目標を立てて計画を作っても、計画の遅延によって目標達成ができなかったという経験はありませんか。
これは主に、計画の立て方とリソースの使い方のいずれかが原因です。
この記事では、チームではなく、個人の目標計画における遅れについてお伝えしていきます。
自分が立てた目標なのに、自分のせいで計画が遅れてしまうという場合は、ぜひとも一読してみてください。
計画遅れの2つのパターン
計画が遅れると一口で言っても、そこには2つのパターンが存在します。
ここでは計画遅れのパターンをお伝えしていきます。
パターン①:がんばれていない計画遅れ
がんばれていない計画遅れとは、予定のリソースを使えていないパターンです。
例.がんばれていない計画遅れ
・毎日8時間労働するという予定に対して、3時間しか働けていない
・毎日3kmランニングする予定に対して、先週は1度しか実施していない
初期の個人事業主が停滞するパターンの多くが、このがんばれていない計画遅れです。
このパターンの対策は、「がんばっていないだけ」ではなく「がんばることができない」ということを受け入れることから始めてみてください。
パターン②:がんばっているのに計画遅れ
がんばっているのに計画遅れとは、予定のリソースを使っているのに思ったような進捗を得られないパターンです。
例.がんばっているのに計画遅れ
・この1週間毎日10時間働いているのに、いまだに1記事も書けていない
・予定では1ヵ月で100フォロワー増やす予定だったが、30人しか増えなかった
効率の悪さや熟達度の低さによって、労働時間が多いにも関わらず予定より遅れてしまっています。
どのように効率するかが主な解決策になるでしょう。
とはいえ、予定よりも遅れていますが行動量が多いため着実に成長しているはずです。
仮説構築と検証のサイクルを回せているのであれば、それほど悲観する状態でないことが多いです。
計画が遅れる主な理由10選
計画が遅れる理由は次の2つのいずれかです。
- 計画自体の問題:計画を信じられない、今の自分には遂行不可
- リソースの使い方の問題:作業量が少ない、作業効率が低い
ここでは、これらの問題におけるよくあるケースについてお伝えしていきます。
理由①:燃え尽きている
心身のエネルギー残量が少なくなるほど、計画を前に進める力が弱まります。
不慣れな計画の実行には大きなエネルギーが必要であり、エネルギー残量が減るとそもそもがんばれなくなるためです。
心身のエネルギー残量が少なくなる原因として、主に次の3つの思考が挙げられます。
- 休むことは怠けることだ
- 集中できるかどうかは意思次第
- 周りにバカにされたらどうしよう
特に注意したいのは、肉体ではなく精神的な疲労です。
睡眠時間が多いのにやる気が出ないという場合は、精神的なエネルギーをチャージするための習慣を取り入れてみてください。
準備中:元気になる方法
理由②:見積もり力が甘い
タスクごとの所要時間の見積もりが甘いほど、計画の遅れが大きくなります。
全力を出しても計画通りに進まないようなスケジュールを作る原因になるためです。
例.100mを13秒で走れるから、フルマラソンは1.5時間で走れるだろう
見積もり力が甘くなる原因として、主に次の3つの思考が挙げられます。
- タスクは単純で簡単だ
- 常に自分は全力を出せるはずだ
- すべての時間を計画に費やせるだろう
初めてのタスクでは、見積もりが甘くなりがちです。
がんばっているのに常に締切りに追われている場合は、見積もり力の甘さが理由である可能性が高いです。
理由③:完璧主義的になっている
完璧主義傾向が強まるほど、計画を前に進められなくなります。
少しでも低い品質を許容できず、計画を進めることよりも品質を高めることに注力してしまうためです。
完璧主義傾向が強まる原因として、主に次の4つの思考が挙げられます。
- 失敗への強い恐れ
- 自分への高い期待
- 他者への低い期待
- 高い品質の方が目標達成が早まるという期待
誰かに評価される挑戦的なタスクでは、特に完璧主義傾向が強まりがちです。
