その結果が得られなかったときにストレスが増大して、その後はやらされている感に支配されてしまいます。
個人事業主に生じやすい仕事におけるやらされている感
ここでは、やらされている感が生じやすい場面についてお伝えしていきます。
ケース①:低単価なモニター
無料や低単価のモニターを実施することで、やらされている感が生じることがあります。
主に次の感覚が原因です。
- 搾取されている感覚
- 稼ぐことにつながっていない感覚
モニターの目的が不明確であるほど、自己決定感や自己効力感が低下します。
モニターを集めるときは、それによって得られる報酬は何なのかを明確にしてみてください。
準備中:モニターの集め方
ケース②:下請けとしての作業
下請けとしての作業を続けていると、だんだんとやらされている感が強まっていきます。
「自分の道を歩めていない」と、自分ではなく他者にコントロールされている感覚になるためです。
下請けとしての作業を前向きにおこなうためには、その作業がどのような未来を得るための手段なのかを明確にしなければなりません。
得たい未来が分からない場合は、コーチングのような内省の専門家に相談して人生の方向性を探ってみることをおすすめします。
準備中:目標達成にコーチングが有効な5つの理由
ケース③:納得できない行動の実行
コンサルティングのような自己投資をすると、指示された方法論を実行しなければなりません。
しかし、かならずしもその方法論に納得ができるわけではなく、それでも実行しようとするとやらされている感が強まってしまいます。
納得できない行動に取り組むときは、「何をするか」ではなく「誰を信じるのか」を意識してみてください。
相手を信じるか否かの決定権を持ち続けることで、自己決定感が低下せずに納得できない行動も実行できるようになります。
準備中:納得できないと先に進めない
ケース④:スケジュール通りのルーティンワーク
SNSマーケティングや日々のブログ執筆など、毎日取り組むルーティンワークはやらされている感を生じさせます。
「ルーティンワークは増える一方で、しかも一生続けなければならないのか」と束縛感を感じてしまうためです。
ルーティンワークが苦しくなったら、その必要性を検討してみてください。
次のことを明らかにすることは、ルーティンワークとの折り合いをつける役に立ちます。
- 必要性:そのルーティンワークは今も必要なのか?
- 効率化:そのルーティンワークは将来的に効率化できないのか?
- 意味づけ:そのルーティンワークは誰にどのような影響を及ぼしているのか?
まとめ
「自分のために、自分のコントロール下で実行している」と認識できれば、やらされている感は解消されます。
その認識を得るためにも、次の3つを高める工夫をしてください。
- 報酬感
- 自己決定感
- 自己効力感
やらされている感は、挑戦意欲を低下させて自分の可能性を狭める大きな原因です。
日々の充実感を低下させて幸福度も落ちてしまうので、一刻も早く自分と向き合って「選んでいる感覚」を取り戻すことをおすすめします。