福沢諭吉やウォルトディズニーなど、多くの著名人が現状維持を否定的に捉えています。
しかし、現状維持が優位に働く場面も存在するため、現状維持を一概に悪者扱いすべきではありません。
むしろ「現状維持=悪」と認識することは、人生を不幸にさせる原因になり得ます。
そこでこの記事では、現状維持をするか否かを決めるときに考えたいポイントについてお伝えしていきます。
新しい挑戦をすべきか否かで悩んでいるならば、この記事から新しい視点を取り入れて、もう一度検討してみてください。
現状維持を選ぶことの何が悪いのか?
ここでは、現状維持を選ぶことのデメリットを4つお伝えしていきます。
理由①:経験量が乏しくなるから
すでにできることを選ぶことは、安定した成果の獲得とストレスフリーのメリットがあります。
しかし、同じ行動の繰り返しでは新しい経験が得られないため、できることは増えず、自己決定感も失われていくでしょう。
それは結果的に、経験量が多い人に比べて自身の市場的な価値やモチベーションの低下にもつながります。
自身の市場的価値を上げたかったり、人生をより楽しみたかったりする場合は、いつもとは異なる選択から新しい経験を得て、できることや自己決定感を増やす試みをしたほうがよいかもしれません。
理由②:チャンスが掴みづらくなるから
チャンスを掴むためには、チャンスに挑戦する機会を増やすことが重要です。
たとえばよい恋人を見つけたいなら、いつも通りの仕事をするだけではなく、異性と出会うための機会を増やすことが有効になるでしょう。
現状を変えるためには、現状とは異なる選択が必要になります。
誰かが現状を好転してくれるのを待つのではなく、新たな行動を自ら選択することによって現状を変える試みをしてみてください。
理由③:悪化していることに気づけなくなるから
現状維持をしていると、現状が悪化しているのか好転しているのかが分からなくなります。
私たちは比較することでしか違いを判断できず、手が付けられないほど悪化しないと気づけないためです。
例.願望→変化の必要性に気づくタイミング
・いつか婚活をしよう→もう今年が結婚適齢期だ
・いつかダイエットをしよう→もう来週が健康診断だ
・いつか稼ぐための努力をしよう→いまさら転職なんて無理だろう
本当の現状維持は想像するよりもはるかに難しいです。
現状維持を選ぶときは、現在は過去よりも悪化していないのかを念入りに疑う必要があります。
理由④:単なる逃避である可能性があるから
現状維持が悪い未来を引き起こすと言われる理由として、現状維持をすることの目的がふさわしくないことが挙げられます。
たとえば、転職するか否かで悩んでいるとき、「恥ずかしいと思われたくない」という目的を果たすために現状維持を選ぶといったようなケースです。
このケースの問題点は、転職によって得たい目的と、転職活動をしないことで得たい目的がすり替わっていることにあります。
- 転職によって得たい目的:収入UP、自己実現、自由な時間
- 転職をしないで得たい目的:怒られないこと、嫌われないこと、目立たないこと
多くの現状維持は、このような「逃避のための選択」として用いられています。
しかし、一瞬の安らぎを得る代わりに、未来への焦りや不安を抱え続けてしまうため、逃避による現状維持は悪い未来を引き起こしやすいのです。
現状維持の善し悪しを見分ける3つの判断基準
状維持には、「よい現状維持」と「悪い現状維持」があります。
現状維持をすべきか変化を起こすべきかで判断を迷っている場合は、ここで紹介する3つの判断基準を用いて再検討してみましょう。
基準①:今後の見通し
現状維持か否かを考えるとき、まずは今後の展望を見据えることが重要です。
たとえば、フリーランスとして月商50万円稼げるようになったが、今の状態を維持するか新しい挑戦をするかで悩んでいるとします。
一般的には、新しいことに挑戦したときのメリットやデメリットなどを検討して、利益が多いほうを選択しようとするでしょう。
しかし、この悩みで最初に考えたいことは、「今後どうなりたいのか」という理想の未来です。
- 結婚して仕事を辞めたい→現状維持の方が適している可能性が高い
- もっと多くの人と関わって夢を実現したい→変化を起こすための行動が必要
よい現状維持とは理想の未来を実現するのに必要な選択であり、悪い現状維持とは問題に目を背けるだけの選択です。
もしも現状維持をしようとしているなら、その現状維持が理想の未来にどうつながっているのかを検討してみてください。
準備中:理想の描き方
基準②:成長可能性と効率
「現状維持=悪」だと考えられている理由として、現状維持よりも現状の向上に時間や労力を割いたほうが成長しやすいことが挙げられます。