「作っては消して」を何度も繰り返して足踏みしている場合は、完璧主義傾向が理由で計画が遅れている可能性が高いです。
準備中:完璧主義を手放す方法
理由④:締切効果が弱まっている
締切が締切として機能していないと、計画はどんどん後ろ倒しになっていきます。
パーキンソンの法則によって、いつまで経ってもタスクが完了しなくなるためです。
※パーキンソンの法則
タスクは締切によって完了する、タスクは締切まで拡張し続ける
締切効果が弱まる原因として、主に次の3つの思考が挙げられます。
- 締切をすぎても痛くない
- 締切よりも品質の方が大切
- 締切はあってもなくても今日できることをするしかない
締切りを破ることによる成功体験があるほど、締切り効果が弱まる傾向があります。
締切り前になっても強い焦りを感じない場合は、締切り効果の弱さが理由で計画が遅れている可能性が高いです。
準備中:延長線上の未来を描く方法
理由⑤:締切前でないと動けない
締切りに突き動かされるタイプは、難しい計画ほど締切に間に合わない、もしくは低い品質で完了させるようになる傾向があります。
学生時代の夏休みの宿題とは異なり、困難な計画は締切りへの危機感が生じた後では間に合わないためです。
締切り前でないと動けない原因として、主に次の3つの思考が挙げられます。
- やる気が高まったときが一番効率的で楽しい
- このタスクは直前にがんばれば間に合うだろう
- めんどくさいものはできる限り先延ばしにしたい
締切り直前で間に合った成功体験があるほど、締切りに依存してしまいがちです。
締切り直前までまったくやる気が出ない場合は、締切り前でないと動けないことが理由で計画が遅れている可能性が高いです。
準備中:先延ばし癖
理由⑥:緊急度に振り回されている
緊急度に振り回されてばかりいると、その分計画が遅れる傾向があります。
計画と関係ない作業に手を付けることにより、本来取り組むべきタスクに労力を費やせなくなるためです。
緊急度に振り回される原因として、主に次の3つの思考が挙げられます。
- 思いついたことに取り組むべきだ
- すべてのタスクは等しく重要である
- 緊急でないものは取り組む必要が薄い
タスクの断捨離ができていないほど、緊急度に振り回されやすくなります。
タスクを終えているのに計画が進んでいない場合は、計画と関係ない作業に取り組んでいることが理由で計画が遅れている可能性が高いです。
理由⑦:行動自体に不安や恐怖がある
行動に抵抗感が生じることで、計画を前に進められなくなります。
「行動すると損失が生じるだろう」という不安や恐怖から、目標計画を実行できなくなるためです。
行動自体に不安や恐怖が生じる原因として、主に次の3つの思考が挙げられます。
- このタスクは私にとって難しい
- このタスクに失敗したら大きな損失を被る
- このタスクを実行することで大きな被害を被る
損失に焦点を当てるほど、不安や恐怖が強まり行動量が減少します。
勇気が出ずに石橋をたたき続けている場合は、行動自体への不安や恐怖によって計画が遅れている可能性が高いです。
準備中:不安や恐怖をエネルギーへと変える方法
理由⑧:計画への束縛感に苦しんでいる
やらされている感が強まると、目標に必要な行動量が減少して計画が遅れます。
内発的なエネルギーを使えなくなり、目標行動のすべてにおいてストレスが生じるようになるためです。
計画に束縛感を感じる原因として、主に次の4つの思考が挙げられます。
- このタスクを好きになれない
- このタスクをずっと続けなければならない
- 私がこの目標や計画を選んだわけではない
- この目標を達成しても大した報酬を得られない
選ぶ自由を行使していないと感じるほど、計画への束縛感が強まります。
目標・計画・タスクに自分の意志が反映されていないと感じる場合は、やらされている感によって計画が遅れている可能性が高いです。
準備中:仕事におけるやらされている感の解消方法
理由⑨:目標自体に無意味感を抱いている
