新しい挑戦をするとき、多くの人がぶつかる壁が「失敗への恐怖」です。
失敗を恐れて行動が止まったり、失敗の責任感から強く自分を責めたりした経験は多くの人があるのではないでしょうか。
しかし、失敗を活かす方法が身につけば、前向きに挑戦できるようになります。
この記事では失敗の活かし方についてお伝えするので、ぜひとも参考にしてみてください。
そもそも失敗とは何か?
失敗とは、基準よりも低い結果への解釈です。
理想と現状に負のギャップが生じることで、その結果を失敗だと感じてしまいます。
失敗だと感じたら、その対にある理想を明確にすると、新たな気づきが得られるかもしれません。
例.テスト結果への解釈
・成功解釈:テストで80点を目指して、結果は90点だった
・失敗解釈:テストで100点を目指したのに、結果は90点だった
失敗を活かせる2つの対象
失敗を活かせる対象とは、失敗経験をフィードバックできる対象のことです。
ここでは、失敗を活かせる2つの対象についてお伝えしていきます。
対象①:外側の問題
外側の問題とは、方法・技術・仕組みにおける課題のことです。
外側の問題を対象に失敗を活かすには、「どうすればよくなるのか」を検討します。
外側の問題を対象にするメリットは他者と同じ方法で解決しやすく、解決までの時間が早いことです。
しかし、いくら外側の問題へ対策を講じても、心のわだかまりが解消しない場合は、内側の問題として認識する必要があります。
例.会社に遅刻したときの外側の問題改善
・朝の準備時間を短くする
・目覚まし時計を3つ設置する
・1本早い電車に乗るようにする
・寝室にスマートフォンを持ち込まないようにする
対象②:内側の問題
内側の問題とは、感情・思い込み・価値観における課題のことです。
内側の問題を対象に失敗を活かすには、「何を感じているのか」を検討します。
行動への抵抗感や不快な感情が生じるときは、内側の問題に対処することが有効です。
しかし、内側の問題を解決するには、深い内省と3ヵ月以上の検証作業が必要になるため、自分にとって重要な問題のみ取り扱うことをおすすめします。
例.会社に遅刻したときの内側の問題改善
・夜更かししたい理由を探る
・会社で働くことのデメリットやリスクを探る
・会社に遅刻することで得られるメリットを探る
・時間通りの行動をすることに対する抵抗感を探る
準備中:精神的な成長を遂げる5ステップ
失敗の2つの種類
失敗には主に2つの種類があります。
ここでは、2つの種類の説明と対応方法についてお伝えしていきます。
種類①:過去の失敗
過去の失敗とは、すでに生じた結果のことです。
過去に戻らない限り結果を変えられないため、それを教訓にして活かすことで失敗経験と折り合いをつけます。
失敗は時間と固く結びついており、その失敗が未来に続くわけではありません。
失敗の先にある成功を得るためにも、過去の失敗を生産して痛みに囚われないようにしましょう。
例.過去の失敗
・遅刻した
・受験に落ちた
・告白して振られた
・起業しても稼げなかった
種類②:未来の失敗
未来の失敗とは、これから生じるかもしれない可能性のことです。
これから最悪な事態になるという恐れを引き起こすため、その未来の検証と対策によって折り合いをつけます。
未来の失敗への恐怖は危険を知らせる直感的なサインですが、その信憑性は乏しいです。
そのような失敗パターンがあるのだという事実を客観的に受け止めるだけにして、過度に恐れないように注意してください。
例.未来の失敗
・明日遅刻するかも
・このままでは受験に落ちるかも
・きっと明日の告白はひどく振られるんだ
・起業して失敗したら周りからひどくバカにされる
過去の失敗を活かす基本のステップ
ここでは、失敗経験を活かすための基本的な手順についてお伝えしていきます。
ステップ①:失敗を見つける
失敗を活かすためには、まずは失敗を見つけなければなりません。
直接的なフィードバックがないと、私たちは自分の失敗になかなか気づけないためです。
失敗を見つけるためには、理想的な結果を明確にしてみてください。
その理想的な結果を基準に実際の結果を振り返ることで、自分の失敗に気づけるようになります。
例.自宅での勉強
・理想の結果:夕飯を食べたら3時間勉強する
・実際の結果:夕飯を食べたら1時間しか勉強しなかった
・失敗:勉強に集中しきれなかったこと
ステップ②:失敗を処理する
失敗を見つけたら、それ以上被害が広がらないように処理します。
失敗の多くは、早く対処するほど傷が小さくなるためです。