たとえば、次のうちどちらのほうが10年後に成長していると感じるでしょうか。
- 素人が1日で習得できる仕事を、10年間変わらず毎日8時間続けている場合
- 1年ごとに今の自分には難しい目標を更新して達成を目指している場合
成長を促すためには「人」「環境」「課題」をより高度にすることが重要です。
それを考えると、困難で多様な課題と向き合ってきた経験をしている後者の方がより成長しやすいでしょう。
たとえ段ボールの組み立て作業をするとしても、「いつも通りにやろう」よりも「いつもより30秒時間を縮めよう」と課題を困難にしたほうが人は成長するものです。
現状維持か新しい挑戦をするかで悩んだら、次の2つの視点から検討していると新しい気づきが得られるかもしれません。
- それぞれの場合でどのような成長を見込めるのか
- それぞれの成長には自分にとってどのような価値があるのか
準備中:自己成長とは
基準③:エネルギー残量
新しい挑戦を嫌がる理由として、「もうこれ以上がんばれない」というエネルギー残量の少なさが挙げられます。
たとえば、結婚したいけど、毎日残業続きで元気がない状態の場合。
そんななか恋人を作ることを目標にしても、当然行動を起こす余裕がなく、不安や焦りばかり強まってしまいます。
たとえ婚活への行動が起こせたとしても、現状から逃れたいあまりに、ろくでもないパートナーと結ばれてしまう可能性も高まるでしょう。
エネルギー残量が少ないときは、新しい挑戦をしても悪い結果になりやすいです。
元気がないことを理由に現状維持を選んでいるならば、無理に変化することを自分に求めずに、まずはエネルギーを取り戻すことに注力したほうがよいかもしれません。
準備中:元気になる方法
現状維持をするための方法
ここでは、現状維持をするための健全な方法についてお伝えしていきます。
手順①:現状維持の基準を明確にする
まずは、自分が望む現状維持を言語化していきます。
たとえば、次のようなケースが挙げられるでしょう。
- このまま平和な家庭を維持すること
- このまま皆が楽しそうに働ける職場を維持すること
- このまま成長できる環境に残り続けることを維持すること
自分の理想の未来にとって、必要な現状維持とは何なのかを考えてみてください。
不安や恐怖などの理由ではなく、ポジティブな感情が生じる現状維持を模索しましょう。
手順②:現状維持を目標に設定する
明確になった現状維持の基準をもとに、目標を設定していきます。
以下の要素を組み込んだ目標を設定することで、取り組むべきことが見つかりやすくなるためです。
- Specific(具体性):イメージが湧くような具体的な目標
- Measurable(測定可能):測定ができる数値化された目標
- Achievable(達成可能):今の自分でも達成可能で現実的な目標
- Relevant(関連性):目的と関連性の強い目標
- Time-based(期限):いつまでにやらければならないのかという期日
例.
・Specific:このまま平和な家庭を維持する
・Measurable:今まで通り毎月2回は家族で楽しい思い出を作る
・Achievable:今は家族仲が良好で、収入も安定しているため可能である
・Relevant:家族にとって帰ってきたいと思える場所づくりにつながっている
・Time-based:今年の12月までこの目標を維持する
準備中:目標の達成方法
手順③:現状を維持できなくなる要因と対策を見つける
目標を設定したら、目標達成が阻害される要因とその対策を見つけましょう。
何もしないと現状は悪化する一方であり、意図せずとも大きな変化が生じてしまうためです。
阻害要因と対策を見つけるためには、次の問いへの答えを見つけてください。
- このまま何もしないとどうなるのか?
- 何が起きたら現状が破壊されるのか?
- どんな手を打ったら現状を維持できるのか?
- 最悪の事態が起きたら何をすれば回復するのか?
手順④:現状維持するための対策を実行する
現状維持を阻害する要因と対策を明らかにしたら、対策を実行していきます。
対策を実行するときにモチベーションが下がる場合は、次のような工夫を施してみてください。
- 理想を再確認する
- 現在の幸せをしっかりと味わう
- 行動を促してくれる仲間を見つける
準備中:実行力の高め方
手順⑤:定期的に振り返る
現状維持のための行動を続けつつ、定期的にその内容を振り返りましょう。
振り返ることで、次の2つのことを確かめるためです。
- 望んだ現状維持ができているのか?
- 望んだ未来にたどり着きそうなのか?