もっと他に目指すべき目標があるはずだと感じると、タスクへの集中力が低下して計画が遅れます。
目先のタスクよりも新しい目標を見つけるべきだと考えて、タスクに取り組むことの優先順位が下がるためです。
目標自体に無意味感を抱く原因として、主に次の3つの思考が挙げられます。
- この目標にがんばる価値はあるのだろうか
- もっと私を活かせることがあるのではないだろうか
- もっとラクをする人生でもいいのではないだろうか
「目標達成した未来は退屈だ」と感じるほど、目標から価値を感じなくなります。
未来を想像して高揚感が湧かない場合は、目標自体に無意味感を抱いていることが理由で計画が遅れている可能性が高いです。
準備中:目標の設定方法
理由⑩:この計画では失敗すると感じている
どうがんばってもどうせ失敗すると感じると、行動意欲が低下して計画が止まります。
「計画の前進=損失への接近」と捉えて、無意識的にブレーキをかけてしまうためです。
計画への失敗予期をする原因として、主に次の3つの思考が挙げられます。
- このままで成功するイメージが湧かない
- もっと他に成功確率の高い方法があるはず
- 誰にも保証をもらえていないから自信がない
計画への確実性を求めるほど、計画に対する自信を失います。
計画を進めることに無気力感を抱いている場合は、「どうせ失敗する」という思い込みが理由で計画が遅れている可能性が高いです。
準備中:納得できないと先に進めない
計画が遅れないための対策10選
ここでは、計画が遅れないための対策をお伝えしていきます。
過去にあった計画の遅れの原因を振り返り、自分の傾向に合った対策を講じてみてください。
対策①:2つのリストを作る
緊急度に振り回されがちな人は、次の2つのリストを使い分けることをおすすめします。
- to doリスト:やることを記述するタスクリスト
- have toリスト:目標に対してやるべきことを記述するタスクリスト
仕事は増やそうと思えばいくらでも増やせるものであり、自分でタスクの取捨選択をしなければなりません。
to doリストではタスクの優先順位をつけることがあっても、目標達成に絶対的に必要なタスクの見分けがつけられずにどうしても緊急度に振り回されがちです。
その点、have toリストは、目標達成に絶対的に必要なタスクのみを記述しています。
自分の目標達成に必要なタスクが一目でわかるため、何を最優先すべきかの軸がぶれにくく、スケジュール管理もラクになります。
「やるべき」ではなく「やったほうがいいこと」ばかりに労力を費やしてしまう場合は、have toリストを作ってみてください。
準備中:計画の立て方
対策②:見積もり力を強化する
タスクの見積もり力を強化することで、自分にとっての適切な計画を立てられるようになります。
タスクの見積もり力を強化するには、次のことをお試しください。
- 自分の1週間の行動量を記録する
- 1度で成功しないという前提を持つ
- 一般的なタスクの所要時間を調べる
- 推測した所要時間の1.3倍かかると考える
- タスクの1割を実行して所要時間を推測する
- タスクごとの自分の所要時間を記録して参考にする
「タスクの所要時間+バッファ」で見積ることで、無理のない計画を立てられます。
初めてのタスクに取り組む場合は、類推して見積ってみてください。
タスクの見積もりに自信があってもなくとも、一定の実行をしたら軌道修正をすることをおすすめします。
準備中:時間見積もりの方法
対策③:定期的に進捗を確認する
計画通りであるかを定期的に確認することで、計画の遅れを最小限に抑えられます。
計画のズレを察知するための機会が増えて、被害が小さいうちにてこ入れの必要性を検討できるためです。
困難な目標における計画ほど、予想外のトラブルが発生しやすく、計画通りに進まないものです。
特に不慣れな目標達成を目指すなら、最初に立てた計画はたたき台程度の認識を持ち、定期的に進捗確認しながら適切な計画へと修正してみてください。
準備中:振り返りの方法
対策④:2つの基準を設定しておく