失敗をすることよりも、失敗をどのように処理するかの方が相手に与える心象に大きく影響します。
まずは「なぜ失敗したのだろうか」よりも先に「これ以上被害を広げないためにはどうすればいいだろうか」を考えて対処してください。
例.お客様からクレーム
・失敗の検討:販売時の説明が足りなかったのかもしれない
・失敗の対処:真摯に話を聞き、謝罪をして、判断が難しいことは上司に尋ねる
ステップ③:失敗を分析する
失敗を処理して時間に余裕が生まれたら、今回の経験を振り返って失敗の原因を分析します。
失敗を分析するときは、次のようなことについて検討してみてください。
- 今回の仮説は何だったのか
- この仮説で何を期待していたのか
- この仮説で何が成功したのか
- この仮説で何が失敗したのか
- この仮説を実行して何を感じたのか
- この仮説を実行して気づいたことは何か
- この仮説はなぜ失敗したのか
失敗原因の分析では、自己否定感を強めてしまうことに注意してください。
自己否定をしないためには、振り返りの質問シートを作ったり、コーチングを活用したりすることをおすすめします。
準備中:振り返りの方法
ステップ④:失敗への対策を練る
失敗を分析して原因を突き止めたら、同じ失敗をしないための対策を練ります。
対策の案が思い浮かばなかったり、原因が分からなかったりする場合は、情報収集をしましょう。
書籍を読む・動画を見る・人に尋ねるなどの行動によって新たな仮説を築いてください。
その仮説を他者に評価してもらうと、さらに精度の高い仮説を作れます。
準備中:問題解決の基本
ステップ⑤:教訓を言語化する
今回の失敗経験から学んだことを言語化します。
教訓化することで、さまざまな状況で今回の失敗経験を活かせるようになるためです。
失敗経験から大きな痛みを感じるほど、教訓を強く記憶に刻めます。
この経験を無駄にしないためにも、失敗した結果としっかりと向き合ってみてください。
例.会社に遅刻した
・原因:原因が目覚まし時計の故障
・対策:目覚まし時計を2つ準備する
・教訓①:遊びたい欲求に負けるとひどい目にあう
・教訓②:遅刻しても謝り方によってはむしろ信頼が増す
・教訓③:絶対に失敗してはいけないことには二重の対策を講じるべき
ステップ⑥:新しい行動を実践する
改善案を立てたり、教訓を得たりするだけだと現実の変化は限定的なものになります。
現実を大きく変えるためには、自分のパターンを新しいものに変える必要があるためです。
新しいパターンを形成するためにも、次の手順をおこなってください。
- 教訓を活かすための行動計画を立てる
- 行動計画を実行する
- 実行結果を検証して成果を味わう
準備中:実行力の高め方
失敗を活かせる人の特徴
失敗を活かせる人とは、どのような人なのでしょうか。
ここでは、失敗を活かせる人の特徴についてお伝えしていきます。
活かせる人①:失敗に対して前向き
失敗に対して前向きとは、失敗した事実をポジティブに受け取れるということです。
具体的には、次の3つの状態のことを表します。
- 失敗から受けるダメージが限定的
- 失敗の役割は自己成長を促すことだと考えている
- 失敗による損失ではなく成功するための課題に焦点を移せる
失敗に対して前向きであることは、失敗することに痛みを感じないというわけではありません。
後悔や罪悪感を感じつつも、その経験を自己否定に使うのではなく、前進のための糧に使える状態です。
失敗を活かせるようになるためにも、失敗を拒絶するのではなく、失敗を歓迎するマインドを身につけてみてください。
準備中:成功や成長に欠かせないマインドとは
活かせる人②:感情と論理を分けている
感情と論理を分けるとは、失敗の経験を情報として整理して取り扱えるということです。
感情と論理を混ぜて考えると、自罰的な感情をもとに、失敗原因を直感で決めつけてしまいます。
例.会社に遅刻
・感情と論理の混同:自分は昔からダメな奴だから社会人になっても遅刻するんだ
・感情と論理の分離:遅刻をしたのは夜更かししたから
感情と論理を分けて考えるには、自分ごとではなく他人事として考えてみてください。
失敗したのが自分ではなく友人だったらどのように振舞うかを想定することで、感情を落ち着かせて分析できるようになります。
活かせる人③:自分にも責任があると考える
自分にも責任があると考えるとは、どのような結果にも自分が影響を与えていると認識することです。
自分がどれほど素晴らしいパフォーマンスを発揮できたとしても、反省すべき点は必ずあります。