振り返りでは、次の項目を確認することをおすすめします。
- 理想は今も理想のままか?
- 過去と現状に変わりはあるか?
- 周囲の人の影響や反応はどうか?
- このままで理想にたどり着けるか?
- 最近はどんな感情になることが多いのか?
- もうやめたほうがよいことはありそうか?
- もっとやったほうがよいことはありそうか?
準備中:振り返りの方法
現状維持バイアスとは
現状維持を選択するか否かを考えるとき、知っておきたい概念として現状維持バイアスが挙げられます。
現状維持バイアスとは、次の2つのことを感じやすい人間傾向のことです。
- 変化は危険で価値が低い
- 現状維持は安全であり価値が高い
たとえば、次のような選択は現状維持バイアスに強く影響されている可能性があります。
- 新しいお店ではなく、いつもと同じお店を選ぶ
- パートナーと喧嘩したくないから自分が我慢する
- 失敗するのが怖いから転職せずに会社に残り続ける
- このままだと命の危険があるけど、喫煙を続けよう
現状維持バイアスの問題点は、現状維持の判断を根拠なく後押ししてしまうことです。
客観的に見れば新しい挑戦をしたほうがよいことでも、現状維持バイアスによって新しい挑戦は危険が大きいと感じて現状維持を望んでしまいます。
それは命の危険があると分かっていることでさえ、何の対策もしないと現状を変えることを難しくするほど強力です。
現状維持か新しい挑戦かで迷ったら、まずは現状維持を解除して客観的な判断を下せるように対策しましょう。
現状維持バイアスを解除する6つの方法
ここでは、現状維持バイアスを解除して、客観的に現状維持か新しい挑戦かを選ぶための方法についてお伝えしていきます。
方法①:延長線上の未来を明確にする
現状維持バイアスを解除するには、このままだとどうなるのかを実際に予想してみてください。
現状維持バイアスによって、私たちは延長線上の未来を楽天的に考えてしまうからです。
たとえば、転職するか会社に残り続けるかで悩んでいる場合。
現状維持バイアスがかかっている状態では、次のように違和感や問題を小さく捉えがちです。
- このままでもまぁ大丈夫か
- 今が平気だから数年後も問題ない
- 違和感を感じるけど大きな問題が起きたら転職すればいい
これを回避するためには、次の手順をおこなうことが役立ちます。
- 「会社に残り続けたら自分はどんな人生になるのか」を予測する
- それについてどう感じるのかをイメージする
このとき、自分の妄想ではなく、よりリアリティーのある予想をすることが大切です。
今回の例ならば、現実味のある自分の10年後を予測するために、10歳年上の社員の暮らしやスキル、上司や先輩の転職状況を確認するなどが考えられるでしょう。
自分と似た性格、思考パターン、学歴や経歴を持つ人を参考にすることで、延長線上の未来が想像しやすくなります。
延長線上の未来を明確にしたら、その自分でよいのか、それとも変化が必要かを再度検討してみましょう。
準備中:延長線上の未来の描き方
方法②:理想の未来を描き目標を立てる
今後どのような人生を築いていきたいのかを考えることも、現状維持バイアスを解除することに役立ちます。
なぜなら、理想の未来と締切となる目標を明確にしておくことで、現状維持による変化度合いを確認できるためです。
たとえば、「いつかダイエットをしよう」と考える人は、いつになったらダイエットをするでしょうか。
多くの場合、ダイエットを実行するタイミングは次のような「痩せることが今すぐに必要だ」と実感したときです。
- 健康診断の1週間前
- 結婚式の日程が決まったとき
- 水着を着る機会が設けられたとき
現状維持バイアスの解除には、「このままでは悪い結末になる!」というように緊急度を高めることが重要な施策になります。
そしてそのもっとも手軽な施策の1つが、自分にとって意味のある目的と目標を設定することなのです。
現状維持により時間を浪費している感覚を抱いたなら、一度理想の未来を描き目標を設定してみてください。
準備中:目標の見つけ方
方法③:判断基準を明確にして検証する
「なんとなく違う」「もっと大きな利益を得たい」と考えて現状維持を選んでしまいます。
ピンとくる大きな変化でなければ、現状維持バイアスによって変化する必要性がないと判断してしまうということです。
現状維持バイアスによって謝った判断をしないためには、次の3つのことを検討することが役立ちます。
- どんな変化を望んでいるのか
- このままだとどんな損失があるのか
- どんな利益を得られるなら挑戦する価値があるのか
たとえば、転職するか否かで悩んでいる場合。
現状維持バイアスが生じていると、次のようにリスクや損失を過度に恐れたり、利益を過小評価したりしやすいです。
- 損失への恐れ:転職しても大変だろうな
- 利益の過小評価:給料もそれほど変わらないしな