締め切りよりも品質を優先してしまうと、計画は簡単に後ろ倒しになります。
完璧主義傾向を抑えるためにも、以下の2つの基準を設定してみてください。
- 最低ライン:合格できる品質最低限の成果物→納品優先
- 最高ライン:品質最大限の成果物→品質優先
最低ラインを設定するには、「何があったらこのタスクは完了なのか?」を明確にする必要があります。
本来の成功基準とのズレを抑えるためにも主観だけでこの基準を設定せずに、可能な限り情報を集めてから判断することをおすすめします。
対策⑤:2つの締切を設定しておく
困難な目標であるほど、締め切りギリギリからがんばりだしてもよい成果を上げられません。
着実に成果を出すためにも、以下の2つの締め切りを設けてみてください。
- 能動的締切:自分が決めた締切
- 受動的締切:計画を遅れさせないための締切
能動的締切を設けることで、危機感を2回感じられるようになり、より高品質な成果物を作れるようになります。
ただし、自分が自分とだけする約束は反故にしやすいです。
能動的締切を守るためにも、実行量を増やすための工夫も併せて施しましょう。
準備中:自分との約束を守る方法
対策⑥:この計画の妥当性を検討する
計画への不信感が強まると、計画を前に進められなくなります。
安心して計画を実行するためにも、計画の成功確率を検討する機会を設けてみてください。
もっともおすすめな方法は、成功している他者からフィードバックをもらうことです。
他者から課題を教えてもらい、成功へつながる道の保証をもらうことで、計画を信用できるようになります。
検討の結果として1つの計画に決めたら、一旦信じて目の前のタスクに集中しましょう。
準備中:アドバイスを受け取れない人の心理とは
対策⑦:1週間ごとにタスクを管理する
1日単位ではなく、1週間単位でタスクを管理してみてください。
1週間単位でやることを決めておくことで、トラブルが生じてもリカバリしやすく、計画に大きなズレが生じづらくなります。
- 1日単位:毎日1記事書く、毎日腕立て50回
- 1週間単位:毎週7記事書く、毎週腕立て350回
また、1週間単位のタスク管理は多忙感対策にも有効です。
アクセルとブレーキの主導権を実感できるため、自己決定感とモチベーションが高まります。
準備中:モチベーションの高め方
対策⑧:タスクごとに成果物を設定する
「がんばっているけど振り返ったら何も残っていない」という場合は、タスクごとに成果物を設定してみてください。
成果物の設定とは、「何があったらそのタスクを完了したと言えるのか」という評価基準のことです。
例.タスクごとの成果物の設定(タスク→成果物)
・本を読む→3章までを1500文字で内容を要約する
・情報収集→押さえどころを3つ書き出す
・記事の執筆:構成を作る、執筆する、修正する
行動することは大切ですが、何を得るための行動なのかが抜け落ちていると、がんばっている感だけが残り計画は前に進みません。
特に何日にもかけて取り組む必要のあるタスクは、1時間~1日ごとにタスクを分解して成果物を設定することをおすすめします。
準備中:挑戦過程の楽しみ方
対策⑨:現在の能力に合ったスケジュールを作る
「いつも計画通りに進まない」という場合は、自分の現在の能力に合ったスケジュールを作ってみてください。
成功している他者や未来の自分を参考にしたことで、現在の能力に見合わないスケジュールになっている可能性があるためです。
例.スケジュール対象
・現在の自分:1日1kmのランニング、1千文字執筆/1h
・未来の自分:1日6kmのランニング、2千文字執筆/1h
能力の練度の低いうちは、熟達者の何倍もの時間がかかるのが当たり前です。
特に新しい挑戦であるのなら、成功者のスピード感は目標程度に留めておくことをおすすめします。
準備中:理想のスケジュールの立て方
対策⑩:目標を達成して当たり前の自分像を設定する
計画の実行能力には、自身のマインドが強く影響を与えます。
実行力を上げるためにも、現在のマインドを手放して、理想の自分像が持っているマインドを身につけてみてください。