にも関わらず、他責思考にしていては自分を変える動機を失い、周りばかりを変えようとしてしまうでしょう。
自己成長のためにも、失敗したら自分にも非があることを受け入れてみてください。
「もしも過去に戻ったら何ができるのだろうか」と自分に焦点を当てることで、失敗経験を最大限に活かせます。
例.電車の遅れにより会社に遅刻
・他責思考:電車が遅れたのが悪い
・自責思考:自分がギリギリに出社したのが悪い
失敗を活かせない人の特徴
失敗を活かせないとは、次の2つの結末になることです。
- 失敗の経験から改善策が生まれない
- 行動を抑制するような教訓を得てしまう
ここでは、失敗を活かせない人の特徴をお伝えしていきます。
活かせない人①:振り返りに抵抗感がある
振り返りに抵抗感があるとは、失敗経験と向き合うことを回避したがる傾向のことです。
真摯に失敗に向き合えないため、改善もできず教訓も得られません。
失敗と向き合うためにも、まずはこの抵抗感を取り除くことから始める必要があります。
振り返りの抵抗感を取り除くには、その根拠となる思い込みや価値観を明らかにしてみてください。
その思い込みや価値観の妥当性を確かめることで、振り返りへの抵抗感を和らげる可能性があります。
【振り返りに抵抗感がある人の傾向】
・私は分析することが苦手だ
・大きな問題が起きたら考える
・今回はたまたま失敗しただけ
・考えるよりも実践したほうが成長する
・改善することは自分に落ち度があった証明になる
準備中:価値観の見つけ方
活かせない人②:外部要因だけが失敗の原因だと考える
自分には一切の非がないと考えてしまうと、そこから得られるものがなくなります。
「自分が変わるべきではない」という思考によって、自己成長するための検討ができなくなるためです。
一見すると外部の原因だとしても、自分が変えたほうが成功確率が高まるだろうというポイントは必ずあります。
失敗を活かすためにも、「99%は外部の責任だが、自分にも責任が1%あるとしたら、どうすればよかったのか?」と自問自答してみてください。
【他責思考の人によくある傾向】
・失敗したのは運が悪かっただけだ
・私には才能がないから失敗したんだ
・周りがしっかりしてれば成功したのに
準備中:他責思考の直し方
活かせない人③:失敗をすることでひどく落ち込んでしまう
失敗にストレスを過剰に感じてしまう場合、失敗を活かすための思考が難しくなります。
ネガティブな感情やストレスは論理的な思考を抑制させ、自己否定や他責思考を強める振り返りになるためです。
失敗に過剰反応してしまう場合は、失敗で受けるダメージと向き合う術を身につけてみてください。
具体的には、以下の2つのアプローチで失敗に過剰反応することを抑えられます。
- 失敗によるダメージを小さくする
- ダメージを受けても動揺しなくなる
失敗を活かすことで得られる3つのメリット
失敗を活かすとは、失敗という経験を糧にするということです。
ここでは、失敗を活かすことで得られるメリットについてお伝えしていきます。
メリット①:自己成長を促せる
自己成長とは、より理想的な自分像に近づくということです。
失敗の経験を糧にして、理想を実現できるような自分になることは自己成長と呼べるでしょう。
自己成長にはスキル的成長と精神的成長の2種類があり、どちらにも失敗の経験を活かせます。
理想の自分像に近づきたい場合は、多くの失敗を積み重ねてそれらを活かすことが近道です。
準備中:自己成長とは
メリット②:成果を得られる確率が安定する
成功の再現性を高めるためには、多くの失敗を重ねる必要があります。
失敗には複数の原因があり、運やタイミングによってどの原因が作用するか分からないためです。
1度の失敗ですべての原因を見つけることはできませんが、失敗ごとに対処することで原因は確実に減っていきます。
そういう意味では失敗を活かすということは、失敗を引き起こす罠を1つずつ解除していく作業とも言い換えられるでしょう。
成功するためには、成功の感覚を知ることも大切ですが、失敗の理由を知っていることも大切です。
1度で成功したことよりも、何度も失敗してからの成功の方が成功の再現性が高いので、多くの失敗を重ねて未来に活かしてみてください。
例.寝坊して会社に遅刻しないための原因
・通勤距離が長いから
・昨晩夜更かししたから
・上司に会いたくないと感じているから
・もっと自由に働きたいと感じているから
準備中:完璧主義を手放す方法
メリット③:挑戦へのモチベーションを維持できる