しかし、「年収を後100万円増やすために転職したい」と転職するか否かを決める判断基準が明確であれば、シンプルに判断を下せるようになるでしょう。
複雑に考えれば考えるほど現状維持バイアスが強くなり、現状維持を選びやすくなります。
判断に迷ったら判断基準をシンプルにして、その基準に自信を持つための根拠を添えることに努めてみてください。
方法④:フィードバックをもらう
現状維持バイアスを解除するには、他者からのフィードバックも役立ちます。
次の2つのことに対する客観的な情報を得ることで、変化の必要性を実感できるようになるためです。
- 自分はどんな状態なのか:太っている、対立している、怒っている、手を抜いている
- 自分はどんな影響を及ぼしているのか:雰囲気を悪くしている、迷惑をかけている
視野が狭い状態では大きな損失を被らないかぎり、自分の問題は「努力すべきほど重要ではない」と捉えてしまいます。
つまり、何かしらのフィードバックがあることで、ようやく自分の問題を正しく認識できるということです。
しかし、家庭崩壊や健康状態の悪化などの最悪の事態になるまでフィードバックを受け取らない、もしくは気づかないことがよくあります。
最悪の事態になる前に気づくためには、次のような質問を他者に尋ねて、もらったフィードバックと真摯に向き合うことが必要なのです。
- 今の私はどう見える?
- 直したほうがいいことって何かある?
- 優先して取り組んだほうがいいことって何かある?
準備中:360度フィードバック
方法⑤:変化を恐れる本当の理由と向き合う
現状維持バイアスは、変化しないための理由をたくさん見つけ出し、現状維持を選ばせようとします。
しかし、実はそれらすべてが本当の理由ではなく、そのほとんどは後付けの理由です。
本当の理由は後付けの理由の奥に隠れており、変化を促すためにはその本当の理由と向き合わなければなりません。
例.パートナーに不満を伝えられない人
・行動:我慢して現状維持を選んで不満だけを募らせていく
・後付けの理由:不満を伝えることが面倒、口論に発展することへの恐れ、我慢が美学
・本当の理由:関係性が悪化して子どもに悪影響を与えたくないから
本当の理由を見つけるためには、次の3つの未来を検討することが有効です。
- 最高の未来:どんな未来なら心から喜べるか?
- 最悪の未来:どんな未来だともっとも後悔するか?
- 現状維持の未来:このままだとどんな未来になりそうか?
変化しないための理由づけによって悩んでいる場合は、コーチングを受けてみることをおすすめします。
コーチングなら、自分の本当の願望と動けない本当の理由を見つけ出し、これからどうしていきたいのかを深く考えられるはずです。
準備中:コーチングとは
方法⑥:未経験を経験済みにしてから判断する
未経験なのにその結果の価値を推測することは、現状維持バイアスを働かせる原因です。
未経験が原因による現状バイアスの多くは、「どうせ」+「ネガティブ」という文言とセットで表れます。
この現状バイアスを解除するには、「推測を当てにしないで実際に挑戦してみる習慣」を身につけることが有効です。
未経験のことに抵抗感があるときは、それは現状バイアスのせいだと割り切って、実際に試してから自分に必要か否かを判断する癖を身につけてみてください。
例.未経験への抵抗感→実際に挑戦
・どうせ痩せても私はモテない→痩せたらやりたいことを今からやる
・どうせ稼いでも幸せにならない→稼いだらやりたいことを今からやる
・どうせ旅行しても楽しいのは一瞬だけ→実際に旅行してみる
・どうせ新しい飲食店に行ったら後悔する→実際にそのお店に訪れてみる
・どうせみんなの前で歌ったらバカにされる→誰かの前で歌ってみる
準備中:不安や恐怖をエネルギーへと変える方法
新しい挑戦をするときの4つの注意点
現状維持よりも新しい挑戦をしたほうがよいと言われやすいです。
しかし、危ない変化もあるため、ここでは挑戦するときの注意点についてお伝えしていきます。
注意点①:自己否定
自己否定に起因した挑戦の場合、その挑戦を見送ったほうがよいかもしれません。
具体的には、次のような強迫観念が理由の挑戦です。
- 稼げていない自分には価値がない、だから稼がなければならない
- 痩せられていない自分はダメなんだ、だから痩せなければならない
自己否定に起因した挑戦の問題点は、たとえ挑戦に成功したとしても幸福になりづらいことにあります。
なぜなら、そのような挑戦は自分が幸せになるためではなく、不安や恐怖から逃れるための目標だからです。
そして多くの場合、そのような挑戦が成功したとしても不安や恐怖がなくなることはなく、一生その強迫観念から逃れようと努力し続けてしまうのです。
新たな挑戦が自己否定に起因しているかを考えるときは、次の2つのことを検討してみてください。
- 「目標を達成していない自分」を許し受け入れているか?