ただし、いきなり理想的なマインドを身につけることはできません。
はじめのうちは、理想の自分像のように振舞うことから始めて、徐々にそのマインドを馴染ませていくことをおすすめします。
準備中:理想の自分像
計画が遅れたときの対処法5選
ここでは、計画の遅れが発覚したときの対処法をお伝えしていきます。
対処法①:目標の必要性を再検討する
そもそも目標達成の意欲がなくなり、実行量が落ちているケースがあります。
やる気が低下している場合は、その目標達成は今でも必要であるかを検討してみてください。
目標達成を目指していると、疲れ切ってしまい視野が狭まり、本来の目的を見失ってしまうものです。
その状態のまま努力しても前進するスピードは上がらないため、一旦目標を手放して、目標の再設定をすることをおすすめします。
準備中:理想の描き方
対処法②:計画の妥当性を再検討する
「このままでは失敗するな」と感じることで、実行量が低下するケースがあります。
再び目標達成を目指すためにも、もう一度計画の妥当性を再検討して、計画を維持するか変えるかを検討してみてください。
ただし、直感的に失敗予期をしただけの場合は、失敗と原因の因果関係を明確にしましょう。
単に計画を進めること自体への不安によるものかもしれないため、「何が分かったから失敗すると考えるのか」を言語化することが大切です。
対処法③:締切をずらすかを決断する
計画が遅れたら、かならず締切をずらすかを判断してください。
締切をずらすなら、次の2つの対処が必要になるためです。
- 計画そのものを修正する
- 締切を共有している他者に報告する
一度でも締切を無視してしまうと、その後もなあなあな締切になり、ずるずると計画が遅延していきます。
計画の変更はストレスに感じるかもしれませんが、他者が関与しない計画であってもかならず締切をずらすかを決断しましょう。
ただし、外注やテンプレ化による効率化によって、短い期間でも巻き返せる場合があります。
まずは締切を守るための方法を検討して、それが無理そうなら締切を遅らせる判断をすることをおすすめします。
対処法④:計画が遅れた原因と向き合う
計画が遅れている原因によっては、その原因と向き合う必要があります。
自分にとって重要な原因である場合は、何度でもその問題が立ち塞がり、目標達成の成功確率を大幅に下げることになるためです。
原因と向き合うときは、次のことを検討してみてください。
- その原因をいつ乗り越えるべきか
- その原因を乗り越える必要があるのか
マーケティングのような自分の専門性ではない課題が計画の遅れの原因である場合は、自分で乗り越えなくても外注すればよいかもしれません。
原因を乗り越えるには莫大なリソースが必要なので、根本的に解決する必要性を可能な限り早く判断することをおすすめします。
準備中:自己成長とは
対処法⑤:計画が遅れた原因と結果を教訓化する
計画が遅れたら、かならずその問題を教訓化しましょう。
教訓化することで、次の3つのメリットが得られるためです。
- 自己成長が促される
- 失敗経験に意味を見出してストレスが減少する
- 失敗耐性が付いてより前向きに挑戦できるようになる
失敗も成功も、等しく未来の糧になる貴重な経験値です。
問題が過ぎたら失敗は忘れられがちですが、よりよい成長を果たすためにも、そこから学べるものを抽出することをおすすめします。
準備中:失敗の乗り越え方
計画が遅れることのデメリット5選
計画が遅れることでどのような損失が生じるのでしょうか。
ここでは、計画が遅れることで生じるデメリットについてお伝えしていきます。
デメリット①:目標達成を諦める
計画が遅れることで、目標に挫折する可能性が高まります。
目標達成の過程で、もっともストレスが溜まる瞬間は計画が前に進まないことだからです。
「こんなに時間を費やして私は何していたんだろう」という感覚は、目標達成を諦めさせます。
計画の遅れは起きやすいイベントの1つであるため、計画段階で次の2つの施策をおこなうことをおすすめします。