失敗することへの意味を理解していると、失敗に起因したモチベーション低下を抑えられます。
失敗することで受けるダメージが小さくなり、むしろ前進を実感できるようになるためです。
特に困難な挑戦であるほど、多くの乗り越えるべき失敗が存在します。
それらの失敗に折れることなく挑戦を続けるためにも、失敗を活かす方法を身につけ、失敗の役割や意味をポジティブに解釈してみてください。
準備中:モチベーションの高め方
失敗で受けるダメージとの向き合い方
失敗したら誰でも心に傷を負いますが、その傷の大きさは認識の仕方によって異なります。
ここでは、失敗で受けるダメージの取り扱い方についてお伝えしていきます。
向き合い方①:失敗の捉え方を変える
失敗の捉え方によって、失敗によるダメージは小さくなります。
失敗の痛みは解釈によるものであり、私たちは失敗を重く受け止めて解釈する傾向があるためです。
ダメージを小さくするための解釈をするには、広い視野を持って失敗を捉えることが必要です。
具体的には、次の方法をお試しください。
- 打率で考える:百発百中で成功するわけがない
- プランを複数作る:1つのプランが失敗しただけ
- 失敗の意味づけを変える:今のうちに練習できてよかった
- 一旦時間を置いてから考える:思考がごちゃついているから一旦寝よう
- 感情と論理を分けて振り返る:振られた理由は自分のことを優先しすぎたからかも
- 未来の自分になりきって振り返る:「太郎、それは大したことないよ」
向き合い方②:ポジティブな部分も受け取る
失敗をしたら、まずはできた部分を見てください。
失敗してダメだった部分だけを見ると、ストレスばかりが溜まり過剰にダメージを負うためです。
どれほどひどい失敗の中にも、かならず小さな成功が隠れています。
小さな成功を見つけるためには、次の方法がおすすめです。
- 結果を10段階で評価する
- その評価が取れた理由を言語化する
- 次の同じようにそれができるコツを言語化する
例.営業の失敗に隠れた小さな成功
①評価:今回の結果は3点
②理由:勇気をもってお客様に提案できたから
③コツ:断られても自分を否定しているわけではないと理解すること
向き合い方③:ダメージを受けても動揺しなくなる
失敗によるダメージを繰り返し体験しないことで、失敗に振り回されづらくなります。
失敗によるダメージは時間経過だけでは減衰しづらく、思い出すたびに同じ痛みを体験してしまうためです。
失敗のダメージを何度も体験しないためには、次の3つの施策が有効です。
- 失敗を教訓化する
- 失敗の過去想起をしづらい状態にする
- 失敗の過去想起をしてもすぐに中断する
【ダメージに動揺しづらくなるための方法例】
・元気になる:元気であるほどポジティブに捉えられる
・他者と振り返る:誰かと振り返ると冷静になれる
・失敗の数を数える:打率で考える
・マインドフルネス:妄想ではなく今に集中する
・理想の未来を描く:何のための失敗か
・理想の自分像を設定する:どんな自分でありたいかを考える
・失敗に固有の名前を付ける:何度も思い出してしまうときに有効
・自分の役割と責任を明確にする:役割と責任を意識すると役割効果が得られる
準備中:元気になる方法
未来の失敗を乗り越える基本ステップ
ここでは、失敗への恐れを乗り越えるための方法をお伝えしていきます。
ステップ①:失敗を恐れていることに気づく
まずは、自分が失敗を恐れていることに気づきましょう。
「なんか動けない」と感じても、それが失敗を恐れている感覚だと思えないためです。
次のような行動や思考の兆候は、失敗を恐れている可能性が高いです。
- 行動が止まる
- 計画をこねくり回す
- 他人の成功を批判する
- 失敗した他人を批判する
- 行動しない言い訳をする
- インプットばかりでアウトプットしない
ステップ②:恐れの正体を明確にする
失敗への恐れに気づいたら、その恐れの正体を明らかにします。
本当に恐れていることは「失敗すること」ではなく、「失敗によって被る不利益」だからです。
真に恐れている正体を明らかにするには、失敗した先にある最悪の未来を想定してみてください。
その未来が嫌だと感じる理由をイメージして言語化することで、恐れている本当の問題にたどり着きます。
例.SNS投稿が怖い
・最悪の未来:下手な投稿をするとみんなに一生バカにされる
・本当の問題:一生の傷を負う未来
ステップ③:恐れの正体を検証する
恐れの正体が分かったら、次の2つを検証していきます。
- その未来の深刻さ:本当に重大な問題なのか?