- 挑戦をする過程や結果に、焦りではなくワクワク感を感じているか?
準備中:否定的な目標は悪いのか
注意点②:青芝現象
私たちは現状よりも他の選択肢の方がよりよく見えやすく、その直感を鵜呑みにして転職のような大きな挑戦をしてしまうことがあります。
たとえば、次のようなケースです。
- 友人の職場の方が幸せそうだから転職する
- 会社員より起業家の方が楽しそうだから起業する
青芝現象による挑戦をしても、多くの場合は「思っていたのと違った」と感じてしまいます。
なぜなら、自分が本当に望んでいることを明らかにせずに、他人の成功だけを求めて挑戦してしまうためです。
青芝現象による錯覚なのかを判断するためには、実際に小さく挑戦してみることをおすすめします。
0か1かで考えるのではなく、0か100かで考えてそのうちの1を実践してみるということです。
そしてその実践した経験から、次の3つのことについて検討してみてください。
- 自分は何を求めているのか?
- 挑戦したら本当にそれが手に入るのか?
- 挑戦したらどんな未来になるのか?
例.青芝現象→小さく挑戦する
・会社員より起業家の方が楽しそう→副業を始めて楽しく稼げそうかを確認する
・友人の職場の方が幸せそう→体験談を集めて自分が重視しているポイントを見つける
準備中:理想の人生
注意点③:一発逆転思考
苦しい状況のとき、私たちは一発逆転をするための方法を選択してしまいがちです。
具体的には、次のようなケースです。
- 人生を変えるために100万円のセミナーを購入する
- 元を取り返そうとレバレッジをかけて株を購入する
このような一発逆転思考は思考停止状態と変わらず、確率や計画などの論理的思考が働いていません。
現状を瞬時に好転させる魔法の杖があると疑わず、コツコツとした努力を敬遠しているだけです。
その結果、大金が必要な投資案件にベットしたり、怪しい儲け話に乗っかろうとしてしまいます。
自分のリソースの大半を費やす挑戦をしようとしているなら、それは一発逆転思考が働いているかもしれません。
挑戦をするときは一か八かの選択をするのではなく、失敗することが前提の選択であることを確認してみてください。
注意点④:ハネムーン効果
ハネムーン効果とは、環境の変化による高揚感を満足感と捉えてしまう心理現象のことです。
たとえば、次のようなケースが挙げられるでしょう。
- 起業をしたら幸せになった→起業に慣れたら幸福度が元に戻った
- 海外移住したら充実感を感じる→海外移住に慣れてからはつまらなく感じる
ハネムーン効果の問題点は、高揚感による満足感が長続きせず、そのたびに環境を変えて満足感を補填しようとしてしまうことです。
つまり、挑戦する目的が理想を実現するためではなく、ハネムーン効果による快楽を得ることにすり替わってしまうのです。
現状の退屈感を紛らわすために挑戦をしようとしているならば、それはハネムーン効果を求めているだけかもしれません。
挑戦するかを検討するときは、新しい環境にトキメク気持ちだけで判断するのではなく、期待している未来を明確にして、その挑戦が必要なのかを確かめてみてください。
まとめ
現状維持自体が悪いと考えられている理由は、現状維持が理想の未来を実現することを阻む要因になりやすいからです。
そのため、現状維持をするか否かで迷ったら、まずは現状維持を一概に否定するのではなく、現状維持を選ぼうとしている自身の思考や感情に関心を持ってみてください。
そして、その現状維持が本当に自分の理想の未来を実現するための手段であるのかを確かめてみましょう。
もしもモヤモヤして1人では考えきれないという場合は、コーチングを受講してみることをおすすめします。
1人で考えるより、考えるプロに頼ったほうが、より短い時間でより確実な答えを導き出せるはずです。
準備中:コンサルとコーチの違い