- 計画を遅れさせないための工夫
- 計画が遅れても前に進んでいる感を得られる工夫
デメリット②:締切効果が弱まる
「締切を後ろにずらしても損失を感じなかった」という成功経験を積むほど、計画通りに行動できなくなります。
締切に対する危機感が感じづらくなり、リラックス状態から抜け出せなくなるためです。
締切に振り回されることも問題ですが、締切効果は実行力を高める一面も持っています。
たとえ締切をずらすとしても、締切をずらしたことによる罪悪感と向き合い、締切を守る前提を崩さないようにしてください。
準備中:自分との約束を守る方法
デメリット③:完璧主義傾向が高まる
計画の遅延により焦りが生じることで、完璧主義傾向が強まります。
締切を先延ばしにするほど、次の2つの感覚が生じるためです。
- 挑戦できる回数が減っていく感覚
- その計画に莫大なリソースを割いている感覚
行動量を増やすような焦りは大切ですが、行動量を減らすような慎重さを生み出す焦りには注意してください。
完璧主義傾向が強まり行動量が落ちないためにも、費やせるリソースのすべてを活用せずに、1/3程度のリソースで計画を立てることをおすすめします。
デメリット④:自分への信頼感が低下する
計画が遅れる経験は、自分への信頼感を低下させます。
締切は自分や他者との約束であり、「自分=約束を反故にする人間性」というレッテルを強化してしまうためです。
自己信頼感の低さは、挑戦意欲が低下して現状維持に甘んじるようになります。
自己信頼感が低下しないためにも、計画の遅れが分かったら次の3つのことをおこなってみてください。
- 計画を遅れさせた自分を受け入れる
- 計画は遅れたが前に進められた自分を認める
- 計画を遅れさせない自分になる未来に期待する
デメリット⑤:追加でリソースが必要になる
計画が遅れるということは、新たにリソースが必要になるということです。
時間やお金、他者の信用などのリソースをさらに費やしてしまうため、より状況が悪化するかもしれません。
そこでリソースが尽きてしまい、目標を諦めなければならないということも起こり得るでしょう。
ただし、追加で必要なリソースは、自分へのペナルティという側面も持ちます。
ペナルティとして効果的なのはお金ですので、計画がずれたらお金を使った解決方法を模索してみることをおすすめします。
計画が遅れたときのNG行為3選
ここでは、計画の遅延時にやりがちだけど、やらないほうがよい行動についてお伝えしていきます。
NG①:計画の白紙化
根拠のない計画の白紙化は、目標達成をむしろ阻害する傾向があります。
実行段階よりも計画段階の方が楽しいものであり、白紙にすることが効果的か非効果的かを合理的に判断しづらいためです。
最悪のケースでは次のサイクルを回すことになり、目標達成も成長もできずにどんどんとリソースが目減りしていくことになります。
- 計画を立てる
- 実行しない
- 計画が遅れる→1に戻る
計画について再考するときは、ラクさや楽しさではなく、目標の達成可能性と達成速度を判断基準にしてください。
また、あらかじめ次の工夫をしておくことで、計画を変えるとしても足踏みする期間を短縮できます。
- 複数の計画を備えておく
- 計画の修正期間を決めておく
- 計画の失敗パターンと対策を想定しておく
- 計画に関しての問題を相談できるパートナーを見つけておく
NG②:過度な自分責め
計画が遅れてしまうと、過度に自分責めをしてしまいます。
「なんでいつも私はだらしないのだ」と、自分の誠実性がひどく劣っているように感じるためです。
しかし、過度な自分責めは成長を促すどころか、むしろ挑戦意欲を削いで成長機会が失われます。
自分の人間性にまで原因を追求すると、ネガティブな側面ばかりが強まり、百害あって一利なしということになりかねません。
課題は人によって異なるものであり、計画の遅れはその課題に気づくためのシグナルです。
自分を過度に責めるのではなく、どうしたら計画をもっと進められるのかを検討することにエネルギーを注ぐことをおすすめします。