- その未来が起きる可能性:どのくらいの確率で起きるのか?
ここでの目的は、恐れるに足りない出来事か否かを頭で理解することです。
心の底から納得しなくてもいいので、失敗の影響を客観的に検討してみてください。
例.SNS投稿が怖い
・本当の問題:失敗すると生き恥を晒すことになる
・未来の深刻さ:バカにする人もいるけど、それは一部である
・未来が起きる可能性:生活に支障が出る可能性は1%程度かも
ステップ④:最悪の未来への対策をする
失敗への影響を検討したら、次の2つの対策をおこないます。
- 予防:最悪の未来が起きないための対策
- 対応:最悪の未来が起きてもどうにかするための対策
ここでの目的は、「挑戦しても大丈夫」という安心感を持つことです。
「まぁなんとなかるかな」と感じられることで、挑戦することへの迷いがなくなり行動に没入できるようになります。
例.SNS投稿が怖い
予防:炎上しないためのチェック項目を作る
対応:最悪の場合は知り合いに頼んで雇ってもらう
失敗への恐怖を和らげるコツ5選
ここでは、未来の失敗への恐れを和らげるためのコツをお伝えしていきます。
コツ①:成功した未来を見る
失敗することに恐怖を感じたら、成功した未来に焦点を当ててみてください。
失敗の先に成功があり、成功することで失敗による影響を帳消しにできることが多いためです。
「失敗したら〇〇になるだろう」と怖くなったら、「その後に成功したらどうなるか?」を考えます。
そのように焦点を未来に移すことで、失敗への恐怖を和らげるとともに、成功することへの動機づけを強められます。
例.SNS投稿が怖い
・失敗に焦点:失敗したら皆にバカにされる
・成功に焦点:成功したら失敗時にバカにした人も評価を変えるだろう
コツ②:目的をすり替えない
成功ではなく失敗を回避することに目的がすり替わると、失敗への恐怖が何倍にも膨れ上がります。
失敗することが前提になるとともに、失敗したら終わりだという意識が強まってしまうためです。
成功するという目的を維持するためには、成功することに強い動機づけをする必要があります。
そのためにも、次のようなことをしてみてください。
- ときめくような理想の未来を描く
- 成功することによるポジティブな影響を明確にする
- 行動することによるポジティブな影響を明確にする
例.SNSが怖い
・失敗回避が目的:無難な発言をしよう、投稿するのをやめよう
・成功することが目的:何を伝えるべきで、何を伝えないべきかを明確にしよう
準備中:理想の描き方
コツ③:誰かと一緒に挑戦する
誰かと一緒に挑戦することで、恐怖を感じずに行動できるようになります。
仲間との関係性に意識が向くことで、失敗による損失から距離を置けるためです。
ただし、関係性が優先されることによる、次のようなリスクに注意してください。
- 仲間にどう見られるかが重要になる
- 失敗を軽視するようになり成長できなくなる
- 成功よりも仲間との関係性を重視するようになる
コツ④:一定期間信じると決める
自分・相手・方法を信じると決めることで、失敗への恐怖を頭から振り払えます。
「考えても無駄だ」と認識することにより、目先の作業に没入できるようになるためです。
一定期間信じるためには、自分はどうしたいのかを認識する必要があります。
そのためにも、次の2つのいずれかを決断してみてください。
- 失敗のリスクを回避するために挑戦を諦める
- 失敗のリスクを踏まえて成功するために挑戦する
例.SNS投稿
・自分を信じる:私ならできるはずだ
・相手を信じる:あの人の言うことは間違いないはずだ
・方法を信じる:この方法なら成功できるはずだ
準備中:決断を促す方法
コツ⑤:理想の自分像を設定して演じる
理想の自分として振舞うことで、些細な恐怖に動じなくなります。
振舞いたい行動を肯定するために、視野が広がって恐怖による影響を客観視できるようになるためです。
理想の自分を描き演じるためには、その挑戦に勇気を持って挑める自分を想像することから始めてみてください。
想像することが難しいときは、ロールモデルやマンガの主人公を見本にして自分の理想像を作りあげることをおすすめします。
例.SNS投稿
・素の自分:投稿するとバカにされる…
・理想の自分:バカにする人を相手にしても意味がない
準備中:理想の自分像
失敗に関する3つの注意点
失敗にはメリットがありますが、取り扱い方を間違えるとデメリットのほうが大きくなります。
ここでは、無謀な失敗をしないための注意点についてお伝えしていきます。
注意点①:挑戦の前提
挑戦の前提として、あくまで成功を目指すことが重要になります。
失敗の経験は成長の糧になりますが、もっとも有効に活かせる経験は「本気で成功を志した失敗経験」だからです。
失敗を許容することと、失敗してもよいと気を緩めることは異なります。
成功するためにも、成長するためにも、最初から最後まで本気で成功を目指してみてください。
注意点②:挑戦のリスク調整
1度の挑戦ですべてが台無しになるようなリスクを背負わないようにしましょう。
失敗を活かすためには、同じような挑戦に再び挑む必要があるからです。
何度も挑戦できる前提があるからこそ、失敗による教訓を活かすことができて最終的な成功確率が高まります。
特に起業や自己投資のような大金が必要な出資では、失敗する可能性を考慮して自分のリソースを1度にすべて費やさないようにしてください。
例.株式投資のリスク調整
・雑なリスク調整:1回の下落ですべての資産を失うほど一度に大きく買う
・妥当なリスク調整:5回の下落に耐えられるように細かく買う
準備中:成長を加速するための自己投資先とは
注意点③:原因の掘り下げ方
失敗の原因を掘り下げるときは、できる限り広い視野を保つようにしましょう。
直感を活用するような狭い視野で原因を掘り下げると、効果の薄い解決策や教訓にたどり着きやすいためです。
広い視野で原因を掘り下げるには、幅広い可能性に目を向けることが重要です。
そのためには、原因を掘り下げるとき次のような工夫をしてみてください。
- 原因を10個挙げる
- 誰かと一緒に分析する
- あらかじめ評価基準を設けておく
例.セールスの失敗原因
・直感的:話し方が悪いはずだから、話し方を改善しよう!
・論理的:最初からお客様は乗り気ではなかった。もっと商品が求められるための工夫が必要だ
準備中:アドバイスを受け取れない人の心理とは
失敗に関するQ&A
Q&A:失敗経験を増やすにはどうすればいい?
失敗経験を増やすには、いつもとは異なる行動をすることが重要になります。
次の方法をおこなうことで、失敗経験を増やして成長を促すことができるでしょう。
- 困難な目標に挑戦する
- 失敗ケースを想定する
- ネガティブな感情に目を向ける
- 他者の失敗を自分ごととして振り返る
準備中:目標の見つけ方
Q&A:失敗する自分を許せない。どうすればいい?
失敗する自分を許せず、「なんでこんなことをしてしまったんだ」と後悔が続いてしまうことがあります。
このようなケースでは、過去の自分と未来の自分を切り分けることが有効です。
具体的には、次の手順を試してみてください。
- 失敗を見つける
- 過去の自分に何を期待していたかを明確にする
- 過去の自分への期待が妥当だったかを確かめる
- 過去の自分を他人と置き換えて振り返り分析する
- この教訓を活かしたら未来の自分はどうなるのかを想像する
- 実際にその教訓を活用してよい結果を得る
- 過去の失敗した自分にその教訓をくれたことを感謝する
Q&A:失敗すると他人を恨んでしまう。どうすればいい?