準備中:否定的な目標は悪いのか
NG③:過度な自己正当化
「計画の遅延は重罪である」と認識しているほど、自己正当化をおこなう傾向があります。
以下のような計画の遅れによって生じるペナルティを回避しようと、他責思考を強めて自己防衛をするためです。
- 他人にバカにされる
- 才能のなさが露見する
- 地位財への損失が生じる
過度な自己正当化は、自分が向き合うべき問題から目を背けさせます。
いつまでも成長が促されずに、スキルが低く融通の利かない人間になってしまうでしょう。
自分の正しさを信じることも大切ですが、同じくらい自分の過ちも受け入れるようにしてください。
準備中:自己正当化の直し方
人によって異なる計画に対する4つのタイプ
計画の進め方は、4つのタイプに分けられます。
自分に合った対策を練るためにも、自分のタイプを調べてみてください。
態度①:はりきりタイプ
はりきりタイプとは、次のような特徴を持つ人のことです。
- 最初の数日は全力でがんばれる
- 途中でモチベーションが落ちて行動量が著しく低下する
張り切りタイプは、スタートダッシュが得意ですが、持久力に難があります。
いきなり困難な挑戦をしがちであり、飽きたり苦しくなったりしてモチベーションが下がるためです。
強みはスタートダッシュできることなので、次のことを意識してみてください。
- スタートダッシュする機会を増やす
- モチベーションを維持・向上する手段を用意する
態度②:ぎりぎりタイプ
ぎりぎりタイプとは、次のような傾向を持つ人のことです。
- 最初はのんびり計画を練っている
- 締切ぎりぎりになって慌てて行動量を増やして挽回しようとする
ぎりぎりタイプは、追い込まれたときの実行量は凄まじいですが、計画性に難があります。
締切ぎりぎりでもなんとかなると楽天的に捉えやすく、その成功経験も豊富なためです。
強みは危機的状況での行動力なので、次のことを意識してみてください。
- 他者が絡む締切を増やす
- ON/OFFのメリハリがある計画を立てる
準備中:締切ギリギリ族の改善方法
態度③:あたためタイプ
あたためタイプとは、次のような傾向を持つ人のことです。
- 最初はリラックスしてインプット
- 締切ぎりぎりになってアウトプット
あたためタイプは、締め切りまでの期間を全て使って、最高の品質のものを作ろうとします。
しかし、完璧主義になりやすく、実行量が増えづらいことに注意が必要です。
強みは常に目標に意識を向けられることなので、次のことを意識してみてください。
- PDCAを複数回す計画を立てる
- 質の高いインプット方法を計画に組み込む
- アウトプットする手順づくりを計画の冒頭に入れておく
態度④:こつこつタイプ
こつこつタイプとは、次のような傾向を持つ人のことです。
- 最初から最後まで一定のスピードで進める
- いつも一定ペースの労働をすることに苦しさを感じづらい
こつこつタイプは、計画通りに取り組んで、計画通りの成果物を作ろうとします。
しかし、計画の変更に大きなストレスを感じやすく、修正よりも白紙化を選びがちな傾向に注意が必要です。
強みは計画通りの行動が苦になりづらいことなので、次のことを意識してみてください。
- 行動の目的を思い出す機会を設ける
- あらかじめ計画の振り返り日を設定しておく
- 計画の成功可能性に関するフィードバックをもらう
まとめ
計画を遅れさせないためには、計画と実行力の問題に対策・対処することが重要です。
- リソースが足りていない:リソースを増やす、リソースを効率的に使う
- リソースを使えていない:実行力を高める
- 計画自体が破綻している:見積もり力を上げる
計画が遅れているときは、前進しているのか、停滞しているのかをまず確かめてみてください。
停滞している場合は、不安や恐怖によって行動が止まっている可能性が高いです。
コーチングのような専門家から支援を受けて、精神的な課題の解決を目指すことをおすすめします。
準備中:目標達成にコーチングが有効な5つの理由