チーム戦のように誰かと協力するプロジェクトでは、失敗は全員の責任です。
しかし、誰か1人の際立った戦犯行為があると、その人がすべて悪いと考えてしまい恨んでしまうことがあるでしょう。
このようなケースで他人を恨まないためには、未来の自分に活かせるという希望を見つけることが有効です。
具体的には、次の手順を試してみてください。
- 動画視聴やスポーツなどをして頭をリセットする
- 失敗した最大の原因が他者にあることを見つける
- その状況に陥った理由を分析して改善策を検討する
- その状況に陥ったときの自分ができる打開案を考える
- その状況に自分が陥ったときの対処法を考える
- 今回で得られた教訓や解決策が何につながるのかを言語化する
- 今回得た教訓や解決策を活用してよい結果を得る
- 失敗した相手に対して理想の自分ならどう振舞うのかを考える
- 理想の自分になりきって失敗した相手と接する
また、日頃からマインドフルネスをすることで、ネガティブ感情に振り回されなくなります。
カッとならないようにすることは難しいですが、不快な感情を早く鎮静化させることは短い期間で習得できるのでお試しください。
Q&A:失敗することが怖くて動けなくなる。どうすればいい?
「情報発信をしたら変な人に目をつけられて怖い目にあうかもしれない…」
このように失敗に伴うリスクを恐れて、行動が止まってしまうことがあります。
失敗への恐怖を乗り越えるためには、損失を検証することが有効です。
具体的には、次の手順を試してみてください。
- 怖いから動けないのだと理解する
- 失敗による結末を列挙する
- 失敗を「致命的な失敗」「致命的ではない失敗」に分類する
- 致命的な失敗をした最悪の未来を検討する
- 実際に最悪の未来に陥る確率を検討する
- 最悪の未来を訪れないように予防する方法を検討する
- 最悪の未来が訪れたときの対応策について検討する
- 最悪の未来を実際に体験した人のその後を調べる
- 一般的に成功するまでに何回ほどの失敗が必要かを調べる
- どのような姿勢で挑戦したいかを明確にする
- 理想の自分になりきって挑戦をする
準備中:不安や恐怖をエネルギーへと変える方法
Q&A:失敗の経験を何度も思い出して辛い。どうすれば忘れられる?
心に強い傷を残すような失敗は、何度も思い返しては苦しんでしまうものです。
学生時代の失敗経験を思い出しては顔が熱くなり、枕に頭を押し付けることを繰り返している人は多いのではないでしょうか。
しかし、残念なことに、どのような工夫を施してもこの失敗した過去は反すうしてしまいます。
私たちができることと言えば、反すうした過去を再体験せずに、今に戻ってくるしかないのです。
過去の経験に振り回されないためには、記憶を客観視することが有効になります。
具体的には次の手順を試してみてください。
- 過去の失敗経験を思い出す
- 過去の失敗経験から得られる教訓を抽出する
- 過去の失敗経験に名前をつける
- 過去の失敗経験を思い出すたびにその名前を呼び感謝を伝える
- 自分の名前を呼びこれから何をすべきかをアドバイスする
Q&A:対策を練っても何度も同じ失敗をしてしまう。どうすればいい?
対策を練っても同じ失敗をしてしまう理由は、主に次の3つが挙げられます。
- 誤った対策を試している:失敗の原因の再検討
- 正しい対策だが練度不足:同じ方法で何度も挑戦
- 対策を実行できていない:実行できない理由の分析と改善
まずはどの理由によって失敗を繰り返してしまうのかを検討してみてください。
自分の分析内容を成功者や先達に評価してもらうと、失敗の本当の理由を見つけやすくなります。
自分1人で振り返ることが難しい場合は、コーチングを受けてみるとよいかもしれません。
準備中:目標達成にコーチングが有効な5つの理由
まとめ
挑戦には失敗がつきものであり、失敗と正しく向き合うことで自己成長が加速します。
失敗を活かすも殺すも自分次第であり、もっとも重要なことは失敗と向き合うときのマインドです。
失敗に抵抗感がある場合は、失敗の意味を捉え直し、失敗を活かすような経験を繰り返し体験してみてください。